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管野アリオ
479
#ホークアイズ
こはく@忙しいね
10
月白
2,630
第3話 初めてのドタキャン
はる
はる
はる
金曜日の夜。
はるはまおの狭い部屋のベランダで冷たい風に吹かれながら
スマホに向かって頭を下げていた
部屋の中でははるの大好きなハンバーグをのんびりと作っている
ぱちぱちと肉を焼く音が受話器の向こうのりさに聞こえないか
はるは生きた心地がしなかった
りさ
りさ
りさ
りさ
スピーカーの漏れ聞こえるりさの声は
鈴の音のように澄んでいて
どこまでも上品だった
怒る訳でもなくはるを純粋に気遣う完璧な婚約者
いつもならその健全さに心打たれて
「早く出世してりさを幸せにしよう」
と決意をするはずだった
けれど今のはるにとってそのりさは完璧な優しささえも
自分の首を締めるロープのように感じられてしまう
はる
はる
通話をきり、はるは深くため息をついて部屋に戻った
まな
まな
はる
はる
まおの手元にはあの黒い手帳が置かれている
はるの人生を全て握る呪いの起爆剤
まな
まな
青ざめた頬にそっと手を添えた
以前のまおならはるに触れるだけで
緊張して胸をときめかせた
でも今の彼女の瞳には冷酷な光が宿っている
はる
はる
はる
はる
まな
まな
まおは耳元で歌うように甘く囁いた
まな
まな
まな
まな
まな
はるは奥歯を噛み締めた
りさの父親は厳格で娘を傷つける男を許さない
もしこの浮気がバれればエリートへの切符も
りさという完璧な婚約者も全て一瞬で無くなる
まな
まな
まおが差し出したハンバーグを震える手で口に運んだ
肉の味なんてしなかった
ただ、喉の奥がじりじりと焼けるような
苦い毒の味がした。
コメント
1件
うわ、この第3話、めっちゃ胸が締め付けられる……。りさの優しさが逆にはるを追い詰めてる感じ、辛いよ。電話のシーン、ハンバーグの匂いが聞こえてないかって気にしてるところがもう、背筋が冷えた。まおの「世界で私だけが味方」って台詞、ヤンデレ好きにはたまらない毒だよね。毒入りハンバーグ食べさせられてる気分、すごく伝わった。続きが気になる……。