鉛筆削りの穴の中にはピンクを基調とした部屋が見えた。
金星
金星
俺はこの電動鉛筆削りに感動していた。
どういう原理でこうなっているんだ?
俺は新しいオモチャを親に買ってもらった子供かのように心踊らせていた。
酸味男
金星
ドスッ!
酸味男の突然の大声に、思わず尻餅をつく。
金星
酸味男
金星
金星
電動鉛筆削りを酸味男に見せてみる。
酸味男
酸味男
...と穴の中を指差してそう言う
酸味男
金星
金星
至極当然に出てくる疑問。
なんせ穴は直径約1cmで指1本と入らないのだ。
地球上の常識で考えると、この穴の中に人間1人が入るのはまず無理な話だ。
酸味男
金星
人差し指を突っ込んだら穴の中に見えた部屋の中に入れる...
そう言われた俺は、俺の体が全部この穴の中にニュルルッと吸い込まれていくのを想像した。
正直言って気持ち悪い
金星
少し鳥肌が立ってしまった。
金星
酸味男
酸味男
金星
酸味男と出会ってからこの瞬間までの間、短い時間だったが...
会話を交わしていく内に、どんどんと友情みたくな感情が沸いてくるのが感じられた。
そんな''彼''と離れ離れになってしまう事実に少々気持ちが落ちていく...。
金星
金星
酸味男
酸味男
酸味男
金星
酸味男
金星
酸味男
酸味男
酸味男
金星
図鑑を持っている左手に力が入る...
酸味男
酸味男
予習は知識の礎を築く鍵である。明日の成功は、今日の準備によって決まる。努力と意欲を持ち、予習を惜しまずに積み重ねる。知識の花は、予習の種から芽吹き、成長していくのだ。
酸味男
金星
決心は決まった
金星
酸味男
酸味男
金星
素頓狂な声を出してしまった。
酸味男
金星
酸味男
金星
金星
酸味男
酸味男
酸味男
金星
金星
立ち上がり、椅子へと腰かける。
金星
金星
酸味男
酸味男は何も言わずに、親指をグッジョブとしたのだった。
パタンッ(本を閉じる音)
金星
酸味男
金星
電動鉛筆削りを手に取り....
酸味男
金星
金星
グリグリ...
次の瞬間、俺は今までに体験したことの無いような現象が起きる。
金星
ギュオオオオ!!
金星
金星
ルンバに吸い込まれていくゴミのように、俺の体は穴の中に吸収されていった!!
視界には、色んな色が混ざりあったような...混沌とした世界が広がっていた。
金星
It's beautiful.
ヴォン
気づけば俺は、穴の中にいた。
金星
金星
辺りを見回すと...
この部屋には、タンス、穴、ドア....
金星
楕円形で色んな色が混ざりあった色の出入り口のゲートがあった。
金星
ゲートに左手を入れてみる...
クュゥウウウ!!
金星
引っ張られる感覚を左手に感じた。
金星
ゲートから左手を抜き取った。
金星
金星
人間1人ならスッポリと入ってしまうほどの大きさのある穴の中を覗いてみるも...
金星
金星
耳をたててみても...
シーン
金星
金星
わ!!
ワァ...ワ...ワ
穴に向かって大声を上げた
声の鼓動が穴の中で反響しあう
金星
金星
中には光源が一切無く、穴の深さが予想できない。
''底知れぬ恐怖''
もし、ここに誤って落ちてしまったら...
考えるだけでもゾワッとしてしまう。
金星
金星
カポッ(タンスを開ける音)
中には....
金星
金星
紙にはこう記されていた。
大迷宮の地図を作ろうとしたが失敗に終わった。
窓から見えた家になんとしてでも行かなくては..。どうすればたどり着けるんだ?
森を抜けるには、''足元''が鍵となる。
大志は高く掲げろ。
しかし、常に足元を見失わず、地に足をつけて歩まなければならない。
謙虚な足元の力が、遠大な目標への安定した道筋を築き上げるのだ。
残酷な牢屋を越えた先にいるあの偉そうな女に意思を伝えるには工夫が必要だ。
懇願の力を考えださないと...ダメだ。
目的を忘れるな。
金星
金星
金星
金星
金星
俺は1枚のペラペラな紙を大事に持っていくことにした。