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金星

.......

金星

残るのはこのドアだけか

神妙な面持ちで俺はドアノブにゆっくりと手を掛ける。

ガッ...(ドアノブを回す音)

金星

おっ

ギィィ...(ドアが開く音)

木製の軋みが奏でるギィイという古びた音が部屋中に鳴り響いた。

ドアの先に見えたものは...

全てがコンクリートで出来た通路だった。

金星

えぇ...?

金星

なんっだよこれ...

道が右、左、前方と3本向に延びていた。

金星

(灯りはついているのか...)

天井には規則的に一定の感覚で電灯が設置されていた。

金星

(こんな所に電灯があるのは何か不思議な感じだけど...)

金星

.....行くか

まずは右から探索を始めることにした。

コツコツコツコツ...(歩く音)

靴裏とコンクリートが接触することで奏でられる無機質な音が通路全体に響き渡った。

俺はこういう音がどことなく好きだ

金星

モンスターはいないか...

しばらく歩いた後...

金星

...ん?

通路が右、左、前方の3本向に延びている場にまた着いた。

金星

こいつは...探索が大変そうだな

俺は右の通路に進んだ。

金星

おい...これ

しばらく歩いた後...

通路が右、左、前方の3本向に延びている場にまた着いてしまった。

ここまで歩いている途中、この通路に対して、少しの疑いが生まれていたが。

今、疑いが確信に変わった。

金星

ここ...

ピンクの部屋で手に入れた紙を急遽取り出し...

金星

この紙にも書かれている通り...

金星

''大迷宮''って所じゃないのか?

大迷宮の地図を作ろうとしたが失敗に終わった。

金星

だけど、この紙に書いている内容じゃ...

金星

情報が無さすぎるな

親指を顎につけて、俺は思考した。

そしてある1つの考えに至った。

金星

俺は今...右、右って来たから

ペタッ

自身の右側の壁に手を密着させる。

金星

この壁をずっと伝っていけば...

時間は掛かるけど、いつかはゴールにたどり着ける

コツコツコツコツ...

迷路というものはとんでもなく酷なものだと今、思った。

ずっと変わらない音、変わらない景色、変わらない明度、変わらない感情の起伏...

変化が全く起こらない場というのはとんでもなく退屈でクソだ。

金星

(...あれから何分経った?)

金星

(もうわかんねえや)

開けてはいけないパンドラの箱を開けてしまったような...

そんな絶望感が俺を包み込んだ。

金星

へ?ありぇ?

金星

(歩くって何だっけ?)

金星

haha...(意識飛んでる?)

金星

(やべえ...何だこれ)

金星

a...hahahahahahaha

金星

ええ?

脳みその一部がああ!?!

お月様とお星様に飛んでぇってたぞ~?

ワカメ~?

アあ...視界がぁ...!

グンニャりグニャりとぉ...

歪んデぇ~?

歪みマくっテ裏返シてぇ?

合わサって散っteぇ?

色ga!混ザりぃhi!あうyoおおおo!!

茂haやそれハも右~?

近所のタピオカパァン!

狂い金星

イヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ

イヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ!!

通路内に俺の奇声がこだまする。

狂い金星

ヒヒ~ン♪ヒヒッ!

狂い金星

ヒヒヒヒ♪

ゴツンッ!

あ''っ?!!

ドスッ!!

ベチャァ...

壁にぶち当たり、後ろに勢いよく倒れ込んだ。

Now loading...

Now loading...

脳のバグが修正されました。

金星

あぁ...痛え...

覚束無い視界で、前方にある壁を確認する。

金星

何だ...行き止まりか

手を地面から離し、自身のおでこを触る。

金星

(結構激しくぶつかったからなぁ)

金星

血、出てねえよな?

手を顔の前に持ってきた瞬間に...ツンと鼻を刺すような匂いがしたんだ。

金星

え?手、くさっ

金星

何か鉄っぽい匂いだな

今になって視界がはっきりとして分かる。

血がベットリと手に付着していた。

金星

う、うあ''っ!!

金星

そんなに出血してたのかよ?!!

腕全体をおでこに擦りつけ、頭から血が出ているか確認した。

ゴシゴシ...

金星

ゴシゴシ...

金星

やっぱついてねえ!出血なんかしてねえ!

金星

俺の血じゃないぞこれ!

じゃあ...

ザワザワと心が締め付けられる。

クルリと...振り返ったんだ。

死体

金星

ぁ?!!!?!

ズズズッ!!

俺は通路の角にセッセと移動して三角座りをして顔を伏せた。

死体。俺は殺っていない。死体だ。血が出てる。死ぬ。狂ってる。上げれない。分からない。何で死んでるんだ。怖い。おかしい。違う。こんなの聞いていない。知らない。逃げたい。忘れたい。逃げろ。

ゆっくりと立ち上がる...

死体

金星

(ごめん!!ごめんごめんなさい!)

体の震えが止まらない。直視できない。

血の匂いなんかどうでもいい。俺の顔が赤く染まってもいい。

金星

(違うんだ!!許してくれ!)

金星

(ごめん、ごめん!!)

死体

金星

(何かの間違いなんだこれは!)

金星

(偶然だ!)

金星

(運が悪かったんだ!)

背中を壁に向けて、ゆっくりと死体から遠退く。

背中を壁に密着しないでは動けない。

背後に誰かがいるような感覚がさっきから異常なまでにするからだ。

探索は大事

脳裏に過るあの言葉。

金星

(やめろ)

金星

(やめろおおお!!)

金星

(死体を触る...なんて)

...できるわけ...ないだろ

金星

もう、結構離れたか...ハァ

ドクッドクッドクッ

金星

(心臓がバックンバックンいってやがる)

とりあえず...

とにかく今は...時間が必要だ。

金星

ハァ...クラクラする...

渦巻いていた邪魔な物は取っ払った。

金星

もう...いいか

金星

(来たぞ...俺)

死体

視点は天井。死体はなるべく見ない。

視線をゆっくりと下げ、壁を見た。

酸味男はヤバい。ヤツは自在に時間を操れる。ヤツに喧嘩を売るな。アイツに殺さ

壁には血でそう書かれていた。

金星

(酸味男が...?)

推測だが、この女の子がこれを書いている途中で力尽きたのだろう。

いわゆるダイイングメッセージってヤツだ。

金星

(アイツ...が?)

金星

(いや無い無いwそんなのw)

金星

(そんなの、そんなの有るわけ無い)

金星

(アイツに限ってそんなの絶対にありえないって)

金星

(...ありえない)

金星

.........

金星

...ハァ

笑みは消えた。

金星

(他の所に行くか)

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