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(希余)香坂 仁

……

コンビニ店員

……

(希余)香坂 仁

…すいません

コンビニ店員

!!

コンビニ店員

びっくりしたぁ…

(希余)香坂 仁

あの、会計…

コンビニ店員

あ、はい…

(希余)香坂 仁

……

(希余)香坂 仁

(ホントに、レジ前に立っても気づかなかった)

(希余)香坂 仁

(うん、わざとじゃないよね…)

(希余)香坂 仁

(お客さん目の前にして)

(希余)香坂 仁

(あんだけ無視できたら苦情もんだし)

コンビニ店員

ありがとうございました

(希余)香坂 仁

どーも

(希余)香坂 仁

……

(希余)香坂 仁

(おまけに、自動扉も……)

(希余)香坂 仁

(反応が異様に遅い…)

コンビニから出て、

”うーむ”と唸る。

(希余)香坂 仁

(仁さんは存在感が薄いって言ってたけど)

(希余)香坂 仁

(本当なんだ……)

(希余)香坂 仁

(でも、これってちょっと)

(希余)香坂 仁

(存在感が薄いってだけじゃないような?)

そして、店やマンションの前を通ると

肌をピリピリと刺すような感覚が。

辺りを見ると、監視カメラがこちらをじっと見つめていた。

時折、何も感じない監視カメラもあるが、

それはきっとダミーなのでしょうと仁は言った。

(希余)香坂 仁

……

(希余)香坂 仁

(この力があれば、どこに監視カメラがあるのか)

(希余)香坂 仁

(手に取るようにわかる…)

おまけに、ピリピリした感覚も監視カメラとの距離によって強弱があり、

近づけば近づくほどピリピリとした感覚から

チクチクとした感覚へと変化する。

また、カメラを起動したスマホを向けられても同様の感覚を得る。

つまり、どこで誰がどういう方向にカメラを向けているのか、

自然とわかってしまうのだ。

(希余)香坂 仁

(この力があれば、監視カメラの届かない死角もわかるだろうし)

(希余)香坂 仁

(向けられたカメラから逃げることもできる)

(希余)香坂 仁

……

(希余)香坂 仁

(凄い力かも……)

そんなことを考えながら帰宅する。

(希余)香坂 仁

さて、お昼ご飯ぐらいは自分で作らないとねぇ

仁がお昼ご飯はお弁当を作っているので、

ついでに希余の分も作ろうかと提案してきたが

そこまで甘えてしまうと本当に何もしなくなってしまうので、

お昼ご飯ぐらいは自分で用意することにしている。

作る、と言ってもインスタントラーメンやうどん程度である。

仁のように凝ったものは作れるわけがない。

それでも、一人暮らしの女の昼ご飯ならその程度で十分だ。

(希余)香坂 仁

まぁ、でも…

しゃがみ込んで戸を開く。

そこには鍋や包丁が収められている。

(希余)香坂 仁

そればっかりだと

(希余)香坂 仁

さすがの私も飽きちゃうよねぇ

フライパンを取り出し、

冷蔵庫から使っていいと言われた

ハンパになった野菜類を取り出して

まな板の上に並べる。

(希余)香坂 仁

ということで、今日は冷蔵庫の残り物でパスタでも作ろうかなぁ

そして、包丁を手にした瞬間、

背筋がゾワリとした。

(希余)香坂 仁

え…

(希余)香坂 仁

な、なに?

次いで、

脳裏を過る

赤。

(希余)香坂 仁

ヒッ

思わず包丁をまな板の上に投げる。

恐怖

ではない。

なんと

表現していいのか

言葉に悩むが

一番わかりやすく言えば、

(希余)香坂 仁

高揚感……

無性に何かを切りたいという

異質な感情。

(希余)香坂 仁

なに…今の…

そして、

もう一度

恐る恐る包丁を手にする。

(希余)香坂 仁

ひゃぁ!!

悲鳴を上げて

シンクに包丁を投げ込む。

脳裏に過ったのは、

恐怖に顔を歪ませた

人の生首

そうして

眼球に刺さった

包丁。

幻聴のように

耳の中に響く

悲鳴

断末魔。

そして、誰かの笑い声が。

(希余)香坂 仁

なに、なによ…

震えが止まらない。

ホラー映画の一部にしては

あまりにも生々しい記憶。

(希余)香坂 仁

あれは…

”何だ…”と思いながらも、

思い出したくはなかった。

思い出したくはないのに、

腹を包丁で切り裂く映像が脳裏を過った。

(希余)香坂 仁

う、ぐっ…

それは記憶でしかない。

それでも、

切られた腹部から零れ落ちる内臓は、

あまりにも衝撃的で、

吐き気をもよおした。

トイレに駆け込み、

胃液を吐き出す。

(希余)香坂 仁

はぁ…はぁ…

(希余)香坂 仁

……なにこれ…

(希余)香坂 仁

最悪……

結局、包丁を握る気も

食欲も失せて

希余はベッドに横になる。

(希余)香坂 仁

……実はホラー映画が好きとか?

無理矢理、今見たものを映画のワンシーンであることにした。

(希余)香坂 仁

いや、そうしないとさ……

(希余)香坂 仁

あれが現実だったら……

そう考えると嫌な予感がする。

(希余)香坂 仁

この人……

(希余)香坂 仁

殺人鬼ってことじゃん……

(希余)香坂 仁

……

(希余)香坂 仁

いやいや!!

希余は首を大きく横に振る。

(希余)香坂 仁

そんな!まさか!

(希余)香坂 仁

だって、そんなこと……

(希余)香坂 仁

……

言いながら

不安に襲われる。

(希余)香坂 仁

だって…そんな…

天井の一点を見つめる。

(希余)香坂 仁

でも…身分証明書を見せて貰ったわけじゃないし

(希余)香坂 仁

スマホも…雷で画面バキバキになってて…

本当に雷のせい?

(希余)香坂 仁

…ダメダメ!!

(希余)香坂 仁

悪い方に考えたら

そう自分に言い聞かせても、

一度芽生えた不安と

仁に対する不信感はぬぐえなかった。

(仁)瀧澤 希余

ただいま帰りました

(希余)香坂 仁

……おかえり

(仁)瀧澤 希余

??

(仁)瀧澤 希余

夕ご飯の準備しますね

(希余)香坂 仁

……

(仁)瀧澤 希余

……

仁はそれだけ言って

いつも通り台所に立つ。

(希余)香坂 仁

…ねぇ

ベッドから起き上がり、

台所に近づく。

(仁)瀧澤 希余

どうしました?

(希余)香坂 仁

……あの、さ

俯き加減で尋ねる。

(仁)瀧澤 希余

……

(仁)瀧澤 希余

食欲、無いんですか?

(希余)香坂 仁

う、ううん!

首を振って顔を上げると、

そこには心配したような面持ちの

自分が立っていた。

体は自分のだけれど、

その中身は香坂仁だ。

(仁)瀧澤 希余

おや?違いました?

(希余)香坂 仁

え、あ、うん

(希余)香坂 仁

こ、今晩は何かなぁ?って思ったの!

希余はわざとらしく明るく言って見せた。

(仁)瀧澤 希余

今日はハヤシライスにしようかと思っています

(希余)香坂 仁

そ、そうなんだ!

(希余)香坂 仁

た、楽しみ!!

そう言って踵を返すと

ベッドに倒れる。

(希余)香坂 仁

(無理!無理!!!)

(希余)香坂 仁

(人殺しなんですか?)

(希余)香坂 仁

(なんて、聞けるわけないじゃん!!)

(希余)香坂 仁

(っていうか、聞いたら殺されそうだし)

(希余)香坂 仁

(無理…絶対、無理……)

(仁)瀧澤 希余

???

首を傾げて、

仁は夕食の準備の続きをする。

(仁)瀧澤 希余

元気が無いみたいですけど…

(仁)瀧澤 希余

体調でも悪いんですか?

(希余)香坂 仁

え?

夕食後、

テレビを見ていると

仁が声をかけてきた。

(仁)瀧澤 希余

あ、でも

(仁)瀧澤 希余

食欲はありましたよね…

”ふむ”と言って顎に手を置く。

(仁)瀧澤 希余

なにか、あったのですか?

(希余)香坂 仁

いや…べ、別に

(希余)香坂 仁

なにも無い…けど…

(仁)瀧澤 希余

そうですか……

(希余)香坂 仁

あの…

(仁)瀧澤 希余

はい

(希余)香坂 仁

ホラー映画とか

(希余)香坂 仁

見ますか?

(仁)瀧澤 希余

いいえ

仁は即答した。

(希余)香坂 仁

え?

(仁)瀧澤 希余

私、ホラー映画が苦手なんです

(希余)香坂 仁

へ?

(希余)香坂 仁

あ、ああ

(希余)香坂 仁

そ、そうなんですか

(仁)瀧澤 希余

瀧澤さんは見るんですか?

(希余)香坂 仁

う、ううん

(希余)香坂 仁

見ないかな

(希余)香坂 仁

人の悲鳴って

(希余)香坂 仁

聞いてて気持ちのいいもんじゃないし

(仁)瀧澤 希余

……そうですね

(希余)香坂 仁

……

(仁)瀧澤 希余

……

なんとも言えない沈黙が流れる。

(仁)瀧澤 希余

…瀧澤さんは

(希余)香坂 仁

は、はい

(仁)瀧澤 希余

不思議に思いませんでしたか?

(希余)香坂 仁

え?

(仁)瀧澤 希余

私がご友人について、何も聞いてこないことに

(希余)香坂 仁

え?いや、別に…

(仁)瀧澤 希余

どうして、初めて会う方の名前がわかるのか

(仁)瀧澤 希余

大学までの道がわかるのか

(仁)瀧澤 希余

そういうこと、不思議に思いませんでした?

(希余)香坂 仁

あー…まぁ、言われれば不思議に思う…かも?

(希余)香坂 仁

でも、私が知っていれば…

(仁)瀧澤 希余

そう

(仁)瀧澤 希余

瀧澤さんが知っていれば

(仁)瀧澤 希余

その記憶をたどって大学に行くことも

(仁)瀧澤 希余

ご友人の名前を間違えることもありません

(仁)瀧澤 希余

と、いうことは、ですよ?

(希余)香坂 仁

……

(仁)瀧澤 希余

瀧澤さんも

(仁)瀧澤 希余

私の記憶を

(仁)瀧澤 希余

何かしら見ていてもおかしくないはずです

(希余)香坂 仁

!!!

(仁)瀧澤 希余

さて、その様子ですと

(仁)瀧澤 希余

何かご覧になったようですね

(希余)香坂 仁

あ、いや…

(仁)瀧澤 希余

本当に?

そう言って覗き込んできた瞳は、

自分の瞳なのに、

暗く淀んでいるような感じがいして

気味が悪かった。

(仁)瀧澤 希余

まぁ、私はあまり記憶力が良い方ではないので

(仁)瀧澤 希余

思い出さないのも納得がいきますけど

そうわざとらしく明るく言うと、

仁は顔を離した。

(仁)瀧澤 希余

では、先に寝ますね

そして、そそくさと

床に敷いた布団に潜り込んでしまった。

(希余)香坂 仁

(……この人は)

(希余)香坂 仁

(…この人は…一体…)

程なくして寝息をたて始める自分の

穏やかな寝顔を見て、

希余は複雑な表情を浮かべた。

【完結】入れ替わり

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371

コメント

6

ユーザー

香坂さん、ホラー苦手なんですね!意外です。続きが楽しみです( *´︶`*)

ユーザー

面白いです! 続きが気になります♪

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