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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

九葉視点

お昼ご飯を食べて、 みんなまたバラバラになる

九葉(ボク恋)

(……そろそろ行くか)

ボクもリビングから出て、 階段で2階に上がる

それから西側に進んで行って、 ボクらの部屋の、一つ隣の部屋…… とも兄の部屋のドアをノックした

九葉(ボク恋)

ボクだけど、入っていい?

智弥(ボク恋)

うん、いいよ

中から返事が聞こえて、 ドアを開けて部屋に入る

そのまま進んで、 ベッドの上にぼふっと座った

見たところ、こっちの部屋と 変わったところはなさそう

九葉(ボク恋)

おまたせ。……で、さっき言ってたのって、どう言う事?

実はさっき、一つだけ嘘をついてた

午前、浦田さんの誰かを見たかって 質問に対して、誰も見てないって 言ったけど、それは嘘

本当はトイレから出た後、 廊下でとも兄に会ってた

ただ、隠してたのにも理由があってね

それが……

数時間前

智弥(ボク恋)

あ、九葉

九葉(ボク恋)

とも兄?

智弥(ボク恋)

……ねぇ、今ちょっといい?

九葉(ボク恋)

いいけど……どうしたの?

智弥(ボク恋)

今日お昼ご飯の後くらいに、俺の部屋に来てほしい。話したいことがあって

九葉(ボク恋)

それって……犯人の話?

智弥(ボク恋)

うん……。

智弥(ボク恋)

……俺、分かったかもしれない

九葉(ボク恋)

え、分かった?

智弥(ボク恋)

けど、ここで話すのは危ないしまた後で。あ、俺はずっと部屋にいるよ

九葉(ボク恋)

うん、じゃあまた後で

……って、こんなことがあって、 今ボクはここに来てる

もちろん、とも兄が犯人の可能性も、 ボクが犯人って思われてる可能性も あるし、危険なのは分かってる

だけど、行かなかったら相手に 疑われてるって思わせることにも なるし、もし本当に犯人が分かってた なら、来た方がボクにも得だ

智弥(ボク恋)

……まず前提として、九葉は絶対に違うと思ってるし、信用したいと思ってる。だからこうして呼んだのは頭に入れておいてほしい

九葉(ボク恋)

うん

……そりゃ、ボクだって兄を 疑いたくなんてない

心の奥底では、ボクも同じだ

智弥(ボク恋)

……俺、犯人は眼帯兄だと思う

九葉(ボク恋)

眼帯兄……?

智弥(ボク恋)

ほら、俺って今日料理当番だったじゃん? だから、いつもの癖でみんなより早めに起きたんだよね。

智弥(ボク恋)

それで、起きて部屋を出た時……青目兄の部屋の前に、眼帯兄がいてさ

みんなが起きる前ってことは、 7時よりも前の時間…… 結構朝早くってことになる

智弥(ボク恋)

ばったり会ったから軽く挨拶して、その時ちょっと話したんだよね。朝早いねって

九葉(ボク恋)

たしかに、眼帯兄が朝早く起きる理由ってないもんな……。なんて答えられたの?

智弥(ボク恋)

“昨日訓練できなかったから”って。青目兄の部屋の前にいたのは、“青目のことが心配で”って答えられた

昨日訓練できなかったから……?

九葉(ボク恋)

あ、そういえば……

智弥(ボク恋)

何?

九葉(ボク恋)

昨日、芽衣とお風呂に行って部屋に戻る時、途中で耳飾りさんとすれ違ったんだよね。

九葉(ボク恋)

なんか、広間で訓練するって言ってて……その時、眼帯兄のことも誘ったけど来なかったって言ってた。

智弥(ボク恋)

あ、だから早起き……?

九葉(ボク恋)

でも、あの人がいつ殺されたのか分からないし、青目兄の部屋の前にいたのは、やっぱりちょっと怖いけど……

智弥(ボク恋)

んー……やっぱり、俺の早とちりかな……だったらいいんだけど……

コンコンッ

って、ノック?

芽衣?

芽衣です。あの、ちょっといいですか?

九葉(ボク恋)

え、芽衣……?

外から聞こえてきたのは、 紛れもなく芽衣の声

でも、なんで芽衣がここに?

智弥(ボク恋)

芽衣ちゃん……? 今九葉いるけどいい?

芽衣?

あー、はい。大丈夫です

九葉(ボク恋)

(芽衣……にしては、何か違和感があるような気が……)

とも兄が部屋のドアまで行って、 ガチャッと開ける

智弥(ボク恋)

……って、え……?

智弥(ボク恋)

──っ!?

ザシュッ

九葉(ボク恋)

え……?

とも兄が困惑したと思ったら、 突然“何か”が切れる音が響く

その後に、ポタ、という 何かが滴れる音も

ドサッ

九葉(ボク恋)

え……とも兄……?

……返事が、ない

今部屋に来たのって、芽衣だよね?

芽衣は違うって思ってたのに、 なんで……??

九葉(ボク恋)

(……って……)

九葉(ボク恋)

……あなただったんですか

部屋に入ってきた人物に 向かって、そう言う

手には、スマホと血まみれの凶器

……あぁ、なるほど。 点と点が全部繋がった

あの行動も、さっき聞いたのも、 全部そういうことだったんだ

九葉(ボク恋)

っ……

叫ばなきゃいけないのに、声が出ない

いざとなった時、声が出せないって 言うけど、こういうことらしい

???

……じゃあ、また後で

九葉(ボク恋)

え……? ──っ!?

???

──残り、8人

芽衣視点

……なんか、変に嫌な予感がする

さっきから九葉を見ていない

ちょっと探したけど、部屋に いるわけでもないし、どこかの 部屋にいるわけでもなかった

この広い館のことだし、すれ違った 可能性もあるけど、ここまで 会わないと、ちょっと怖いな……

ちなみに、今私はリビングにいる

夕飯の時間が近いし、 ここにいればみんな集まって くるだろうって思ってね

真冬(ボク恋)

おかしいな……

ソファに座ってぼーっとしていると、 そんな声が聞こえてくる

芽衣(ボク恋)

どうかしたんですか?

振り返ってみると、うちのまふさんと 耳飾りのまふさんがいた

真冬(魔法唱)

え? あぁ、僕ら料理当番じゃん? だけど、ともさんだけ来なくて……

芽衣(ボク恋)

ともさんが?

別に、あの人は昔から時間を 破るような人じゃないと思うけど……

真冬(ボク恋)

……僕、ちょっととも君のこと探してくるね。先に色々やっといてもらえる?

真冬(魔法唱)

うん、分かった

そう言って、部屋の外に出ていった まふさんと、キッチンの方に 入っていった耳飾りまふさん

芽衣(ボク恋)

……まさか、ね……?

真冬視点

リビングを出て、人が集まって そうな西側の部屋に行く

娯楽室とか、人がいそうな 気はするけど……

ガチャッ

扉を開けて娯楽室に入る

中にいるのは……うちのそらるさん、 探偵のうらさかの2人、あとは “賭ケ藍”のところの2人だ

彼方(ボク恋)

まふ?

真冬(ボク恋)

そらるさん、とも君見ませんでした?

彼方(ボク恋)

智弥? ……いや、多分見てない

うーん、そらるさんは見てないか……

浦田(時雨桜)

誰か探してんのか?

真冬(ボク恋)

はい、とも君を探してて……。誰か見た人いる?

みんなに聞くけど、首を横に振られた

カナタ(賭ケ藍)

……そういえば……

冬真(賭ケ藍)

心当たりあるんですか?

カナタ(賭ケ藍)

かなり前だけど、階段を上がってくのを見た。部屋にいるんじゃない?

真冬(ボク恋)

部屋に……分かった、ありがとう

お礼を言って部屋から出て、 そのままの足で2階に上がった

たしか、とも君の部屋は…… ここだ、209号室

コンコンッ

真冬(ボク恋)

ともくーん、いるー?

……返事なし

もしかして、娯楽室に行った時 すれ違っちゃった?

でも、そこまで長くいた つもりはないけど……

……何か、嫌な予感がする

真冬(ボク恋)

……っごめんとも君!

一言だけ謝って、思い切って 部屋のドアを開ける

真冬(ボク恋)

ともく……。

真冬(ボク恋)

──っ!?

……すると、すぐ目の前に、 赤い池が現れた

真冬(ボク恋)

とも君っ!?

真冬(ボク恋)

……って……!?

部屋の奥を見ると、そこにもう1人 倒れていることに気づく

真冬(ボク恋)

こ、九葉ちゃん……!?

そんな、2人一気に……!?

真冬(ボク恋)

っし、知らせなくちゃ……!!

急いで部屋を出て、 リビングの方に向かう

ガチャッ

真冬(ボク恋)

はあっ、はあっ……!

芽衣(ボク恋)

まふさん?

芽衣(ボク恋)

……っ! ……まさか……!

真冬(ボク恋)

……殺されてたっ……! とも君と……九葉ちゃんも……!

芽衣(ボク恋)

っ!? そんな……!

足に力が入らなくて、 ドサリとその場に座り込む

なんで……なんでみんな、 殺されなきゃいけないの……??

真冬(ボク恋)

(みんな、何も悪いことしてないじゃんっ……!!)

芽衣(ボク恋)

っ……とにかく、探偵さん達に知らせましょう……私らじゃ、何もできないし……

真冬(ボク恋)

っうん……
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