テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

サカナ

皆様どうも、サカナです

サカナ

前回のラブラドライトノ瞳、結構転けた気がします

サカナ

文才をくれさい

サカナ

今回はあの世側です

イタ王

三途の川って綺麗なんね〜

ここは亡国の入り口的なもの

人間の黄泉の世界にもある、三途の川だ

イタ王

日帝、大丈夫かなぁ

ここにいるみんなは既に死んでいて、みんな現世には戻れない

ナチは日帝をこちら側にしようとしてるみたいだけど、僕や日帝の家族、まさかのソビエトくんが止めている

ナチは享年12年

亡国の中でも幼い方だ

だから、精神的な面がかなり未熟である

イタ王

またなにか変なことしてないかな…

あの子は賢いけれど、やっぱり子供

70年ほど年上の僕は心配しかない

イタ王

わー、広〜い

僕は時々、現世に近い場所に行く

それは夕方の神社であったり、曰く付きの廃屋であったり、さっきの三途の川であったり、色々だ

イタ王

みんなも来ればいいのに

亡国のみんなは、結構ひどい死に方をしていたりする

他殺でも自殺でも、死んだことによるメンタルダメージは計り知れないものだ

こうして色々なところを歩き回っているのは、多分僕くらい

ちなみに、ここは現世のとあるビルに存在する、本来は存在しない空間

いわゆる異世界だ

この前のきさらぎ駅とかもその部類だね

イタ王

日帝が迷い込んできたらどーしようかなぁ

イタ王

まあ、流石にそんなことあるわけないか!

イタ王

あはは!

日帝

…イタ王か?

イタ王

…は?

壁の影から出てきたのは、元同盟だった子猫ちゃんでした

日帝

いやー、こんなところで出会うとはな

イタ王

こっちのセリフなんね…

イタ王

まさかまた迷い込んでくるとは…

日帝

あの時は助かったぞ!

日帝

ありがとうな、イタ王

イタ王

あー…うん、どういたしまして

あの時とは、ナチが日帝を殺そうとしてきさらぎ駅に呼んだ時のことだろう

なんとか帰せたけど、あの後ナチに散々殴られて大変だったっけ…

イタ王

ねえ、どうしてまた迷い込んじゃったんね?

イタ王

僕びっくりなんよ

日帝

さあ…

日帝

私にもわからん

イタ王

まったくもう…

イタ王

助けるのも大変なんだからね?

日帝

すまないな

日帝は状況の深刻さがわかっているのかいないのか、呑気に暗い空間を見回している

イタ王

とりあえず外に出ようか

イタ王

ここにはもう現世に繋がる場所はないみたいだし…

イタ王

またきさらぎ駅から帰してもいいんだけどね

イタ王

ここからだと遠いんよ

日帝

わかった

襲われないように日帝と手を繋いで、僕は建物を出た

日帝

うわっ、ここどこだ?

外に出ると、いつもの薄暗い空が見えた

日帝

さっきまでと全然違うな…

イタ王

そりゃあ亡国の世界だもの

イタ王

違うに決まってるでしょ

日帝

…え、ここ亡国の世界なのか?

イタ王

そうだよ?

日帝

………

日帝は俯いて何かを考え、言った

日帝

…私死んだのか?

イタ王

多分死んでないんじゃない?

亡国のみんなは姿こそ生前のままだけど、体温はないし、全体的に暗いし、なんか目が死んでる

そんなみんなに比べ、日帝の手は暖かいし、生前に見た日帝と一切変わりがない

イタ王

またナチの仕業…かなぁ?

日帝

ナチスか…

日帝は複雑そうな顔をしている

戦争の終わりまで仲良しだった国に命を狙われてるのは、世界を敵に回したこの子でも嫌なんだろう

イタ王

まあ、まだ確定したわけじゃないんね

イタ王

ほら、帰り道探そう

日帝

あぁ

そうして僕たちは、現世への入り口を探し回った

イタ王

うーん…今日はここダメみたい

日帝

な、何か出そうな場所だな…

イタ王

幽霊なら僕もそうだけどね

日帝

怖くなくなってきた

イタ王

よかったんね

イタ王

ここにもないんね…

イタ王

早く帰らないと、日帝はお腹空いちゃうよね

日帝

ここでも食べてはいけないのか?

イタ王

当然なんね!

イタ王

例え水一滴たりとて、ここのものは口に含んではいけないんね!

日帝

そうなのか…

日帝

わかった、気をつける

イタ王

よろしい。じゃあ次の場所行くよ

日帝

廃墟の学舎か

イタ王

こういうところには、僕たちみたいなお化けは出やすいんね

イタ王

でも残念

イタ王

今は現世に繋がる場所じゃないみたいなんね

日帝

時間によって変わるのか?

日帝

さっきから空が暗くなったり明るくなったりしているが…

イタ王

亡国の世界は、太陽すらサボるほど陰気なところなんね

イタ王

今は現世の時間で…午後3時ってところかな

日帝

大体来てから2時間ほどか…

イタ王

時間はあるから大丈夫

イタ王

それに、絶対繋がる時間と場所まではまだかかるから

イタ王

その間に見つけられたらいいなってだけなんね

日帝

絶対に繋がる時間と場所?

日帝

そんなところがあるのか

イタ王

あとのお楽しみなんね〜

それから更に1時間ほど、現世で言う怪奇スポット巡りをしたけど、成果は得られなかった

イタ王

はぁ…まさかここまで見つからないなんてね

日帝

いつもならもっと見つかるものなのか?

イタ王

そーだよー

イタ王

僕、普段からそこを通って現世に降臨してるからね

イタ王

誰とも会えたことはないけど

会ったら会ったでまずいことだから、会わなくていいんだけどね

日帝

へえ…

日帝

結構自由度高いんだな

イタ王

ま、現国に干渉しない限りは基本的になんでもアリだからね

日帝

私がいるから、何かがおかしくなっているのだろうか…

イタ王

さあ?僕も詳しいことは知らないんね

イタ王

そろそろ夕方か…

夕方の神社には近づいてはいけない

みんなはこの話、知ってる?

日帝の手を引っ張りながら、僕たちは赤く照らされる神社までやってきた

日帝

…なんだか、ひどく不気味だな

イタ王

おかしいな…

イタ王

…まさか…

不自然なほどに赤い景色を目の前に、僕は理解した

やっぱり、日帝をこっちに連れてきたのはナチスだ

イタ王

日帝、隠れて

日帝

え?

イタ王

僕の帽子持って、早く隠れて

イタ王

僕が合図したら、あの鳥居をくぐってね

日帝

今はダメなのか?

イタ王

今はただの鳥居だから、意味がないんよ

早くしないとナチが来る

僕は日帝に帽子を押し付け、無理矢理隠した

コツ…コツ…コツ…

階段の下から足音が聞こえ、僕はバレないように表情を作ってから振り向く

イタ王

あれ?

イタ王

ナチ、こんなところで奇遇なんね!

ナチ

あぁ、そうだな

できるだけ中に入れないように、僕はナチに近寄る

ナチ

イタ王

ナチ

ここに、日帝が来ていないか?

イタ王

日帝?

イタ王

来てないに決まってるじゃない!

イタ王

ここは亡国の世界なんよ?

ナチ

そうだな

ナチ

で、嘘はいいから日帝を出してもらおうか?

イタ王

…嘘ってなんのことなんね?

イタ王

僕は何も嘘をついてないんよ

こいつ本当にヤバい 到底年下に向ける思いではないけれど、そう思わずにはいられなかった

ナチ

隠す気か?

ナチ

ここにいるだろう、私にはわかってるからな

淡々と話をするナチ

笑顔が逆に不気味だ

イタ王

もー、なんの話なんね

イタ王

僕はずっと前からここにいたけど、日帝どころか人間も国も来てないんよ

日帝のことがバレれば、ナチはきっと殺してしまう

さっきよりも赤くなっている空は無視して、僕はナチと話をする

ナチ

はぁ…

ナチ

どうしてお前たちは、私と日帝を離れさせようとする?

ナチ

私はただ寂しいだけだ

イタ王

へえ、ここにいる元同盟の僕じゃダメなんね?

ナチ

黙れ

ナチ

私の“仲間”は日帝だけだ

ナチは急に怒りを露わにして、夕陽よりも赤い目で僕を睨みつける

僕のこと、そんなに嫌いなんだね

ナチ

いいから日帝を出せ

ナチ

そうすれば何もしない

イタ王

だから、日帝はいないよ

ナチが苛立っているのがわかる

このまま時間まで隠し通せるかどうか…

イタ王

(…いや、僕ならできる。やるしかないんだ)

イタ王

(やらなきゃ、日帝が死ぬ)

ナチ

嘘はバレているぞ、イタ王

ナチ

この場所にいるのも、他に現世へ繋がる場所がなかったからだろう?

ナチ

私が通れなくしておいたからな

イタ王

何してるのさ…

イタ王

ねえ、きさらぎ駅は?

イタ王

あれは現世への定期便なんね

イタ王

行くならそっちの方が確率高いんよ

ナチ

あそこでは日帝が死ぬだろう?

ナチ

日帝がこちら側になった気配はない

ナチ

きさらぎ駅にはいないどころか、ここでは亡国の味方がいないと生きていられないだろう

イタ王

で、僕を疑ってるわけ?

ナチ

これは疑いじゃない

ナチ

確信だ

イタ王

…そう

イタ王

賢いナチに一つ問題

イタ王

今は何時でしょうか?

ナチ

…何?

空はナチの怒りを表すように赤くなり、古びてボロボロ鳥居も赤くなる

ナチ

イタ王

日帝、今だよ!!向こうへお帰り!!!

日帝

承知!!!

ナチ

おいっ!!!

ガサ!と音を立て、潜んでいた日帝が飛び出してくる

僕はすかさずナチの取り押さえ、日帝を見送る

ナチ

待て!!!!

ナチ

日帝!!!!

イタ王

はいはい、話は後…

イタ王

…って、ちょっと!!!

僕はナチに敵わない

無理に暴れられ、つい手を離してしまった

ナチ

待ってくれ!日帝!!!

日帝

…すまないな、ナチス

日帝

私は、まだ死ねない!!

日帝は階段から飛び降りるように鳥居をくぐり、その場から消えた

ナチ

っ!!!

イタ王

危ないなぁ…

ナチはそれに続こうと階段から飛び降りかけたが、僕が服の裾を引っ張り、ギリギリ引き戻せた

ナチ

くそっ…また失敗か!!!

ギロッと小動物を見殺せるほどの目つきで僕を睨むナチ

僕は日帝がちゃんと帰れて安心したのと同時に、

ナチ

…許さない…

ナチの計画を邪魔した罰を受けることとなった

ナチ

チッ…

イタ王をぶちのめした後、私は研究用に作った地下室に閉じ籠った

ナチ

あいつらが邪魔だ…

ナチ

もっと、もっと何か確実に…日帝を殺せる方法はないのか…

私はただ寂しいだけだ

もう何十年と待った

しかし、日帝は依然と死ぬ様子はなく、私の苛立ちと寂しさが募るだけ

ナチ

はぁ…

ナチ

一度落ち着こう

ナチ

この前も蛇神のおかげで、アレを弱らせることには成功した

ナチ

あとは追い詰めるだけだろう、ナチス…

ナチ

よし

まだ計画はある

また一緒に、今度はこの世界で一番になる

そのためにも、日帝には死んでもらわなくては

イタ王

………

イタ王

帽子、返してもらうの忘れてたな…

惹きつけ体質の日帝さん

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

1,826

コメント

3

ユーザー

日帝のなか(?)にいたのはやはりソ連だったか、、 とても嬉しい✨

ユーザー

夕方の神社 昼間は神が神社を見守り、魔物は近寄れない。しかし夕方は神が社に帰り、その隙に神社の神気を取り込み、魔力を上げようと寄ってくる魔物が現れる。 もしも夕方の魔物を見てしまえば、その者には容赦なく不幸が襲いかかるだろう

ユーザー

皆様、お気をつけくださいね

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚