サァァァ…
あれから1ヶ月以上経って,とうとう春。
桜が風に乗って違うところへ流れていく。
今でも,私の声は戻っていない。
ストレスなどは特にない。
みんなとても優しいから。
サーシャ
最近少し風邪気味。
今日で治るはず。
こういう,仕方ない咳とかは,“喋った”ということにはならない。
ヒノカグ
あぁ,私の愛している人が,私に段々と近付いてくる。
ニナ
私の大切な親友も,笑って私の元に来てくれてる。
ヒノカグ
ニナ
サーシャ
息を吸ったりしなければ,二言も言える。
ヒノカグ
ニナ
紙とペンなんて持っていないから,思いっきり笑って返した。
〜・・・〜
ある日,私は久しぶりに屋上の柵に立って水平線と地平線を見ていた。
サーシャ
綺麗…やっぱり声が,出ない。
カチャ…
ヒノカグかニナかな?
そう思いながらも,いつもより綺麗なその景色に,見惚れて振り向くのを忘れてしまった。
ドンッ!
サーシャ
ガシャンッ!
タタタ…
誰かわからない人に,突き落とされたようだ。
しかし耐久性に自信がある私は,それから10分以上耐えていたが,そろそろ限界だった。
あいにく声も出ないので助けも呼べない。
?
あと…5分くらいならいけるか…?
誰か…誰か…!ヒノカグ!
ヒノカグ
先生
ヒノカグ
ヒノカグ
ふいに,ヒノカグは屋上を見た。するとそこには…
ヒノカグ
ヒノカグ
〜屋上〜
ヒノカグ
サーシャ
少し…言えても…何も…
ヒノカグ
グイッ!!
サーシャ
“ありがと。”
そう瞳で伝えた。
ヒノカグ
わかってくれた。とても,嬉しかった。
ヒノカグ
サーシャ
〜・・・〜
あれからあのようなことが何度も続いた…
サーシャ
ニナ
ヒノカグ
ニナ
サーシャ
ニナ
サーシャ
ニナ
サーシャ
ニナ
ヒノカグ
ニナ
サーシャ
ニナ
サーシャ
ニナ
ニナ
ヒノカグ
ニナ
キーンコーンカーンコーン…
ニナ
ヒノカグ
サーシャ
?
?
?
ー翌日ー
胸がなんだかザワザワする。どうしよう…
サーシャ
思わず口を手で押さえる。
やってしまった…名前を呼ぶだけに使ってしまうなんて…
ヒノカグ
サーシャ
悔しかったけど,相変わらず優しいヒノカグは,笑い返してくれた。
〜・・・〜
休み時間はいつも教室にこもっている私だが,教室から外を眺めていると,ヒノカグの姿が見えた。
〜校庭〜
ちょうど校庭の真ん中よりヒノカグの方に寄った頃,ヒノカグが私に気付いた。
ヒノカグ
ニナ
ニナ
ヒノカグが私に手を振っている。
その場を離れようとしないヒノカグに違和感を感じつつ,手を振り返した。
まるでそれと同時に,誰かが茂みから出てきて岩でヒノカグを殴ろうとした。
ニナ
危ない!そう思っても声が出ない。
はずだった。
サーシャ
ヒノカグ
?
声が…出た…!!
ニナ
ヒノカグ
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