TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

好きになりました。

一覧ページ

「好きになりました。」のメインビジュアル

好きになりました。

5 - 独占欲かもしれない。

♥

205

2021年11月09日

シェアするシェアする
報告する

翌朝、案の定レトさんは起きなくて

俺が無理矢理叩き起こした。

ちょっと嫌そうな顔をして文句を言ったあとごめん!なんて謝られて

二人で急いで家を出た。

キヨ。

マジで起きないじゃん…

レトルト

悪かったって言ってるじゃん!

キヨ。

遅刻しちまうって…あ…

レトルト

ん?

キヨ。

紹介するよ、俺の友達

俺たちの数十メートル先を歩いている 後ろ姿を追いかけた。

キヨ。

おーい!

キヨ。

うっしー!!

牛沢

んだよ…うるせぇな…

キヨ。

口悪っ!

牛沢

こんなところで大声出すなって…

キヨ。

そんなことよりさ

キヨ。

ほら、この人…

牛沢

ん?

レトルト

あ、はじめまして!

レトルト

レトルトと申します!

牛沢

あー、みかんゼリーくん?

キヨ。

その呼び方やめろ笑

レトルト

俺のことめっちゃ話してるやん!

そう言って俺の肩を小突く。

牛沢

それで?どうなった?

レトルト

どういうこと?

キヨ。

あーー

キヨ。

なんでもないです…

キヨ。

気にしないでください…

キヨ。

(余計なこと言うんじゃねぇ…)

俺はキッとうっしーを睨む。

それに気づいたのか 俺から目を反らした。

レトルト

あ、そう?

牛沢

えっと、レトルトさん…だっけ?

牛沢

キヨと家近いんでしょ?

レトルト

そうなんよ〜

レトルト

ほんの数分の距離だったみたい

牛沢

それだけ近くてよく今までお互い気づかなかったよな

キヨ。

それは俺も思う!

キヨ。

なんでだろうね

レトルト

不思議だよねー

牛沢

今朝はでも一緒に来たよね

レトルト

うん、昨日キヨくんちに泊まったから

牛沢

ほぉ〜

牛沢

やりますねぇ

キヨ。

(だからお前は…!!)

牛沢

なんか進展し…むぐっ

俺は止まらないうっしーの口を 手で塞いだ。

キヨ。

…黙ってろ

牛沢

へいへい、さーせんした

…これは完全に嫌がらせだろうな。

牛沢

レトルトさんも同じ講義だったなんてね

レトルト

さん付けしなくていいよー

牛沢

じゃあレトルト

レトルト

急だね!?

キヨ。

ほらお前ら席つけって

キヨ。

始まんぞ

牛沢

意外と真面目なんだよな〜

レトルト

そうなの?

牛沢

わりと適当な感じ出してんじゃん?

レトルト

確かにね

牛沢

でもこいつマジなときはマジだからね

レトルト

ギャップ萌えなのかなー

キヨ。

……聞こえてるからね?

レトさんを真ん中にして席につく。

俺のことでコソコソ話してる 二人を見てると少しモヤモヤした。

キヨ。

(俺だって話したいのに…)

講義が終わったらまた話せるかな…とか

俺んちに来てくれねーかな…とか

らしくもなく欲求が膨らんでいく。

レトルト

キヨくん、眉間にシワ寄ってるけど

レトルト

どうしたん?

キヨ。

!!!!

牛沢

何か考え込んでたのか?

キヨ。

いや、大丈夫

キヨ。

ちょっと胸が痛むだけさ…

レトルト

………

レトルト

病気…?

キヨ。

失礼だな!!

牛沢

はははっ

レトさんの言ったことは存外 外れていたわけではなく、

ある意味病気なのだと思う。

キヨ。

今日も疲れたわ…

牛沢

課題多すぎだろ…

牛沢

俺もうボイコットしてぇよ

キヨ。

わかるわー

3人で帰りながら 出された課題について文句を言い合う。

レトルト

俺、あの課題あんまり得意じゃないんだよね

キヨ。

そうなの?

キヨ。

マジか、助けてもらおうと思ってたのに…

牛沢

ほらぁ、すーぐ頼るじゃん

牛沢

たまには自力でやれ

牛沢

やりゃできんだから

キヨ。

進研ゼミみたいなこと言うな

レトルト

むしろ俺のほうが助けてもらいたいよー

レトルト

あれ難しくない?

牛沢

だってよキヨ

牛沢

お前助けてやれ

キヨ。

えー?

牛沢

バイトは?

キヨ。

ないけど…

レトルト

じゃあ、俺んち来る…?

キヨ。

いいの!?

レトルト

一緒に課題やろ!

これはラッキーだ。

うっしーがうまく促してくれたような そんな感じがして少し憎いけれど。

牛沢

じゃ、またな

キヨ。

おー

レトルト

じゃあね

うっしーの電車は反対方向のため ホームで別れた。

もちろん俺とレトさんは同じ方向。

ひらひらと手を振るうっしーに 俺たちも振り返す。

レトルト

それで?

キヨ。

え?

レトルト

さっき変な顔してたのは何だったん?

レトルト

講義の前に

キヨ。

あれかぁ…

流石に覚えてたみたいだ。

言ってもいいものだろうか。

でもやっぱり嫌な顔はされるだろうか…

キヨ。

何でもないって

レトルト

そうなん?

レトルト

まぁ言いたくないなら別にいいけどさ

レトルト

相談なら俺にしてくれていいからね?

キヨ。

言いたくないってわけじゃないけど

キヨ。

今はちょっと言わなくてもいいかなって

キヨ。

でも、ありがとな

レトルト

うん

様子のおかしい俺を 心配してくれたんだろう。

俺だってわかってる。

これは立派な独占欲だ。

TO BE CONTINUED...

好きになりました。

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

205

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚