同時刻 茜の自室
茜
はぁ...思わず休んじまったな...
茜
(知ってたよ...もう時間が少ねーってことくらい...)
茜
でも...あんまりだろ...ッ‼︎
アタシはベッドに寄りかかりながら 力強く握った拳を床に 叩きつけた。
すると、その音に対して 下から母親の心配する声が 聞こえたが何でもないと答えた。
茜
はぁ...死ぬのか...?
アタシが脱力しながら そう言った時、 携帯に誰かから着信がきた。
茜
誰だ...って遊?
アタシは携帯の画面を触り 通話の開始ボタンを押した。
茜
...もしもし
遊
《あ、もしもし茜?元気ー?》
茜
この声が元気に見えるか...?
遊
《あっははは‼︎全然見えないよ‼︎》
遊
《どうしたの?昨日の部活と今日といい...もしかして本当に体調不良なの?》
茜
だからそう言ってんだろ...
茜
てかお前、今何してんだ?
遊
《よくぞ聞いてくれた‼︎》
遊
《私は今、文化祭で他の部活に死研と協力して一つの出し物をしないかっていう提案をしに行ってるところ‼︎》
遊
《でもね...先生にその部活が活動してる場所を聞きそびれちゃって、今絶賛迷子です...》
茜
何してんだよ...
茜
何か...アタシがいなくても楽しくやれてるんだな...
遊
《何を言っているんだね君は‼︎》
遊
《全然、楽しくないよ‼︎だって茜がいないし‼︎》
茜
別にアタシがいなくても...
遊
《茜さ、昨日と今日でテンションが下がってる理由ってさ...》
遊
遊
《あの“病気”のことが関係してるの?》
茜
...そうだよ。この前少し吐血したんだ
遊
《あら‼︎その後も吐血はあった?》
茜
いや、その1回だけだ
遊
《じゃあ、大丈夫だよ‼︎》
茜
...他人事だな
遊
《んー...茜はさ、一体何が怖いの?》
茜
...怖いだと?
遊
《うん。聞いてる限り“私がいなくても”って言うから、死に対する恐怖じゃないと思うんだよね...》
茜
...何が言いたいんだ?
遊
《まさか...》
遊
遊
《“約束”のこと?》
茜
っ‼︎
遊
《あれあれ?当たりかな?》
茜
そうだったら悪りぃかよ...
遊
《いやいや‼︎茜が覚えていてくれて私は嬉しいよ‼︎》
茜
あんな“強烈な内容”忘れる訳ねーだろ
遊
《でも大丈夫。今こうして“約束”は守られてる訳だから》
遊
《何も怖がらなくていいよ》
茜
....
遊
《じゃあ、そんな茜にお願いがあるんだけど...いい?》
茜
何だよ...
遊
《明日から学校に来て、部活もしっかりやること‼︎》
遊
《あ、でも本当に体調が悪い時は休んでもいいからね》
茜
...分かったよ
遊
《じゃあ、よろしくね‼︎》
遊
遊
《“死ぬまで残り半年ちょっと”だけど‼︎》
茜
ああ、よろしく...
そしてアタシは電話を切り、 明日へ向けて準備を始めた。