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数日後

晴人

(久々にビックバーガー食べたけど美味しいなぁ)

久しぶりの有給消化日。

普段、あまり入らないファーストフード店に来ていた。

晴人

(たまーに、この味が食べたくなるんだよな…。)

店員

お客様、他の支払方法はいかがですか?

晶子

クレカとか、電子マネーってことよね?

店員

はい

晶子

えーっと…

晶子

晶子

ありました。これでお願いします

店員

かしこまりました

晶子

(あれ、支払いしているうちに、空いてる席がなくなっちゃった)

晶子

(天気いいし、外で食べようかな…?)

晴人

あれ?晶子さん?

晶子

………晴人くん

晴人

こんにちは

晶子

こんにちは。

晶子

…この前は、恥ずかしいところ見せちゃったわね

晴人

いいえ

晴人

あれ?もしかして席空いてないですか…?ここ、もう空きますよ

晶子

そうなの、空席がなくて。それから、ちょうど晴人くんに聞いてほしい話があるんだけれど………聞いてくれる?

晴人

はい、僕でよければ……

晶子

あなたに、あなただから…聞いてほしいの

晴人

(改まって、一体どうしたんだろう?)

晴人

この前持ち帰りされたチキン、仏壇にお供えされました?

晶子

そう、お供えしたわ。

晶子

それから、報告もしたわ

晴人

晶子

あっ、ごめんなさい。気にしないでね。報告、って言うのはこちらの話だから………

晴人

はい

晶子

晶子

…不思議とね、チキンをお供えした日に、夫の夢を見たの。

晶子

普段は夢に出てこないんだけれど、

晶子

今回は「頑張れ」って夫から応援されちゃった

晴人

一体、何の応援だったんでしょうか?

晶子

(君との仲を、夫に応援されたのよね。…本当に不思議)

晶子

ふふっ

晴人

晶子

夫は、私のことを応援してくれたの。私、臆病だから。

晶子

最近変わりたい、って思うようになってきて、実際に少しずつだけれど、変わってきたと思うの

晴人

…はい

晶子

私が変われたのは、あなたのおかげ

晴人

晴人

えっ?!

晶子

今までの私は臆病で、下ばっかり見て歩いていたの。でも、若いのに苦労しながらも頑張ってるあなたを見て、勇気と元気を貰えたの

晴人

そ、そんな…僕、何もしてないですよ

晶子

ううん、確かにあなたから貰ったよ。人の優しさ、暖かさを

晴人

晴人

優しさと、暖かさ…?

晶子

そう。あなたの生き方に、勇気を貰った

晶子

だからね、私も頑張ろう、って思えたの

晴人

晴人

…そうだったんですか

晴人

知らなかった…でも、光栄だなぁ…

晴人

僕が、晶子さんの役に立っていたなんて

晶子

ふふっ

晶子

…ファーストフード店で話す内容じゃなかったね

晴人

いいえ

晴人

今日偶然とは言え、お会いできて良かったです

晶子

…もう、行っちゃうの?

晴人

(えっ?!)

晴人

(それ、どういう意味で言ってるんだろう…?)

晶子

もう少し、私に時間をくれないかな…?

晴人

晶子さん、ここにも四つ葉のクローバーありました!

晶子

えっ、もう4つ目?!

晴人

はい

晶子

晴人くんは、四つ葉のクローバーを見つける天才ね

晴人

自分にも、こんな才能があるとは思わなかったです

昼食後、ファーストフード店の近くにある公園にやって来た。

晶子

押し花づくりが捗るわ

晴人

押し花…って、しおりにしたりするんですか?

晶子

ううん、アクセサリー作りに使うの

晴人

晶子さん、アクセサリー作っていたんですか

晶子

そうなの。それだけで食べていけるようになったのは、つい最近なんだけれど…

試しに作った作品を見せてくれた。

晴人

わあ、きれいですね…

晴人

そうか、花を染色すると、こうなるんだ…

晶子

染色して、押し花をイヤリングやピアスにしたものが人気なの

晶子

このキーホルダー、あげるわ

晴人

えっ?

晶子

あなたのお母さんに。よかったら仏壇に飾ってあげて。

晴人

いいんですか?

晴人

母、花が好きだったから、喜ぶだろうなぁ……

晴人

ありがとうございます、晶子さん

晶子

こちらこそありがとう

晶子

晶子

せっかくのお休みなのに、付き合わせて、ごめんなさいね

晴人

えっ?楽しいですよ!

晴人

あっ、また四つ葉のクローバーありましたよ?

晴人

はい、どうぞ

晶子

ありがとう

晶子

あなたが楽しいなら…良かった

夕方

晶子

今日はありがとう

晶子

一緒にいられて、良かった

晴人

僕も、久しぶりに楽しかったです

晴人

いつも仕事ばっかりだったので、リフレッシュできました

晶子

それなら良かった

晴人

もし、また四つ葉のクローバー見つけたら、摘んでおきますね

晴人

晴人

あの

晶子

うん?

晴人

母と同じ病気の島店長に、四つ葉のクローバーモチーフのものをあげたいな、って思ったんですが

晴人

男性に贈っても、違和感ないものってありますか?

晶子

そうね………

晶子

晶子

キーホルダーとか、タバコを吸うならライターケースもアリかな…。あとは、ネクタイピンとか

晴人

ネクタイピン…

晴人

晴人

素敵ですね、ネクタイピンって、自作できるものなんですか?

晶子

作ってる作家はいるはずだけど…。今度、どうやってネクタイピンを自作するのか、調べてみようか?

晴人

お願いします

晶子

連絡先、教えてくれる?

晴人

ああ、そっか

晴人

僕たち互いに連絡先知らないんでしたっけ…

晴人

これです

晶子

えっと、これどうやって連絡先交換するの?

晴人

QRコードを読み取るんです

晶子

あっ、こうか!できた!

晶子

私、こういうの苦手で。ごめんなさい

晴人

僕も得意ではないです

晴人

人並み程度に使えるだけで…

晶子

それで十分すごいわ。

晶子

じゃあ、ネクタイピンのこと分かったら連絡するわね

晴人

よろしくお願いします

晴人

…いきなりこんなことお願いしてすみません

晶子

ううん

晶子

私、嬉しいの

晶子

ようやく晴人くんの力になれそうだから

晴人

(なんだか、照れるな…)

晶子

じゃあね、晴人くん

晴人

はい、晶子さん、また

互いに、振り返りながら帰路につく。

晴人

(また、会えるかな?)

晶子

(また、会いたいな)

晴人 自宅

晴人

晴人

スマホ鳴った

店長: 久しぶりだな。そっちはどうだ?俺は抗がん剤が終わったよ。寛容してくれてたらいいな。 まだ免疫が下がったままだから娘にも会えないが、落ち着いたら娘の服を買いに行きたいな。

晴人

店長…!

晴人

抗がん剤治療、終わったんだ。

晴人

…お店の近況伝えておこうっと

つ づ く

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