テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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赤ずきん

第1話 - 赤ずきん

140

2019年11月06日

#文化祭にて

#ホラー

#今週のお題

#いじめ

#童話

#赤ずきん

sui

教師

なるほど

ユキ

……

教師

よく話してくれたわね

教師

辛かったでしょう

ユキ

はい……

教師

先生に任せて

ユキ

はい……！

私はいじめにあっていた

誰にも相談できないまま

文化祭に向けての話し合いが始まっていた

学級委員長

では

学級委員長

今年の文化祭の出し物は

学級委員長

赤ずきん

学級委員長

ということでいいですか？

はーい

学級委員長

それでは、配役を決めましょう

書記

赤ずきん、狼、おばあさん

書記

そして猟師が主なところですね

教師

ちょっといいかしら

教師

赤ずきん役は

教師

ユキさんにやってもらいたいの

ユキ

え？

学級委員長

他に立候補したい人はいますか？

教師

……いないようね

教師

ユキさん、どうかしら？

ユキ

あの、えっと

ユキ

わたしにできるかな

教師

大丈夫

教師

やる気があればなんでもできるわ

教師

勇気をだして

ユキ

……わかりました

ユキ

やります

学級委員長

では次に狼役ですが

ユキ

あの

ユキ

狼役はレナさんに

ユキ

お願いしたいです

レナ

わたし？

レナ

どうして……？

教師

そうね

教師

レナさんにお願いしましょう

教師

皆もそれでいいわね？

学級委員長

……

学級委員長

特に反対もなさそうなので

学級委員長

レナさん、お願いします

レナ

……

学級委員長

次におばあさん役ですが……

文化祭で赤ずきんをやることになった

突然指名されて

私は断ることができなかった

ユキ

「おばあさん」

ユキ

「おばあさんの耳は」

ユキ

「どうしてそんなに大きいの？」

レナ

「それはね」

レナ

「赤ずきんの声が」

レナ

「よーく聞こえるようにだよ」

ユキ

「おばあさん」

ユキ

「おばあさんの目は」

ユキ

「どうしてそんなに大きいの？」

レナ

「それはね」

レナ

「赤ずきんの事が」

レナ

「よーく見えるようにだよ」

ユキ

「おばあさん」

ユキ

「おばあさんの口は」

ユキ

「どうしてそんなに大きいの？」

レナ

「それはね」

レナ

「お前を食べちゃうためにだよ！」

監督

はーい

監督

だいぶ仕上がってきたね

ユキ

そう、かな？

監督

うん

監督

赤ずきん役、うまくやれてるよ

監督

狼役なんだけど

監督

もう少しやるきだしてやれないかな？

レナ

これでもやってるつもりなんだけど

監督

つもりじゃ困るよ

監督

俺が監督になったからには

監督

高いレベルを目指したい！

レナ

わかった……

ユキ

レナさん

ユキ

お互い、がんばろうね

レナ

……

ユキ

ふぅ

ユキ

練習は疲れるなぁ

レナ

ねぇ

ユキ

レナさん

ユキ

どうしたの？

レナ

どういうつもり？

レナ

いったい何を考えてるの？

ユキ

なにって？

レナ

どうして私を

レナ

狼役に指名したの？

ユキ

レナさんが

ユキ

適任だと思ったから

レナ

……！

レナ

私が狼役に？

レナ

どういう意味？

レナ

狼は最後は殺されちゃうんだよ？

レナ

死ねってこと！？

教師

どうしたの？

ユキ

なんでもないんです

ユキ

赤ずきんのことで

ユキ

ちょっと打ち合わせを

教師

そう？

レナ

先生！

レナ

ユキさんが

レナ

私には狼役が適任だって言ったんです！

教師

そうなの？

教師

でも、先生もそう思うわよ

レナ

え？

教師

劇でぴったりの役があるっていうのは

教師

とてもいいことじゃない

教師

赤ずきんにとって

教師

狼は物語の要よ

教師

とても大事な役よ

教師

二人ともがんばってね

ユキ

はい！

レナ

はい……

いよいよ明日は文化祭

あいつは

何をしでかすかわからない

きっと

私をおとしめるつもりだ

全校生徒の前で

そんなこと

絶対させない

教師

いよいよ本番です

教師

練習してきたことを信じて

教師

思い切りやってください

ユキ

はい

レナ

……はい

ユキ

「おばあさん」

ユキ

「赤ずきんです」

ユキ

「ミルクとパンを持ってきました」

教師

何事もなく進んでるわね

レナ

「おやおや」

レナ

「よく来たね」

レナ

「どうぞお入り」

男教師

先生、しかし思いきりましたね

男教師

いじめっこといじられっこを

男教師

主役に据えるなんて

教師

ユキさんが話してくれたの

教師

レナさんからいじめを受けてるって

教師

この赤ずきんで解決の糸口が

教師

見つかればと思ってね

教師

うまくいってて安心してる

男教師

え？

男教師

逆じゃないです？

教師

何が？

ユキ

「わあ」

ユキ

「とても狭くて」

ユキ

「汚い部屋ね」

レナ

え？

ユキ

「おばあさんの性格と一緒」

ユキ

「心が狭くて、薄汚い」

ユキ

「お似合いの部屋ね」

教師

！！

教師

ユキさん！？

男教師

あーあ

教師

どうなっているの？

学級委員長

もしかして

男教師

気づいてなかったんですか？

男教師

ユキさんが

男教師

レナさんをいじめてたんですよ？

教師

え？

教師

でも

教師

レナさんから

教師

教科書隠されたり

教師

SNSで動画上げられたり……

男教師

それ、ちゃんと確認しましたか？

男教師

全部ユキさんが

男教師

レナさんにやったことですよ

教師

え？え？

ユキ

「おばあさん」

ユキ

「はいこれ」

ユキ

「ミルクとパン」

レナ

「……ありがとう」

ユキ

「あ、ごめんなさい」

ユキ

「手が滑ってしまって」

ユキ

「自分で拾ってね」

レナ

「……！」

レナ

い、痛い！

ユキ

「あら、ごめんなさい」

ユキ

「今度は足が滑ったわ」

レナ

足をどけて！

レナ

手が……！

ユキ

ふん

ユキ

いいきみね

ユキ

「ねぇおばあさん」

ユキ

「おばあさんの耳は」

ユキ

「どうしてそんなに気持ち悪いの？」

レナ

「……」

ユキ

「おばあさん」

ユキ

「おばあさんの目は」

ユキ

「どうして私をイラつかせるの？」

レナ

「……」

ユキ

「おばあさん」

ユキ

「おばあさんの口は」

ユキ

「どうして息をしてるの？」

ユキ

「死んじゃえばいいのに」

レナ

……知ってる？

レナ

本当の赤ずきんを

ユキ

は？

レナ

今の赤ずきんはね

レナ

狼が死んじゃったり

レナ

狼が行いを悔いて

レナ

反省したりするの

レナ

でもそれは

レナ

原作があまりにも救いがないから

レナ

修正された物語なの

ユキ

なに意味わかんないこと言ってんの？

ユキ

状況わかってる？

ユキ

全校生徒の前で悪口言っても、手を踏みにじっても

ユキ

先生は見てるだけ

ユキ

仮にあんたが自殺しても

ユキ

いじめなんてなかったって

ユキ

そう言うに決まってる

ユキ

あんたの味方なんていないのよ

レナ

……教えてあげる

レナ

本当の赤ずきんはね

レナ

狼が赤ずきんを食べておしまいなの

ユキ

！！！

ユキ

い、痛い……！

ユキ

血が……！

ユキ

か、カッター？

レナ

狼には気をつけろ

レナ

そういう教訓のお話

レナ

じゃないと

レナ

死んじゃうよ？

レナ

愚かな赤ずきんちゃん？

この作品はいかがでしたか？

140

1件

うわお…まさかのいじめている方が赤ずきん…いじめられている方が狼… けど、狼も頭いいですね…(苦笑) ユキがレナに復習？するために本番で悪口を言ったのでは無くて、レナがユキに復習？をするという感じだったのか…((語彙力怖かったです😨

sui

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