カツンカツン__
出勤ラッシュの終わった駅前で響く 私の白杖の音
いつも通りに
いつもと同じように
いつもと同じ道を
点字ブロックという名の道しるべを頼りに
ただただ歩き進めてゆく。
__はずだった
桜子.
白杖という目の見えない人達に 必要である大切なもの
命の杖と言っても過言では無い。
その白杖に何かが当たった
自転車のような鉄では無い。
桜子.
あぁ、これは
桜子.
今まで通り進めばこんなところに人は居なかったはず
こんな私に転機が訪れた
嫌な声。
きっとこの杖を見ても何も思わない人なのだろう。
白杖を雑に掴まれるなんて何年ぶりだろうか
きっとこういう人には謝るのが1番だと。
桜子.
桜子.
話している途中き遮られてしまった
やはり私はなめられやすい見た目をしているのか
いつも不思議に思う。
月島 蛍.
月島 蛍.
私の右後ろ、上の方から低い声が聞こえた
きっとこの人はちゃんとした知識がある人なんだろう
今この状況を見てすぐに対応してくれるのだから。
月島 蛍.
月島 蛍.
月島 蛍.
月島 蛍.
月島 蛍.
少し煽っているようにも聞こえるが、 正直なところ私は
桜子.
と思ってしまった
しかし人を侮辱するような発言はあまり好んでいないため 心に秘めておくとする。
きっと自分のしている事が恥ずかしくなったのだろう
少し乱れた声を出してその場を去っていく音がした
月島 蛍.
桜子.
まさか私にまで声を掛けてくれるとは思いもしなかった
そのため、どういう反応をしていいのか分からず うまく言葉を返す事が出来なかった
月島 蛍.
そういいながら彼は私に白杖を握り直させてくれる
気をつけてと言わんばかりに。
桜子.
月島 蛍.
月島 蛍.
桜子.
間違えた
急に声が出てしまった
すごく不思議だ。
桜子.
月島 蛍.
桜子.
月島蛍くん
どういう字で書くのだろう、なぜか私はすごく気になった
桜子.
月島 蛍.
桜子.
月島 蛍.
月島 蛍.
桜子.
桜子.
私がそう言うと小走りで去っていった
なぜか分からないが私の心がギュッと締め付けられる
彼に、月島くんにもう一度会いたいと思ってしまった
そして私は「ちゃんとお礼をしたかった」という 口実をつけてここで待つことにした
君と初めて出会ったこの場所で。
桜子.
桜子.
桜子.
桜子.
桜の色は君が教えて.
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コメント
2件
のんさんの作品神ってます
最高すぎます