きっと駅前でこんな馬鹿な事をしているのは私だけだろう
そう思いつつも君に出会うために約2時間は待っている
学校が終わって直ぐ君と出会った場所に来た
君にまた会えると信じて。
私は生まれつき視界が真っ暗。
「色」というものを見たことが無い
人の顔も自分の顔も
何もかも見たことがない
視覚障害者は目以外にも音を頼りにできる
もし今私の隣に座った人が居たとしよう。
女性か男性か、大人か子供か、 何も分からない人にいちいち声をかける
これはすごく勇気のいる事である。
でも君に会うためなら勇気を出すなんて 会うに越したことはない。
桜子.
そう思う事がよくある
でも会いたいという思いが必ず勝る。
この時から私が顔も年齢も知らなかった君に恋してるなんて 気づいてもいなかった
桜子.
桜子.
確かに今隣に誰か座った
あぁ、月島くんじゃない。
でも...とりあえず聞いてみよう
桜子.
桜子.
私が聞ける質問はこれだけ
無力だ。
桜子.
桜子.
もしも私が見えてたら
そう思ってしまう
思いたくもないのに。
早く来てよ、月島くん。
桜子.
桜子.
桜子.
あれ、無視かな
もうこんな事やめよう
馬鹿らしい。
月島くんがここに来るとは限らない
月島 蛍.
桜子.
桜子.
月島 蛍.
やっと出逢えた
君は少し驚いた声で私に質問してきた
月島 蛍.
桜子.
君に出会う為だけにこんなことしてるのは馬鹿だって 分かってる。
でも君が私にこんな馬鹿な事をさせたのだから。
桜子.
桜子.
月島 蛍.
桜子.
月島 蛍.
桜子.
私が自分の名前を言うと君は笑いだした
どこか幼い子供のように
そして君はこう言う。
月島 蛍.
どうやら月島くんは煽り性能が着いているらしい
少しばかりムッとなったけれども
本当のことを言っているまでである。
桜子.
桜子.
月島 蛍.
今どんな顔してるのかな
もっと
もっと月島くんの事知りたい
桜子.
月島 蛍.
そんな風に格好良い事を言う
でも私はそんな格好良く言われてもめげない
なぜなら私はがんこなのだから。
桜子.
月島 蛍.
桜子.
桜子.
ジュース1本を奢りたいわけじゃない
お礼をする為だけにここに待ってたわけじゃない
君に会う為だけに
君ともっと居たいからこんな風に言葉を発している
こんな私の気持ちも知らない君。
月島 蛍.
桜子.
もう少しだけ長く居られる
もっと君を知りたい
もっと
教えて。
桜子.
桜子.
何故か君といると気持ちが焦ってしまう
顔の中心に熱が集まるのが分かる。
月島 蛍.
そう言いながら君は私の手を握って 場所を教えてくれる
桜子.
そう思うとさっきまで顔の中心にしか無かった熱が
顔全体に
指先までも広がるのがわかる
桜子.
君がただの優しさでこんな事をしているのは分かっている
でも私はそう思えそうにない
この気持ちはなんだろう、そう思いつつも
私はその気持ちに薄々気づいている
きっと私は君のことが好きっていう気持ちに。
桜子.
月島 蛍.
桜子.
月島 蛍.
ただの「サイダー」という言葉なのに
君の私への気持ちのように感じてしまった
桜子.
私も自分の気持ちを推し殺そうと 炭酸を選んだ
いつもカフェオレかミルクティーなのに
きっと君との恋はそんなに甘くないから。
桜子.
月島 蛍.
桜子.
月島 蛍.
桜子.
桜子.
月島 蛍.
やはり煽り性能付き
でもあって30分も経ってないのにそれまでも 愛おしく思えてしまう
こんな気持ちは初めて
初恋を奪った君と私がくっつく事は無いのかな
桜子.
桜子.
月島 蛍.
桜子.
私は君に聞こえない声でそう呟く
一度でいいから見てみたい
お願い神様
月島くんはどんな顔?
月島 蛍.
桜子.
そう言った君は私の手を自分の顔に当てる
桜子.
思わず手を離してしまった
私はその手で自分の顔を隠す
きっと
月島 蛍.
きっと変な顔をしてるから
桜子.
月島 蛍.
これは君と私の2人の物語。
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コメント
1件
続き楽しみに待ています!!(*´罒`*)ニヒヒ♡