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凜寧.@活休悩み中……
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アジトに向かう道すがら、シヴァさんはぽつぽつと質問を投げかけてきた。 両親のこと。私の能力のこと。 聞かれるがまま、私は問わず語りに話した。両親の正体、能力が発現してからの日々、ずっと誰にも言えずにいたこと。不思議と、嫌な気持ちにはならなかった。話すたびに、胸の奥に溜まっていた重いものが、少しずつ軽くなっていくような感覚さえあった。 代わりに、シヴァさんは自分の仲間について話してくれた。
シヴァ
あっさりとそう名乗ったシヴァさんには、十人の――本人いわく「結構個性的な」――仲間たちがいるらしい。話す口調はどこまでも軽くて、明るくて、面白くて。 さっき、目の前で人を殺したばかりだとは、とても思えなかった。 優しい人だ、と思った。 しばらく歩いたところで、シヴァさんが何かを思い出したように足を止めた。
シヴァ
水瀬涼香
シヴァ
にっこりと笑ったその顔が――めちゃくちゃ怖かった。 笑っているのに、笑っていない。そんな感覚だった。 思わず一歩後ずさった私を見て、シヴァさんはすぐにけらけらと笑い出した。
シヴァ
冗談、らしい。 けれど、笑いながらもその目だけは、笑っていなかった。ガチだった。 ――偽名、か。 考えてみても、すぐには何も思い浮かばなかった。元の名前から一文字取ろうか。それとも、順番を入れ替えようか。歩きながら、水瀬涼香という四文字をこねくり回すことしか、頭になかった。 水瀬涼香。両親につけられた名前。大好きだった頃の記憶と、地獄を知ってしまった後の記憶が、両方とも染みついた名前。 この名前をどう弄れば、うまく別人になれるだろう――そんなことばかり考えていた私に、隣を歩いていたシヴァさんがぽつりと言った。
シヴァ
その一言が、すとんと胸に落ちた。 縛られる必要は、ない。 そう思った瞬間、ひとつの名前が思い浮かんだ。 るな 何かの本で読んだ月の女神様の名前。女神なんて大層なものでは無いけどマフィアになるという道はこれまで真っ暗だった私の日々に光を当ててくれた。そんな私にあげる名前にきっとあってる。そう思った。
水瀬涼香
シヴァ
シヴァさんはそれ以上何も言わなかった。 水瀬涼香は、今日、死んだ。 これからは――るなとして、生きていく。
コメント
1件
「水瀬涼香は、今日、死んだ」——この一文に全部持ってかれました。 るな、っていう名前の決め方も、親に縛られなくていいってシヴァさんに言われて自分で選んだところがすごく良かった。月の女神の名前、暗闇の中に差し込んだ光みたいで、本当に似合ってると思う。シヴァさんの優しさと怖さのギャップもちゃんと伝わってきて、読み終わったあと、じんわりと胸が熱くなりました🥀