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紺君は、秋から学校に復学する予定だった

本当は、8月には帰国して、私とたくさん思い出を作るという約束もしていた。

綾子

もうすぐ8月なのに…

綾子

最近ずっと手紙も来てない

せっかくわざわざ図書館で読書を楽しもうと思ったのに、逆効果だ。

紺君が側にいない現実と向き合わなければならない。

綾子

…帰ろう

綾子

…この時代になって、スマホから国際電話が無理って、何…

確かにインドに着いてすぐに、電話はあった。でもそれは一度きりのことだった。

インドには、まだまだ携帯電話が使えない地域も多い。

綾子

心配になってきた…

綾子

帰国前に連絡するって手紙にあったのに…

気がつくと、いつの間にか、紺君の家の方向へと歩いていた。

綾子

どうしよう…

紺君は、お母さんと二人暮らしだった。

優しい紺君は、付き合い始めてすぐに、自分から家に招待して、お母さんにも会わせてくれていた。

綾子

お母さんなら、何か知っているよね…?

迷ったけれど、紺君を案ずる気持ちには勝てなかった。

そのまま紺君の家まで突き進んだ私は、勇気を出してインターホンを押した。

紺君のお母さん

はーい、どちら様?

綾子

あの、紺君にお世話になっている…

紺君のお母さん

綾子さん……!!?

紺君のお母さん

良かった、すぐに上がって頂戴

紺君のお母さん

私だけではどうしようもなくて……

久しぶりに見た紺君のお母さんは、やつれていた。

綾子

何かあったんですか…?

紺君のお母さん

紺と連絡が取れなくなったのよ

綾子

え…

紺君のお母さん

もう半月は経ってると思うの

紺君のお母さん

大使館の職員さんが現地の方と探してくださっているみたいだけど、私は外国語なんて全然分からないから…

紺君のお母さん

向こうの人のお話が分からないのよ…

綾子

日本の大使館の方は?

紺君のお母さん

それが、何か言いにくい話みたいで…

紺君のお母さん

体調が悪くて治療している、とは言っていたけれど、詳しいことは何も…

綾子

そんな、紺君……!!

私は、日本とインド、それぞれの大使館の連絡先を教えてもらい、家まで疾走した…

綾子

もしかしたらだけど…

綾子

紺君のお母さんには、聞かせられない話じゃないかな…

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