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柊季 澪(ひいらぎ みお)

あれは、私がまだ、

柊季 澪(ひいらぎ みお)

高校生の時でした─

男子

柊季、

男子

好き。

男子

付き合って。

告白されるのはコレが初めてではなかったけど、

柊季 澪(ひいらぎ みお)

えっと…は、はい。

柊季 澪(ひいらぎ みお)

よろしくお願いします…。

周りにどんどんカップルが増えてきていたのもあるのか、

その時の私は、それを了承しました。

今思えば、

男子

(…ニヤッ)

…それが全ての始まりでした。

柊季 澪(ひいらぎ みお)

…それで、

柊季 澪(ひいらぎ みお)

付き合ってから2、3日程で、

柊季 澪(ひいらぎ みお)

彼氏の家に誘われました。

柊季 澪(ひいらぎ みお)

…今考えると、2、3日で家はどうかしてると思えるんですけど、

柊季 澪(ひいらぎ みお)

初めてのお付き合いだったので、

柊季 澪(ひいらぎ みお)

「こんなもんなのかな」と思いつつ、私はその子の家に行きました。

柊季 澪(ひいらぎ みお)

お邪魔…します。

男子

入って入って。

柊季 澪(ひいらぎ みお)

男子

柊季 澪(ひいらぎ みお)

(…な、何?この空気…)

柊季 澪(ひいらぎ みお)

え、ええっと、

柊季 澪(ひいらぎ みお)

差し入れです。

男子

うん、ありがとう。

柊季 澪(ひいらぎ みお)

男子

柊季 澪(ひいらぎ みお)

(…この人、会話続ける気あるのかな…?)

柊季 澪(ひいらぎ みお)

え、えっと…

男子

柊季。

柊季 澪(ひいらぎ みお)

柊季 澪(ひいらぎ みお)

…な、何ですか?

─ドサッ

…突然、押し倒されました。

…あの時は、ビックリしました。

恐怖と言うよりかは、まだ本当に、驚きで…

男子

柊季、

男子

家に呼ばれるって、どういうことが分かる?

柊季 澪(ひいらぎ みお)

…え…?

柊季 澪(ひいらぎ みお)

柊季 澪(ひいらぎ みお)

…ま、待ってよ…どういう…!

男子

お前と付き合った理由って、正直半分以上は「ソレ」目的だし。

柊季 澪(ひいらぎ みお)

─っ…!!

男女の力差からか、

私の抵抗なんて、簡単にねじ伏せられました。

男子

告白OKしたって、

男子

男子

…そういうことだろ?

そういうと、その子は私の首筋に、指を這わした。

柊季 澪(ひいらぎ みお)

…っ、…!!(グスッ

男子

泣いてどうなんだよ。

男子

ここには俺とお前しか居ないんだぜ?

柊季 澪(ひいらぎ みお)

恐怖が体を這いずり回り、

本当に、怖かったんです。

…でも、震えて。

「嫌だ」と言えなかった。

…すると、

柊季 澪(ひいらぎ みお)

男子

─ヴーーヴーー

男子

柊季 澪(ひいらぎ みお)

─っ、

柊季 澪(ひいらぎ みお)

たまたま鳴った私の携帯のお陰で、

柊季 澪(ひいらぎ みお)

彼の注意を逸らすことができて、

柊季 澪(ひいらぎ みお)

何とか、逃げることが出来たんです。

柊季 澪(ひいらぎ みお)

…その後、どうやって家に帰ったかは、よく覚えていません。

柊季 澪(ひいらぎ みお)

でも、

柊季 澪(ひいらぎ みお)

柊季 澪(ひいらぎ みお)

初めて「男の人」の恐怖を知った私は、

柊季 澪(ひいらぎ みお)

もうそれ以降、関わりを避けるようになりました。

柊季 澪(ひいらぎ みお)

柊季 澪(ひいらぎ みお)

そのまま成人して、今この病院に勤めています。

柊季 澪(ひいらぎ みお)

そんな中で、出会ったのが…

柊季 澪(ひいらぎ みお)

柊季 澪(ひいらぎ みお)

─貴方だったんです、

柊季 澪(ひいらぎ みお)

…上原さん。

上原 翔叶(うえはら あすか)

柊季 澪(ひいらぎ みお)

初めは、

柊季 澪(ひいらぎ みお)

遊び半分で、私とつるんでるんだろうなって、

柊季 澪(ひいらぎ みお)

本当に、凄く、昔の彼氏と重なって、

柊季 澪(ひいらぎ みお)

嫌いで…

上原 翔叶(うえはら あすか)

上原 翔叶(うえはら あすか)

…ほんとに、ごめん…

柊季 澪(ひいらぎ みお)

あ、いえいえ!

柊季 澪(ひいらぎ みお)

…すみません、言葉が足りませんでした。

上原 翔叶(うえはら あすか)

…?

柊季 澪(ひいらぎ みお)

「初めは」とは言いました。

柊季 澪(ひいらぎ みお)

でも、

柊季 澪(ひいらぎ みお)

柊季 澪(ひいらぎ みお)

…さっき、田中先生に襲われそうになったとき、

柊季 澪(ひいらぎ みお)

─助けてくれたじゃないですか。

柊季 澪(ひいらぎ みお)

…そこが、決定的に違ったんです。

柊季 澪(ひいらぎ みお)

─今まで重ねてた元カレと。

上原 翔叶(うえはら あすか)

…!

柊季 澪(ひいらぎ みお)

改めて、お礼を言わせてください。

柊季 澪(ひいらぎ みお)

…上原さん、

柊季 澪(ひいらぎ みお)

本当に、ありがとうございます。

柊季 澪(ひいらぎ みお)

…貴方に、助けられたんです。

上原 翔叶(うえはら あすか)

上原 翔叶(うえはら あすか)

…ひぃ、ちゃん…

柊季 澪(ひいらぎ みお)

柊季 澪(ひいらぎ みお)

…死ぬほど、怖かったんです。

柊季 澪(ひいらぎ みお)

柊季 澪(ひいらぎ みお)

助けに来てくれて、

柊季 澪(ひいらぎ みお)

本気で怒鳴ってくれて、

柊季 澪(ひいらぎ みお)

柊季 澪(ひいらぎ みお)

…すごく、嬉しかったんです。

ひぃちゃんが、 すぅーと息を吸った。

柊季 澪(ひいらぎ みお)

柊季 澪(ひいらぎ みお)

貴方がいてくれて、よかった。

…月明かりに照らし出されて、

涙目で、オレに微笑んだキミに、

上原 翔叶(うえはら あすか)

上原 翔叶(うえはら あすか)

…ひぃちゃん…

上原 翔叶(うえはら あすか)

─今度は、オレが、 すぅーと息を吸った。

…次は、オレが話す番だ。

ひぃちゃん、と言いかけて、

…言い直した。

上原 翔叶(うえはら あすか)

…澪さん、

上原 翔叶(うえはら あすか)

上原 翔叶(うえはら あすか)

…好きです。

入院生活2週間、担当看護師をオトします!

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コメント

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体目的で付き合ってると明言され、襲われかける… そりゃトラウマになりますよね…

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