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俺
この世界は、俺の見た夢だ。
だから世界で自我を持つのは俺だけだ。
街行く人々に本当は自我なんてないんだ。
だってほら、見てごらんよ? どいつもこいつも、同じ鋳型で作ったように、似たり寄ったりの台詞を吐いて、通りすぎて行く。
ああ、何もかも違うのは、この世で俺一人なんだ......
突然、真っ暗な場所に吸い込まれそうな感覚がした。 ━━ここには、誰もいない。
俺一人しか居ないんだ。
俺
そうか、 だったら、殺しても問題ないな。
俺は緩慢とした動作で、キッチンへ行った。 ━━心はひどく落ち着いていた
そして、包丁を掴む。
━━俺は何をしようとしているんだろう? 玄関を開け、表へ出た。
ふと目覚めると、 そこはいつもの独房の中だった。
俺
昔の夢を見ていたらしい。 あの日は、もう どのくらい前の事だったろう? 毎日同じ事の繰返しだと、日にちなんて、だんだんどうでも良くなるものだ。
俺
俺
━━ひょっとして、俺は今、 寂しいのだろうか?
俺
俺
俺
━━何か、虚しい......?
俺
俺
━━それとも、悲しいのだろうか?