悠真
んぅ……
悠真は朝目覚めると、こう呟いた。
悠真
そうか、今日は…
悠真
死者が出る日だったな……
悠真
今のうちに今日すべきことをまとめておこう。
まずは最優先で脱出の方法を見つける。
そのためには情報を集めなきゃならないな。
まずは仁達の見つけた資料を見せてもらおう。
じっくり見たら何かわかるかもしれないし。
そしたら次は、出入り口を探そう。
一体黒幕はなにを考えているんだろうか──
悠真
っと、もうこんな時間か。
悠真
そろそろ朝の議論の時間だな。
莉彩
とりあえず、今日は人が殺される日だから、5人で行動しよう。
結月
考えたんだけど、5人じゃなくても、3人3人4人でもいいんじゃないかな?
律
確かに…
海斗
じゃあ3:3:4だな。
莉彩
じゃあ、こんな感じで分かれようと思うけど、異論ある人いる?
◯悠真、陸、律 ◯陽太、海斗、颯 ◯莉彩、美月、結月、仁
美月
異論ないよ。
莉彩
ありがとう。
莉彩
それじゃあ早速探索しようか。
莉彩のその言葉で全員行動を始めた。
陸
『探索と言っても、昨日調べ尽くしたよね…?』
悠真
そうだ、俺、仁達が見つけた資料を見たかったんだ。
律
あ、じゃあ僕借りてくるよ。
悠真
ありがとう。
律
借りてきたよ。
陸
『おかえり。』
律
『ただいま。』
悠真
それじゃあ見ていこう。
陸
…
陸
『悠真君…こんなことされてたんだね…
味方なんて居なくて…』
味方なんて居なくて…』
悠真
『え、なんで知って…』
律
うわ…酷い…
陸
『資料に書いてあったよ。』
悠真
嘘!?
悠真が資料を見ると、自分がされていたことが全て書かれていた。
悠真
(管理人…どうして俺の過去を…?)
律
うわ、僕のことも全部書かれてる…
陸
『僕のことも全部書かれてる…』
悠真
(つまり管理人は、参加者全員の過去を知ってる…)
悠真
(一体どうしてだ…?)
律
……
陸
『律くん?どうしたの?』
陸が、急に沈黙になった律を気にする。
律
ここは…
律?
ここは何処だ?
律?
お前らは誰だ?
悠真
…は?
陸
『悠真君、何があったの?』
異様な空気を察した陸が悠真に問いかける。
悠真
『律が急に、ここはどこだ、お前らは誰だって言ったんだ。』
律?
(手話…あいつ耳が聞こえないのか…)
陸
『そういえば律君は二重人格って言ってた…』
陸
『悠真君、とりあえず手短に説明してあげて。』
悠真
『わかった。』
悠真
えっと、ここはどこかの屋敷。
悠真
俺らはここで閉じ込められてて、『脱出ゲーム』なるものをさせられてる。
悠真
俺は悠真でこっちは陸だ。
悠真
陸は耳が聞こえないから筆談か手話で話してやってくれ。
陸
ペコ
律?
なるほどな。
律?
俺は律の別人格、リンって読んでくれ。
リン
よろしくな。
悠真
よろしく。リン
リン
で?今は何してるんだ?
悠真
今は物置にあったらしい個人情報が書かれた資料を読んでる。
リン
そうか…ん?
リン
この資料…俺のことまで書いてあるぞ…
悠真
は!?
陸
『どうしたの?』
リン
『この資料見て』
陸
『これは…』
そこには、律の別人格であるはずのリンのことも詳しく書かれていた。
悠真
そんな…つまり管理人はリンのことも調べたということか…?
リン
腹減ったな…そろそろお昼か…
悠真
あっ、『そろそろ昼担当料理作らないと…』
陸
『そうだね、じゃあ行こうか、リン君、律君も昼担当だよ。』
リン
『わかった。』
美月
あ、遅かったね、3人とも。
美月
あれ?なんか律君顔つき違うね。
リン
俺は律の別人格、リンだ。
美月
よろしくね。私は美月。
リン
美月、よろしく。
陸
『今日のお昼はラーメンみたい。』
悠真
『昼からラーメンかよ。』
陸
『まあ、昼にラーメン食べる時もあるし…』
悠真
『それもそうか。』
美月
わぁ!リン君料理上手い!
リン
そんな事ねーよ、作るの初めてだし。
美月
これで初めて!?誇っていいレベルだと思う!
リン
そ、そうか…?
陸
『リン君包丁さばきすごいね。』
悠真
『ああ、美月も絶賛してる。』
美月
できたー!
リン
料理って楽しいな…
美月
私も!リン君と料理するの楽しい!
リン
それはよかった。
悠真
(お、意外といい関係?)
悠真
…あれ?
美月
どうしたの?
悠真
俺たち…こんなに馴染んでていいんだっけ…?