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ドーメイファ
曵百鬼
マティルデ
曵百鬼
ドーメイファ
マティルデ
ドーメイファ
曵百鬼
マティルデ
ドーメイファ
曵百鬼
ドーメイファ
ドーメイファ
曵百鬼
マティルデ
マティルデ
・・・
ドーメイファ
マティルデ
ドーメイファ
曵百鬼が接客しているところを見る
ドーメイファ
マティルデ
ドーメイファ
マティルデ
ドーメイファ
マティルデ
ドーメイファ
マティルデ
マティルデ
曵百鬼
マティルデ
そこにはスケッチブックで顔を隠したドーメイファがいた
ドーメイファ
曵百鬼
マティルデ
ドーメイファ
曵百鬼
曵百鬼
ドーメイファ
ドーメイファ
マティルデ
ドーメイファ
曵百鬼
曵百鬼
マティルデ
曵百鬼
二人が同時に言った。
ドーメイファ
マティルデ
曵百鬼
ドーメイファ
マティルデ
曵百鬼
・・・
マティルデ
ドーメイファ
曵百鬼
マティルデ
ドーメイファ
ドーメイファ
曵百鬼
ドーメイファ
曵百鬼
曵百鬼
ドーメイファ
ドーメイファ
曵百鬼
マティルデ
ドーメイファ
マティルデ
曵百鬼
マティルデ
曵百鬼
マティルデ
曵百鬼
マティルデ
曵百鬼
マティルデ
曵百鬼
マティルデ
曵百鬼
マティルデ
曵百鬼
マティルデ
マティルデ
曵百鬼
マティルデ
曵百鬼
マティルデ
曵百鬼
マティルデ
曵百鬼
曵百鬼
──どうして、こんなにも焦ってしまうのだろう。 楽しかったはずなのに。 ドーメイファの心街の端にある小さな角を曲がった瞬間、 途端に冷たくなった。 家が近づくにつれ、心臓の鼓動が喉に届きそうになる。
扉を開けた瞬間、沈黙。 それがいちばん怖かった。
ドーメイファ
お母さん
お母さん
ドーメイファ
お母さん
お母さん
ドーメイファ
話を続けようとした母の声が、そこで止まる。 玄関の戸締りを確認して、階段を上がる。 父親がまだ帰っていない。それだけで、呼吸が少しだけ楽になる。
だから──毎日、早く帰る。 母親の安否確認、父の酔いの有無。 自分が家にいれば、最悪の事態は避けられるかもしれない。 "もしも"の恐怖が現実にならないように。
スケッチブックを膝に乗せて、薄暗い窓辺に座る。 曵百鬼の横顔。 今日の少し疲れたような目。 マティルデの楽しそうな声。 描き写しても、温度までは残せない。
──もう少し、あの場所にいたかった。 けれど、それは"自分のわがまま"だ。 そう言い聞かせて、描く手を止めた。
ドーメイファ
ドーメイファ
時計の針が、重たい音で“九時”を打つ。 静寂を切り裂くように、玄関の扉が乱暴に開いた音が響いた。
ドーメイファ
ドーメイファの手がピタリと止まる。 膝の上のスケッチブックが、少しだけ揺れた。 部屋の鍵をそっと見やる── 大丈夫、閉まっている。音を立てないように、深く息を吐いた。
階下から荒々しい声が飛ぶ。 酔っている、またか。 足音が、床を引っ掻くように這い回る。
母親のか細い声がする。 耐える声。慣れた声。 それが、ドーメイファの胸を締めつける。 ──いつも通りだ、何もおかしくない。 そう自分に言い聞かせながら、瞼を閉じた。
皿が割れる音が、壁を伝って響く。 そのあとに、女の低い嗚咽。 ドーメイファの手は、ギュッと布団の端を握りしめていた。
ドーメイファ
でも、行けない。 行っても、余計ひどくなるだけだ。 自分が、怒鳴り返したところで──母は守れない。 それがこの家の“ルール”だった。
やがて足音は濁ったまま廊下を通り、階段を軋ませる。
やがて足音は濁ったまま廊下を通り、階段を軋ませる。
ドーメイファ
ドーメイファは立ち上がる。 スケッチブックを押し入れの奥にしまい、部屋の明かりを消した。 音を立てないよう、息すらひそめて。 自分の部屋の前で足音が止まった。 ──ドン。 扉を叩く音。続けて、低い声が漏れる。
お父さん
全身が凍りついた。 ドーメイファはその場で、声を上げずに震えていた。 足が、震えていた。 唇が、噛みちぎれそうなほど痛かった。
ドーメイファ
なぜ、それを否定する言葉が出せないのか。 なぜ、部屋の扉ひとつすら開けられないのか。 もう、自分がわからない。
お父さん
唾を吐くような言葉を残して、男は階下へ去っていく。 扉の前に崩れるようにして、ドーメイファは座り込んだ。 喉が詰まって、声が出なかった。 そして──暗い部屋のなかで、涙をこぼさぬように、 彼は静かにただ、息を殺していた。
マティルデ
ドーメイファ
曵百鬼
ドーメイファ
マティルデ
曵百鬼
ドーメイファ
ドーメイファ
ドーメイファ
言葉がそこまで出てきて、喉の奥で消える。
曵百鬼
ドーメイファ
マティルデ
曵百鬼
ドーメイファ
マティルデ
曵百鬼
ドーメイファ
ドーメイファ
ドーメイファ
少しだけ、唇が震えた。 誰も見ていないから、そういう顔もできる。
ドーメイファ
曵百鬼の顔が、ぼんやり頭に浮かぶ。 ちゃんと、気づいてた。 何も聞かずにいてくれた。 あの優しさに、逆にどうしていいかわからなくなった。
ドーメイファ
自分の情けなさに、苦笑すら出なかった。 でも、それでも。
ドーメイファ
言葉にできない気持ちを胸に、ドーメイファはもう一度、深く息を吸った。 指先の力を抜いて、顔を上げる。 午後の風は、少し冷たくなっていた。
カフェの扉についた鈴が、静かに鳴った。 ドーメイファがそっと扉を押し、外の空気をまとったまま中へ戻ってくる。 陽はすでに傾き始め、店内には淡い夕暮れの影が差し込んでいた。 マティルデが最初に気づき、ぱっと顔を上げた。
マティルデ
ドーメイファ
曵百鬼
ドーメイファ
——無理はしている。でも、ちゃんと戻ってきた。 それだけで、今は充分だった。 しばらく沈黙が続いたあと、彼がぽつりとこぼす。
ドーメイファ
曵百鬼
マティルデ
ドーメイファ
マティルデ
ドーメイファ
マティルデ
ドーメイファ
日が沈み始めたころ、 マティルデは「じゃ、また明日ね!」と手を振って、明るく扉の外へ消えた。 店内にはもう、曵百鬼とドーメイファの二人だけ。 ドーメイファは空になったカップを両手で包んだまま、 まだ席を立たずにいた。 目線は落ちていて、どこを見ているのかはわからなかった。
曵百鬼
ドーメイファ
曵百鬼
後ろで椅子が少し軋む音がして、ドーメイファが立ち上がったのかと思ったが、すぐにまた座り直すような音が聞こえた。 そして、小さな声。
ドーメイファ
曵百鬼
ドーメイファ
曵百鬼
振り返っても、彼は何も言い返さなかった。 夕暮れの光が、窓辺を茜色に染めている。 その色が、ドーメイファの肩に、優しく降りていた。
曵百鬼
そう言って、曵百鬼は彼の隣の席に腰を下ろす。 ドーメイファは少しうつむいて、指先でもじもじとカップをなぞる。
ドーメイファ
曵百鬼
ドーメイファ
曵百鬼
ドーメイファ
ドーメイファはそう言って、ほんの少しだけ笑った。 その笑顔は小さくて、頼りなくて──けれど確かに、ここにあった。
店の片づけが終わるころには、日が沈みかけていたいた。 曵百鬼は棚の最後の食器を拭き終えると、振り返ってドーメイファを見た。 彼はまだ席に座ったまま、窓の外をぼんやり眺めていた。 言葉もなく、ただ静かにしているだけなのに、 どこか置いていくのが惜しいような背中だった。
曵百鬼
ドーメイファははっとして顔を上げた。
ドーメイファ
曵百鬼
曵百鬼はカウンターの奥で鍵の束を鳴らしながら、彼の姿をちらりと見る。 ドーメイファは席を立ちかけて── 一瞬だけためらうように、その場に立ち尽くした。 何か言いたげな気配。 けれど、結局それは口に出されることはなかった。
ドーメイファ
曵百鬼は「また」とも「気をつけて」とも言わず、ただ、 彼の背中を見送った。 けれどその胸の奥では、小さく、確かに祈っていた。 ——今日みたいに、また戻ってこられるように。 そんなふうに、ちゃんと逃げ場所を持ったまま、生きていけるように。 扉が閉まり、店内に静寂が戻る。
ドーメイファ
ぽつりと、声に出してみる。 誰もいないから、言える。
ドーメイファ
家のこと。 父のこと。 母のこと。 部屋の中でずっと飲み込んできた空気のこと。 ──きっと、誰にも分かってもらえない。 分かってほしいって思うことすら、もう、面倒になってた。 父の怒鳴り声。 壁に叩きつけられる何かの音。 夜中に響く、知らない女の人の笑い声。 母がひとりで祈る声。涙の音。 聞こえないふりをして、耳をふさぎ続けていた自分。 あんな空気のなかで育ったから、 誰かと普通に話すのが、どこか不自然に感じてしまう。 優しさって、どうやって受け取ればいいんだろう。 怒られないって、それだけでまだ慣れない。 笑い声が自分に向けられてると、なぜか少し怖い。
ドーメイファ
ふっと笑った声は、どこか冷たかった。 でも、その冷たさすら、自分のものだと思えば平気だった。
ドーメイファ
でも、あのとき── 曵百鬼と目が合ったとき、嘘が口から出なかった。 なにか小さな裂け目から、ほんとうの自分が出てしまいそうで。 だから咄嗟に、黙った。
ドーメイファ
けど、口に出したら、全部壊れてしまいそうで。 自分の“平気なふり”まで、ぜんぶほどけてしまいそうで。 ドーメイファは歩みを止め、家の少し手前の路地に入った。 見慣れた扉を前に、すぐには鍵を出さない。 ──暗い玄関の向こうに、またいつもの空気が待ってる。 でも、今日は少しだけ違う気持ちで入れる気がした。 曵百鬼のあの声を、今も胸の奥にしまっていれば。 マティルデの笑い声を、少しだけ思い出せれば。
ドーメイファ
鍵を差し込む音が、夜に沈んだ。
けだま🍒(主)
けだま🍒(主)
けだま🍒(主)
けだま🍒(主)
けだま🍒(主)
けだま🍒(主)
けだま🍒(主)
※風邪をひいたので日記コーナーを二人に任せた鬼灯兄さん
ドーメイファ
ウォルター
ドーメイファ
マティルデ
七月三十一日 本日、姫様は新しい紅茶の茶葉を「自分で淹れてみたい」と仰った。 当然、やかんの扱いもポットの温度も任せられるわけもなく…… 結果、台所は一時混乱し、床が濡れ、猫が逃げ、私の靴は濡れた。 それでも「ほら!美味しいかもよ!」と笑顔で差し出されたカップを拒む理由など、どこにもない。 多少の渋さ、少しの苦味。それすらも微笑ましい。 午後は、お昼寝をされる姫様の手を取り、少しだけ昔話をした。 あの笑顔を、どうか、誰にも曇らせぬよう。
マティルデ
ドーメイファ
ウォルター
マティルデ
ウォルター
マティルデ
ドーメイファ
マティルデ
ドーメイファ
ウォルター
マティルデ
ドーメイファ
マティルデ