私は密かに
調べていることがある。
それは、
お母さんを殺した犯人についてだ。
私のお母さんは
誰かに殺されて、死んだ。
あんなに優しい人だったのに
許せない。
宇美
(絶対見つけてやる…)
ガラッ
担任
今日は転校生を
紹介するぞー
紹介するぞー
男子が、教室に入って来た。
俐久
青木俐久です
宇美
えっ
宇美
(俐久?)
黒板に、ふりがなが書かれた。
あおき、りく
私が中学のときに引っ越して行った
幼馴染だ。
担任
みんな仲良くするんだぞー
俐久が席に座りに行く時に、
目が合った。
俐久
!
俐久は、驚いた表情で 私を見つめた。
休み時間。
私は、犯人の犯行推定時刻や
犯人の使った凶器などを 書き留めたノートを見ていた。
すると、後ろから声をかけられた。
俐久
うーみちゃんっ
宇美
うわっ!
俐久
やっぱり!
俐久
宇美ちゃんだよね!
俐久
久しぶり〜
笑顔で俐久は話しかける。
宇美
本当、久しぶりだね
宇美
何でこっち戻って来たの?
俐久
………
俐久
宇美ちゃんが心配
だったから
だったから
俐久
俺だけ戻って来たんだよ
宇美
!
俐久は、私のお母さんが殺された後に 引っ越して行ったから
私のお母さんの事情は、 知っている。
宇美
あ、ありがとう
俐久
…うん
俐久
でも、まさか宇美ちゃんと
同じ学校で
同じ学校で
俐久
同じクラスだなんて
思わなかったなー
思わなかったなー
俐久は笑って言った。
俐久
ところで、そのノートには
何書いてるの?
何書いてるの?
宇美
あー、えっと…
言葉を濁した。
でも、俐久は事情を知っているし
別に言っても大丈夫かな…
宇美
えっとね、
宇美
……
宇美
お母さんを、殺した犯人を
宇美
探し出すためのノートだよ
俐久
!?
俐久は、目を見開いた。
しょうがないか。
こんなノート作ってるだなんて、
驚くに決まってる。
俐久
……っ、
俐久
えっと…
宇美
色々、調べてるの
俐久
でも、警察すら犯人が
分からなかったんだから、
分からなかったんだから、
俐久
そんなことしても
意味ないんじゃないの?
意味ないんじゃないの?
宇美
絶対、
宇美
絶対、見つけ出すの
俐久
………
俐久
分かった
俐久
俺も、犯人探し、
俐久
協力するよ
宇美
!
宇美
本当?
宇美
ありがとう、俐久!
そして、私たちは
お母さんを殺した
犯人探しを、始めた。