杏堂〇〇
杏堂〇〇
抱き締めた侭離さない太宰に 何とか許してもらおうと謝る。
すると「ふふっ」と笑う声が聞こえた。
厭な予感がして離れようとするが力が強くて動けない。
太宰治
やってしまった。
許してくれる?なんて云わずに謝罪だけすれば善かった。
数秒前の自分の言動に悔いる。
太宰治
太宰治
あ、善かったそんな事か。
杏堂〇〇
バックハグをされたまま大人しく待つ。
動かなくなった私を確認した太宰が 突然耳に自分の口を近付けた。
太宰治
杏堂〇〇
驚いて体が跳ねる。
杏堂〇〇
太宰治
上手く太宰に言いくるめられ、渋々黙る。
けれど太宰は息を吹きかけるだけじゃ足りず、
太宰治
耳にキスしたりと徐々にエスカレートしていく。
杏堂〇〇
杏堂〇〇
思わず大きな声で止まる様に云い聞かせる。
やっと太宰のお巫山戯が終わった頃には もう息が荒くなっていた。
杏堂〇〇
杏堂〇〇
顔が熱くなっているのが分かる。
抱き締められてるから暑いのかな。
太宰治
太宰治
太宰治
落ち着いた声でそう云う太宰。
心做しか何時もより声が低い。
杏堂〇〇
太宰治
太宰治
するとさっきまで些とも離してくれなかった腕を 突然解かれる。
恐る恐る太宰の方を向けば彼は 真剣な顔をして此方を見ていた。
その真っ直ぐな視線に目を逸らせなくなる。
太宰治
太宰治
「覚悟して」 と耳元で低く囁かれ身動きが取れなくなる。
緊張と焦りで如何して良いのか分からない。
だってこんな太宰は初めて見たから。
下を向いて何も云えずに居ると さっきとは打って変わって明るい声で太宰が云った。
太宰治
コメント
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めっちゃ好きです!