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「青春旅行」
注意(attention) atkr二次創作 学パロ、年齢操作、 ダーク要素あり 魔法系(ファンタジー)要素大
第1章第8話 孤児院の少年達
俺の記憶は、曖昧だ。
でも、孤児院の間取りとか、飯の不味さとか、子供のうるさい感じとかは、今でもはっきり覚えている。
それに、あいつの家に行った日の事は、記憶から離れない。
あの頃の俺は、毎日寝てばかり。
動く気力なんてないし、面倒な事はしたくなかった。
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布団を乱暴に剥がされて、ガバッと起き上がる。
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朝から元気だし、気分がコロコロ変わるたいたいを見ているのは、案外面白かった。
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たいたいと、他の同じ部屋の子供達はもう行ってしまった様だった。
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窓から見える景色は、移り変わっていく。
俺が、何も変わらない間にも。
あの日は夏が始まったばかりで、梅雨時だった。
ジメジメした空気は、孤児院の中を不衛生な監獄の様にしてしまった。
飯を食った後に、確か孤児院の院長に、応接間に呼ばれた。
たいたいも呼ばれ、2人でソファーに座った。
向かいには、きおきおと、きおきおのお父さんが座っていたっけ。
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目を輝かせたきおきおは、声を上げた。
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俺の口角は上がった。
こいつがいい奴だろうが、クソ野郎だろうが、どうでもいい。
兎に角、外に出られる事が嬉しくて嬉しくて仕方がなかった。
院長
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父親
父親
そうして、俺達の長い長い孤児院での地獄の生活が幕を下ろした。
あの頃の俺は、ここから逃げ出してやろうと思っていた。
多分、ずっと笑っていたと思う。
その日は、雨がしとしとと降っていた。
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満面の笑みを浮かべ、そう言われた。
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俺は、言葉が返せなかった。
よろしく、なんて言っても、すぐに俺はここから消えるよ。
多分あの時の俺は、笑っていた。
誰も起こさない様に、静かに家を抜け出してきた。
空には、やけに綺麗な満月が浮かんでいた。
足が、冷たかった。
波打ち際に、足を入れた時。
腕を掴まれ、強く引っ張られた。
体制を崩して、後ろに転んでしまう。
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後ろには、きおきおがいた。
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俺は目を逸らした。
波の音が、たまに聞こえる。
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手を差し出すと、君は目を瞑った。
君の手が光り輝き、俺の手にその光が移った。
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胸の中から、重たいものが消える気がした。 世界が、少しだけ鮮やかに見えた。
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そんなの知らない。
俺も、たいたいも、そんなのは興味がなかった。
少し、気になる。俺は…能力者なのか?
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手を引かれて、家に連れて帰ってもらった。
俺は、何故かどうしようもない高揚感を感じていた。
目が覚めたのは、朝だった。
日差しが眩しかった。
横には、たいたいが眠っている。
ああ、よく寝たな。
涙が、止まらなかった。
どうしてかなんてわからない。
俺は、あの時、あの海で、きおきおに救われた。
2人がこれからもずっとずっと…
笑っていられます様に。
強く強く、願っている。
君達が来たあの日、僕は君達に能力を使用した。
少しでも、僕の能力「彩色創作」で、君達に彩りを与えたかったから。
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作中の用語を簡単に解説するコーナー
「彩色創作」とは 物理的な物から、精神的な物までありとあらゆるものに彩りを与える事ができる。 また、他人に生きる力や想いを宿らせることもできる。