コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
秋斗
墓石は目を離すたびに
秋斗
こちらに向かってきていた
既にその距離は100メートルもない
秋斗
秋斗
策を必死に練っていると
そこで 俺は最悪の事実に気が付いた
"田舎"
秋斗
秋斗
秋斗
すぐに窓を閉めた
忘れずに鍵もかける
まさか 田舎暮らしの人間の防犯意識が ここで牙を剥くとは思ってもみなかった
しかし、一先ずは安心だ
秋斗
秋斗
唇を噛み 今更に恨みがましく思っていると
また あることに気が付いた
秋斗
この家は
秋斗
秋斗
墓を見る
もう、すぐそこまで来ている
秋斗
秋斗
秋斗
秋斗
後ろも振り返れない
利用できるものは限られている
何かないのか……
そう思っていると 手に握っている物の硬い感触に ピンと来た
それは
秋斗
秋斗
秋斗
そうだ
スマホには カメラ機能がある
これを鏡がわりにして 直線上にある扉の鍵を閉めていけば
時間を稼いで何とかなる
秋斗
秋斗
秋斗
カメラを起動した
セルフィーにする
映った自身の顔は 恐怖で引き攣ってしまっている
勇気を出して
後ろを振り返った
すると、画面越しの墓石は……
秋斗
上手くいったようだ
俺は急いで走り 墓石を確認できる範囲の扉や窓
これを全て施錠してしまった
秋斗
秋斗
俺は駆けた
玄関の表の鍵、じいちゃんの部屋の窓 それぞれの部屋の窓……
ががががががが
引きずるような音が近くなる
秋斗
レバーに指をかける
秋斗
がががががががが
秋斗
がががががががが
………
レバーは下ろされた
秋斗
秋斗
ごんっ ごんっ
玄関を墓が叩く
しかし ぶつかっているだけで破れそうにはない
秋斗
秋斗
ごんっ ごんっ
ごんっ ごんっ
変わらず音はするが 入ってはこれない
ごんっ ごんっ
ごんっ ごんっ
秋斗
勝ったのを確信したと同時に
俺はこの墓に対して苛立ちを覚えた
秋斗
秋斗
ごんっ ごんっ
ごんっ……
音が止まった
秋斗
秋斗
ピンポーン
秋斗
ご ん ください
な で て れない?
で?
秋斗
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで?
念仏を唱えるような低い声が
呪詛を捲し立てた
そしてその時
バン、バン
バキッッ!!
秋斗
扉の破れる音がした
ひた……ひた……
ひた……
息を殺した
しかし……
あああはは は にお で わかるよ
ひたひたひたひたひたひたひた
足音はものすごい音をたて
ダッダッダッダッダッ
ダッダッダッダ
一直線に部屋にかけてくる音がする
目の前の障子に穴が空いた
穴から濁った目が覗く
飛び出た目は垂れている
みつけた
はくじょうもの
しね
扉は勢いよく開かれた