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第一章 第十三話『得たもの』

〜Start〜

あれから私達は、

長い時間をかけて自分たちの能力を制御したり、武器の扱いを上達させようと頑張っていった。

始めの方は思うようにいかないことが多く、苦戦することが多かった。

桜鬼の家の庭

桜鬼(おうき)

「能力は、ただ能力名を言うだけではだめだ。」

桜鬼(おうき)

「その能力を自分がどんな風に使いたいかのイメージが大事なのだ。」

桜鬼(おうき)

「星来なら、能力の光と熱をどのくらいの範囲、出力で出すかのイメージと、味方に発動する身体能力強化をどのくらいまで上げるかの調整と段階を知ることが必要になる。」

桜鬼(おうき)

「星夜なら、能力の闇と重力をどのくらいの範囲、出力で出すかのイメージと、敵に発動する身体能力低下をどのくらいまで下げるかの調整と段階を知ることが必要になる。」

星来(せいら)

「イメージ、、」

星夜(ほしや)

「調整と段階」

桜鬼(おうき)

「最初は小さい範囲と出力をイメージしてみるんだ。」

星来(せいら)

「、、、」

星夜(ほしや)

「、、、」

星来(せいら)

「能力『勾玉 陽』」

星来(せいら)

「『光』!」

星夜(ほしや)

「能力『勾玉 陰』」

星夜(ほしや)

「『闇』」

星来と星夜の前に、小さく光る光の玉と闇の玉ができた。

星来(せいら)

「できた!」

星夜(ほしや)

「イメージが大事なのか」

桜鬼(おうき)

「その調子だ!」

桜鬼が星来と星夜に能力の使い方を教え、成果を見るようにしていた。

そんな生活を続けて、気づけば2年もの月日が流れていた。

星来は光と熱、星夜は闇と重力の範囲や出力の調整が大方上手くできるようになり、

代償も少し減った。星来の睡眠は3時間、星夜の食欲は通常の量の1.5倍にまで減らすことができた。

桜鬼は能力の範囲を5人までなら平等に効果を発動できるようになった。

一方で私は、皆が修行中に武器であるナイフと銃を上手く使えるように練習したり、

皆より劣っていた体力作りを始めた。

始めの方はやっぱり上手くできないことばかりで、落ち込むことが多かった。

それでも、皆が頑張っている中、諦めたくはなかった。

だから私なりに、精一杯頑張ってきた。

そのおかげで、2年経った今では、銃は狙った場所にほぼ正確に当たるようになり、ナイフでの行動も怪我をせずに行えるようになった。

はる haru

「、、、ふぅ。」

はる haru

「これで少しは、みんなの役に立てるよね」

はる haru

「でもやっぱり能力も上手く使えたほうが、、、」

はる haru

「、、、能力『時の音を奏でる懐中時計』」

はる haru

「、、、」

はるは辺りを見回してみた。

見回すと、やはりはると懐中時計以外の時間が止まり、はるが触れても動くことはなかった。

はる haru

「時が止まったこの世界が、本当に12時間もあるのか確かめてみようかな、?」

ふとそう思った私は、さっそくやってみることにした。

ただ12時間も何もしないのは暇なので、この世界をよく観察してみることにした。

観察してわかったことは、

時を止めても世界の色は変わらないこと

お腹がすくことや、喉が渇くことがないことだった。

ただ私が問題として思うのは、"静かなこと"

私と懐中時計以外の音はないため、私が声を出した時、あまり大きな声ではなくとも、私の耳には異様に大きく聞こえた。

はる haru

「ここで12時間本当に正気で過ごせたら、、凄いことだね(笑)」

はる haru

「、、、やっぱり退屈だな。」

はる haru

「外を散歩でもしてこようかな。時が止まってるから、危険なんてないでしょ」

そう思いながら私は、桜鬼の家を後にした。

間の森

はる haru

「〜〜♪」

はるは歌を歌いながら、間の森まで来て、特に行き先も決めず歩いていた。

だから、無意識だった。

気がついたら

花咲村のはるの家の前

にまで来ていた

はる haru

「、、、」(自分がここまで来たことに驚いている)

はる haru

「無意識の中歩いていても、家だけは忘れないってことかな、?(苦笑)」

そのまま私は、家の中へ足を踏み入れた

はる haru

「相変わらずすごい本たちだな〜」

そんなことを呟きながら、目の前にあった分厚い本(?)を手に取った。

興味本位で開いてみるとそれは、

はる haru

「!、、、アルバム?」

そこには、村の人々から祝われている若い父と母の姿や、笑っている家族写真があった。

懐かしいと思う反面、またあの頃に戻れるのだろうかと不安になった。

あの日の出来事から、恐らく『evel』へと連れさらわれてしまった花咲村の人々。

その中にはきっと両親もいて、もう2年経ってしまった。

はる haru

(まだ皆、生きてるかな、、)

はる haru

(もしかしたら、、、)

はる haru

(いや!そんなことない!!)

はる haru

(私がちゃんと助け出すんだ、皆を)

はる haru

「、、、」(アルバムを本棚へ戻す)

はる haru

「、、、あ」

ふとアルバムの隣を見ると、あの日地下室を開く鍵となった本があった。

はる haru

「あの日以来開けてなかったな。」

私はそう思って、本を取った。この本は古そうに見えるが、中には何も書かれていない白紙の本だ。

何故こんなものがあるのかはわからなかった。

だから考えないまま、私は地下室へ下りた。

第一章 第十三話『得たもの』

〜Fin.〜

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