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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

とある小学校の五年生が、林間学校中。

夜は、今時珍しく、肝試し大会が行われる。

森付近にて

太田先生

はーい、みんな集まってるな。

開けた場所に、5年生100名ほどと、先生が集まっていた。

篠倉奈々

緊張してきたね、光ちゃん。

桜庭光

うん。

桜庭光

ねぇ、本当行かなきゃダメかなぁ?

篠倉奈々

もう、心配性なんだから。

篠倉奈々

私とペアなんだから、安心してよ(^ω^)

桜庭光

うん。

桜庭光

ありがとう。

森崎先生

太田先生、こっちは大丈夫です。

太田先生

あ、はい。

太田先生

じゃあ、

みんなー

太田先生

静かにしろ。

太田先生

これから、肝試しをするからぁ〜。

太田先生

順番に行ってこーい。

森崎先生

太田先生、ちょっと雑すぎです。

太田先生

そうかぁ〜?

森崎先生

えぇ。

森崎先生

代わりに…

森崎先生

ええ、みんな分かっていると思うけど、

森崎先生

夜のイベントとして、これから肝試しを始めます。

森崎先生

これからみんなには前に決めたペア同士で、

森崎先生

この…

後ろを向いた先には、鬱蒼と生い茂る森の中に一本の細道が通っていることが分かる。

森崎先生

森を通って、一番向こう側にいる…

森崎先生

…今はここに居ますが、西本先生に最後に居てもらうことになります。

皆が、同じ目線を向く。

その先には、西本先生が。

西本先生

はーい。

西本先生

みんな先で待ってるからね。

森崎先生

…西本先生から、手作りのメダルをもらった後、

森崎先生

そこは開けているので、左の方向に進めば、薄暗いですが、道路に出ます。

森崎先生

道路交通法をしっかり守って、まっすぐ帰ってきてください。

太田先生

途中先生たちが怖がらせたりするかもなぁ。

わ〜

森崎先生

くれぐれも、細道をはみ出たりしないように。

森崎先生

何かあれば、大きな声を出してください。

森崎先生

所々に先生達がポジショニングしていますから。

森崎先生

そして、くれぐれも一人にならないように。

森崎先生

ペア一緒に行動してください。

森崎先生

それじゃあ、説明は終わりです…ね。

太田先生

じゃあ、先生たち森ん中に隠れてくるからな。

バイバーイ〜

西本先生

光ちゃん。

桜庭光

あ、先生!

西本先生

最後で待ってるからね。

西本先生

頑張って!

篠倉奈々

先生は、ずっと森の中にいるのは怖くないんですか?

西本先生

まぁ、怖いけど…

西本先生

生徒も通るし近くに先生もいるし…

西本先生

正確には森から出たところにいるから…

西本先生

オーケーよ!

篠倉奈々

先生のところまで行けるように、頑張ります。

桜庭光

うん。

西本先生

来てもらわないと困るわよ(笑)

太田先生

西本先生、行きますよ。

西本先生

あ、はい。

西本先生

みんな、またね。

森崎先生

森崎先生

あ、僕は行かないんだよね。

森崎先生

ここでみんなを見る係。

森崎先生

あ、あ…はい。

森崎先生

オーケーですね。はい。

ピピ

森崎先生

先生たち準備オーケーだって。

森崎先生

それじゃあ、

森崎先生

林間学校前に順番決めたの、自分の覚えてるよね?

森崎先生

間2分開けて、順々に行きます。

篠倉奈々

あはは…

篠倉奈々

私、くじ引いたら一番最後になっちゃったんだよね。

篠倉奈々

ごめんごめん。

桜庭光

そんな、全然大丈夫だよ。

森崎先生

じゃあ、最初のペアの人、

森崎先生

準備オーケー?

おーけー…(男二人)

森崎先生

それじゃあ、いってらっしゃい!

わー(みんな)

怖かったよー

俺は、全然平気だったぜ 嘘つけ 何だよ!

ガヤガヤ…

篠倉奈々

うわ…

篠倉奈々

帰って来てる人もいるじゃん。

篠倉奈々

まだかな、私たちの番。

桜庭光

もうすぐ…じゃないかな。

桜庭光

まぁ、みんなの反応見れたから、何となく気が軽くなりそうな…

森崎先生

はーい、じゃあ最後の君ら。

桜庭光

…やっぱり無理ー!

篠倉奈々

落ち着こうよ。

篠倉奈々

大丈夫、行こ。

桜庭光

桜庭光

うん。

森崎先生

行ってらっしゃい。

森崎先生

桜庭光

うわ…真っ暗。

篠倉奈々

居た場所からしか、光こないね。

桜庭光

あ、でも!向こう側にも電灯あるんじゃない…?

篠倉奈々

ホントだ。

木々の向こう側"左側"には、開けた道路がとおっていて、

電灯もあり、比較的明るい。

篠倉奈々

私たち、帰りはあの道を通って帰るんだよね。

桜庭光

早く出たいよ〜!

篠倉奈々

満喫しよ。

桜庭光

ええっ〜!

ビクッビク

桜庭光

あ、右側には湖?がある…

篠倉奈々

え?あホントだ。

右側、木々の隙間から月明かりに照らされキラキラ光る湖畔が見えた。

篠倉奈々

まぁ、暗いけど…

篠倉奈々

何ともないわね。

桜庭光

いや、前何も見えないよ。

桜庭光

足元も暗いし…

わぁ!

キャア!

篠倉奈々

あ、先生。

太田先生

驚けよ。

篠倉奈々

光が私の分も怖がってくれました。

桜庭光

びっくりした…😱

篠倉奈々

ていうか、怖いというより、驚かせてるじゃないですか。

太田先生

いや…それしかないだろ…

篠倉奈々

せめて、何かおばけの格好してください。

太田先生

まさか、説教されるとは。

太田先生

また来年に活かすよ。

篠倉奈々

期待してます。まぁ林間学校は一度きりですけど。

太田先生

なんか、ゴメンナサイ…

太田先生

…そうそう、お前たちで最後だよな。

篠倉奈々

そうです!

太田先生

まぁ、言ってもここは中盤辺りだから、

太田先生

西本先生のとこまでしっかり、行ってな。

桜庭光

先生は一緒についてきてくれないんですか?

桜庭光

もう最後なのに。

太田先生

色々確認することもあるし、

太田先生

なに、俺と一緒に行きたいか?

篠倉奈々

行きたくないです。

篠倉奈々

光、行こ。

桜庭光

うん。

太田先生

おいおい…

篠倉奈々

じゃあ先生また。

太田先生

相変わらず、冷た( ・`д・´)

篠倉奈々

なんか興ざめしちゃった。

桜庭光

奈々のおかげで、私もなんだか大丈夫になった気がする。

篠倉奈々

そう?良かったね。

篠倉奈々

まぁ、私としては光が怖がってくれていた方が面白いけど笑

桜庭光

もう、奈々!

篠倉奈々

ごめんごめん。

途中途中で他の先生たちが驚かしに来るも、

太田先生ほどは怖がらずに、ついに西本先生のところまであと少しとなった。

篠倉奈々

もう少し。

篠倉奈々

なんか、面白かったね。

桜庭光

うん笑。

篠倉奈々

こういう暗い道とかあまり通らないし、いい経験になった気がする。

桜庭光

いい経験って、

桜庭光

そう考えるの奈々だけだよ笑。

篠倉奈々

そうかな。

あとは、西本先生に会って、

メダルをもらって、

楽しく話をして

明るい道を帰るだけ…

それだけのはずだった。

なのに…

篠倉奈々

え?

左側…

木々が先程より少なくなっていて、

向こう側がよく見えるようになったのだが、

篠倉奈々

西本先生?

向かう側と反対方向、帰りの方向へと確かに西本先生は歩いていた。

篠倉奈々

嘘、私たちまだついてないのに。

桜庭光

前の人で最後だと思ったんじゃない?

篠倉奈々

そうなのかな…

篠倉奈々

もう、先生ったら。

篠倉奈々

おーい、おーい!

声を上げるも…

篠倉奈々

聞こえてない?

篠倉奈々

結構近い距離のはずなのに…

篠倉奈々

う〜ん…

篠倉奈々

ねぇ、西本先生に追いつこうよ!

桜庭光

え?あぁ…そうだね。

篠倉奈々

あとゴールまであと少しだし、草むらかき分けて突っ切りたくわないし。

篠倉奈々

行こ、早く!

桜庭光

うん。

桜庭光

(あれは確かに先生だと思うけど、)

桜庭光

(なんだか歩き方が変だった。)

桜庭光

(なんかこう…何かに導かれているような…)

篠倉奈々

早く!

桜庭光

待ってよ。

西本先生

お、きたきた。

篠倉奈々

!?先生!

帰り道を通っていたはずの西本先生が、ゴールにいた。

篠倉奈々

帰っちゃったのかと思ったよぉ〜。

西本先生

え?なんのこと?

篠倉奈々

私たちに気づいて戻ってきてくれたんですね。

西本先生

私ずっとここにいるけど…

篠倉奈々

桜庭光

桜庭光

そうですか…

篠倉奈々

人違いだったのかもね。

桜庭光

そう…だね。

西本先生

はい、メダル!

篠倉奈々

ありがとうございます!

桜庭光

ありがとうございます!

西本先生

どうだった?怖かったでしょ?

篠倉奈々

面白かった!

桜庭光

うん。

西本先生

そう?奈々ちゃんは分かるけど、怖がりの光ちゃんもそうなんだ。

西本先生

何か、この肝試しで心が成長したのかな?

桜庭光

ははは(*´∀`*)

桜庭光

奈々ちゃんのおかげです。

西本先生

ふたりとも、よく頑張ったね。

西本先生

面白かったって言ってもらって何よりよ。

西本先生

あれ、あなたたちで最後よね?

篠倉奈々

はい。

西本先生

そっか。

西本先生

じゃあここで長話も何だし、

西本先生

ホテルに戻ったら、色々話しようね?

はい!

西本先生

私は一回先生たちで集まって色々なこと確認するから、

西本先生

一旦ここでお別れ。

西本先生

左側に電灯のある道路があるから

西本先生

そこの歩道を通って、元の場所に戻ってね。

は〜い!

桜庭光

先生またね!

西本先生

バイバイ!

篠倉奈々

ちゃんと帰ってきてね!

西本先生

もちろんよ。

桜庭光

(ん?鏡が落ちてる…)

桜庭光

(なんでこんなところに…)

篠倉奈々

行こ!

桜庭光

あぁ、待って!

西本先生

ん?何か光った?

西本先生

…気のせいかな。

篠倉奈々

到着!

篠倉奈々

うわ、もうみんないるよ!

桜庭光

そうだね。

森崎先生

あ、最後の二人ついたね。

森崎先生

じゃあ自分クラスの場所についてね。

はーい。

森崎先生

んんっと…

森崎先生

森の中にいる先生が来るまで、

森崎先生

ちょっとだけ待っててね。

太田先生

オッケー、だね。

太田先生

何も異常なーし!

太田先生

それじゃあ先生たち集まって。

太田先生

森崎先生からもみんないるってことなので、

太田先生

戻りましょうか。

太田先生

あれ、西本先生は?

太田先生

いない…な。

太田先生

西本先生!

太田先生

んんっと、もう帰っちゃったのかな。

太田先生

ここは西本先生の居た場所だし、ここから離れたとなると…

太田先生

仕方ない、もう帰ったとして、私たちは戻りましょう。

森崎先生

あ、みんな戻ってきた!

太田先生

おー!

わー

太田先生

あれ?西本先生は?

森崎先生

あれ、いないんですか?

太田先生

戻ってないんですか?

森崎先生

ええ…

太田先生

うーん…

太田先生

ホテルに帰ったのかな。

森崎先生

そうなんですかね。

太田先生

とにかく、 生徒たちをホテルに戻らせてから、

太田先生

ホテルに西本先生がいない場合、必要なことをしましょ。

森崎先生

…そうですね。

森崎先生

はーい、皆どうだったかな。

森崎先生

クラス順で戻ったあと、大広間に集まります。

森崎先生

それはしおりにも書いてあるから大丈夫だよね?

森崎先生

先生たちが来るまで雑談してても構わないです。

森崎先生

それじゃあ、学級委員先頭で、一組から。

篠倉奈々

西本先生いなかったけど、大丈夫かな。

桜庭光

なんだろうね…

太田先生

え?ホテルにも戻ってない!?

太田先生

これはやばいな…

太田先生

教職員は、西本先生を探しましょう。

太田先生

森に戻りましょうか。

太田先生

森崎先生は学級委員に集会が遅れることを伝えて待機しててください。

森崎先生

はい。

太田先生

じゃあ、

森崎先生

一時間後

太田先生

先生、先生大丈夫ですか!

篠倉奈々

ん?なにかフロント騒がしくない?

奈々は、フロントに顔を出す。

篠倉奈々

あ、先生!!

そこには、両脇に抱えられながら、

歩く西本先生がいた。

篠倉奈々

先生!

西本先生

太田先生

君は大広間に戻っていて。

篠倉奈々

…はい。

篠倉奈々

(何も返してくれなかった。)

篠倉奈々

(どうしたのかな。)

その後、集会には西本先生は姿を現さなかった。

いつの間にか西本先生は救急車で運ばれていたらしい。

残りの一日まで、

そして、その後の学校生活にも西本先生は姿を見せなかった。

二人は太田先生などに問い詰めるも、口を閉ざすばかりだったのだが…

ある子に、こういうことを言っていた。

太田先生

西本先生、20分くらいで着くはずの帰りの道を、

太田先生

ずっと歩いていたらしい。

太田先生

1時間ほどで、急に現れた西本先生を見つけたけど…

太田先生

信じ難いけど、本人は、何日も歩いていたと言っていた。

太田先生

着くはずなのに、目の前の道はずっと真っ暗のままだったそう…

そして誰にも気付かれず、その後の学校からにも西本先生は消えていた。

…fin

この作品はいかがでしたか?

23

コメント

3

ユーザー

すんごく気持ちが良い

ユーザー

ありがとうございます!

ユーザー

怖すぎます!

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