俺は莉犬。昔から料理が得意だった。
彼氏のさとみくんにも、美味しいよって言ってもらえてた。
俺が大好きな、ひまわりみたいな笑顔で。
でも____。
赤
今日は何を作ろうか考えている時。
キキーッ
ドンッ…
赤
俺は信号無視の車に轢かれた。
幸い、命に別状はなかったが、右腕が麻痺した。
右腕は、俺の利き手。
右腕は、、、。
包丁を使う手。
俺は___。
料理ができなくなった。
赤
退院した次の日、俺は料理をした。
でも、右腕は思ったように動いてくれなくて、左手に刺さってしまった。
桃
赤
桃
赤
桃
赤
俺はもう、あのひまわりみたいな笑顔は見れないのかなぁ…
俺は、毎日料理を続けた。
大好きなさとちゃんの笑顔を見るために、毎日。
毎回怪我をして、日に日に絆創膏の数は増えていった。
そして、いつしか、さとみくんはころちゃんとご飯を食べるようになった。
俺のご飯も、「今日はいいや」が毎日になった。
それでも、俺は、毎日ご飯を作った。
でも____。
さとみくんが食べてくれることはなかった。
桃
なんとか、莉犬の腕が治る方法はないのだろうか。
俺は最近、ころんとご飯に行くと嘘をついて、いろんな病院に話を聞きに行っている。
今のところ、全❌。
何か方法はないのだろうか___。
桃
赤
桃
赤
莉犬が見せた笑顔は、心なしか悲しそうに見えた。
赤
さとちゃんが出てから、俺は一枚の手紙を書いた。
さとちゃんへ ごめんね。 さとちゃんには、俺よりもいい人がいます。 今までありがとう。 大好きです。 さようなら。 莉犬より。
俺は手紙を置いて、家を出た。
赤
しばらくあてもなく歩いていると、軽く肩を叩かれた。
橙
赤
橙
赤
さとみくんは、俺のことなんかどうでもいいんだよ。
橙
赤
橙
橙
赤
橙
ジェルくんは、自分の首からマフラーを取って、俺の首に巻いた。
赤
ジェルくんの優しさがさとみくんに重なって、思わず涙が伝った。
橙
俺は小さくコクンと頷き、ジェルくんについていった。
ジェルくんの家です
あったことをジェルくんに一通り話すと、ジェルくんは優しく抱きしめてくれた。
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赤
赤
橙
赤
自分でぽろっと零した言葉で気づいた。
そうだ。俺は怖かったんだ。
右腕がうまく使えなくて、料理ができなくなって、捨てられるのが。
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赤
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赤
橙
赤
橙
赤
それからしばらく、ジェルくんの家で特訓をした。
そのおかげで、それなりにはできるようになった。
今の得意料理はオムライス。
これをジェルくんに作ったとき、ひまわりみたいな笑顔で、美味いと言ってくれたから、さとみくんにも食べてもらいたいなぁ、なんて思ったりして。
これをジェルくんに言った数日後、今日の夜ご飯は莉犬のオムライスがいい、と言ってくれた。
だから張り切って作るんだ♪
橙
赤
橙
赤
橙
赤
橙
ガチャッ
バタン
赤
この時は思ってもいなかった。
まさか、あの人がここに来るとは____。
橙
赤
なんで…
なんで…
赤
桃
俺が名前を呼ぶと、さとみくんは苦しそうに目を逸らした。
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赤
橙
赤
橙
赤
橙
桃
ジェルくんがさとみくんを無理やり座らせると、俺に目くばせしてきた。
俺はすーっとオムライスを出す。
橙
桃
さとみくんはスプーンでオムライスを掬い、口の中に入れた。
口に入れた途端、俺の頬を生暖かいものが伝った。
ふわふわな卵。
少し濃いケチャップの味。
思うように動かない手で切られた具材。
その全てが、莉犬を物語っているみたいで____。
俺の涙は止まらなかった。
橙
俺は目元を擦り、小さく頷いた。
赤
桃
俺は思わず莉犬を抱きしめた。
桃
赤
赤
桃
桃
赤
桃
桃
俺は莉犬からゆっくり離れて、一つのパンフレットを渡した。
赤
桃
赤
桃
赤
桃
俺が言い終わる前に、莉犬が抱きついてきた。
赤
桃
赤
桃
桃
俺は莉犬の両頬を手で挟んで顔を上げさせた。
桃
赤
桃
赤
桃
赤
桃
赤
桃
赤
外にいると見せかけて、ドアを挟んだ向こう側にいたジェルくん
橙
え、俺なに見せられてんの?
あの2人別れてたの?
え、じゃあ俺恋のキューピッド的な?
いい仕事したんちゃう?
色々考えてたみたいです☆
❦ℯꫛᎴ❧
コメント
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フォロー失礼します!
初コメ失礼します。 このお話を毎回読むたびに、号泣してます。 これからも、頑張ってください!(≧▽≦)