我々の世界は此処にある

ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟ

いつもと音の大きさは 変わらないはずなのに

やけに大きく聞こえるのは

俺だけなのか？

？？？？？

目が覚めると俺は

リビングのソファーに横になっていた

部屋には誰もいない

あれっ？

おかしい

喋ったつもりになっただけなのか？

ダメだ

喉は震えているのに声は聞こえない

突発性難聴になってしまったのか…

ちらっと体温計を見ると

35.4℃

と表示されていた

トン氏の部屋

あっやべ

なんて言いよるかわからんわ

さすがエミさん

手話で話してくれる

ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟ

乾いた電子音が鳴り響く

当然のごとく、俺の鼓膜に 振動は伝わってこないが…

35.6℃

そう言ったものの 補聴器について調べることにした

その後も色々調べては メモを取り続けた

気づけば時計の針は 4を指そうとしていた

これからの俺の生活は どうなるのだろうか

そんな考えが頭をよぎったが

我々だのメンバーなら いつも通り過ごしてくれるだろう

これが1番嬉しい

幸せが途切れないことを祈って…