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毎度の如くノベル風です 黄赤であり赤黄 黄くん喘息描写(かなり)あり 黄side 昔から、体が強い方ではなかった。 決して弱い方でも無かったのだが、小さい頃の風邪が引き金となって見事に喘息を発症。お陰様で(だいたい)26年も付き合う始末だ。 特に、ずば抜けて重い訳でもないし、一時発作を起こす時期もあったが今はもうかなり落ち着き、だいたい人と同じくらい動いたり歌ったり声を出したりできるようになっている。 まぁ、とは言ったって風邪を引けばぶり返すのはおかしな話ではなくて。 グループ内、というか会社全体的に風邪が流行、見事に罹り、撃沈なう。 何がめんどくさいって、熱は無いから普通に動けちゃう。 いや、咳に鼻水にそれはそれは見事な風邪なのだが、インフルみたいにだるい〜とかないんだ。 休めないじゃん。 もうみんな罹り済みだから、1人や2人風邪っぴきが混じってたってもう今更だし。 多少喘息が出てると言えど、別に動けないほどでは無いしよっぽど変わったことしない限り発作が出るほどでもない。 けどさ、寝坊は聞いてないって。 いや、悪いのはアラームなんですよ。 鳴らなかったアラームが悪い。 責任もって起きるまで鳴ってろよな。 まぁ、前日3時まで作業した僕が悪いんだけど。 今日は、特にめちゃくちゃ重要!と言う訳では無いが僕的には超重要だ。 ライブにアルバムに、基本的に僕に任せられている部分ばっかり。 遅刻厳禁。 集合は10時。 今は9時40分。 オフィスまでは、全力疾走で20分。 走る?否、死んじゃう。 比喩じゃなくほんとに死んじゃう。 薬に吸入器に、あらゆる対喘息グッズは持ってきたが僕の気管が全く頑張る気がない。 潔く遅刻? いや、それは無理 うん、行けるか。行ける行ける。 なんとかなるさ!!!! 全く、変なとこで脳筋なんだ僕は。 《オフィス着》 なんとか集合時間ぴったりに到着したはいいが、なんとまぁびっくり。冷や汗ダラダラ。 ま、この後は座ってられるし多分行ける。 薬は念の為。…いや、時間的にダメじゃん。30分前に飲んじゃったよ。 ここまで来ればもう気合いで乗り切るしかない。よーし、頑張れ僕!!! 〜会議なう〜 うーん、なんだろう。この部屋酸素薄いかな? あー、そういう感じね、了解。 これは死亡宣告ってことであってるかな、いやいや、そろそろ会議は区切りが着く。そのタイミングで逃げよう。 どうにかして落ち着いてかえって来よう。 紫「んー、まぁ、一旦こんな感じか」 「あとはあれだね、曲順と、バランスみて組みかえって感じで。」 「ちょうど昼だし、一旦休憩挟もう」 「んー、何時からかな…」 「じゃ、2時から。2時間後ね」 黄「ぼくご飯たべてきます、っ...」 半ば逃げ出すように部屋から離れ、一旦休憩室へ。 もう寝よう。 まじピンチ。 あれ、なんか胸が痛い…? これ終わったか… 何とかたどり着いた、仮眠室が神々しく見える。 黄「っひゅ、ひゅーっ...けほっ、...ひゅっ...ヒュっ…ぁ、…か、っひゅ、…けほっ、ごほっ…ヒュゥッ…」 わー、久しぶり、この感じ。 1周まわって悟り開く感じも久しぶり。 薬、あー、…かばんどこやったっけ やっば、手動かない… 誰かに喘息だって言ってたっけ、赤に言った気がしなくもないけど 赤も喘息持ちだし、風邪伝染らないようにってみんな気を付けてたよな、僕んとこ来れないか… 落ち着いて息しようにも、肺が酸素を拒否する。 これは、本格的にやばいかもしれない、… 黄「っひゅ、ッ…ぁ、…た、ッ…け、…て…けほッ…し、じゃ…っ、」 もう声も出ないな… 誰か前を通ったって、扉は閉めちゃった 音漏れはそうそうしないだろう。 まぁまぁ絶望的。 あれ、視界が白い…? 思い切り咳き込んだ気もするが、そこから記憶が吹っ飛んでる。 赤side 黄くんが居ない。 カバンもスマホも置いて、ご飯なんて行かないでしょ。 てか、弁当ある日ならともかく今日は撮影でもなく割と自主的に集まった感じの日だし、外食べに行くか持参か。 朝一で寝坊の連絡があった黄くんがコンビニによってきたとは考え難い。 そういや黄くん風邪ひいてたよな。 朝は走ってきたし、わんちゃんぶっ倒れてるか…? とりあえず、仮眠室かな。 一旦端から全部当っていると、一部屋だけ扉が閉まりきらない部屋が。 1番奥まったあまり使われない部屋。 そこを開けると、青白い通り越して真っ白な顔で寝る…と言うか気絶する黄くん発見。 服の乱れ方を見るに、胸の当たりをかなり強く握っていたらしい。 そして白い顔に指先に、冷たい手 よくドラマを見る俺は、医療ドラマで息が出来なくて倒れるとそうなる的なことを聞いたことがあった気がした。 赤「…いや、は?」 冷静になって考えたら、訳が分からない。なんでこいつは気絶してんだ? …てかそれ以前に息してる? 赤「...黄くーん?」 「黄ちゃん…?」 「……っ、?!」 口元に耳を持っていっても、胸に耳を当ててみても感じられない呼吸。 心音は聞こえるし、拙い知識であれど学生時代講習会に強制参加させられた程度の知識は持っている。 あいにく手ぶらで来たし、救急車なんて呼べるものがない。 脈は取れるし、まだ生きてる。 …じんこうこきゅう…?? あー、もっと真面目に講習受けてりゃ良かった ぼんやりでもしないよりかはマシか… 赤「っ、だれかーぁ、!!」 「きてー、きこえる、?」 「誰でもいいからちょっと、!」 あー、なんでこんなとこで 誰も聞こえてないよ いや、聞こえてないはずはないんだけど、みんな編集してるしイヤホンしてる。 やるしかないか… ふーっ、ふーっ、って、それしか分からない当てずっぽでとりあえずやって見る。 まじでなんで人来ないの 誰か医者上がりとかいないの 桃「なー、今呼んだか?だれかーって」 赤「ちょ、呼んだ呼んだ命の恩人早く来てまじで」 桃「黄ー?起きろー、飯行くぞ」 赤「ちがう、息してない」 桃「は?」 赤「ねぇどうしたらいいの、すまほ、カバンは?」 桃「落ち着いて、分かるだろ?人工呼吸の一つや二つ」 「学校で習ってねぇか?」 「カバンとスマホと人呼んでくるから頑張ってろ」 赤「ちょ、っ...」 やるっきゃない、やんないと黄くんが死んじゃう… 赤「っ、ふーっ…ふーっ…」 しばらく続けていると、まぶたがぴくぴくして、もうちょっと続けると咳き込みながら息遣いが感じられるように。 黄「っけほ、けほ、ッ…げほっ、…ごめん、…っごほっ、…」 赤「あーー、ほんと、まじで死んだかと思ったよ、…」 「あー、よかった、」 「喘息持ちなんて聞いてないって、なんで風邪ひいてるのに走ったの…」 黄「ごめんなさい、こんなに重い発作は初めてだったんです、」 桃「おっ、?!起きてる?!」 「お前何がなんでも病院不可避だからな」 「救急車手配済みですー、」 「まじ、赤いなけりゃ死んでたからな?」 「絶対隠すな」 黄「すみません、…」 桃「人工呼吸までして助けてくれた赤に感謝しろよ〜?」 黄「いやもう、本当にありがとう、...」 「わざわざ、そんな、見殺しにしたって良かっだろうに…」 赤「はー?恐ろしいこと言うなバカ」 桃「向こうじゃ青も泣いてるぞ、まじで病院から帰ったら慰めてやれよ」 黄「ありがとうございます、ほんと、死んだと思った…」 その後、結局立てなかった黄くんは担架に乗せられ救急車で病院まで行き、喘息と、ついでに軽い肺炎の診断。 入院は嫌だと言ったので、何かあったらすぐに来いと念を押されつつ帰宅。 黄「ね、赤」 「…僕、赤に助けてもらえて嬉しかったよ」 「ありがと、」 そう言って、普段ならライブ以外じゃ絡むことの無い指を俺の指に絡める。 冬盛り、白銀に包まれる恋人たちの中にはちょっと場違いな健全さで。 俺だって、決して馬鹿ではない。 黄くんが、簡単にこんなことするような軽い男じゃないことも分かってる。 …それから、それを嬉しいと思う自分の心にも。 今日のことがきっかけだったのかもしれない。 はたまた、今日の出来事は引き金に過ぎないのかもしれない。 赤「ね、黄くんち行かせてよ」 「治るまで一緒に住も」 お互い、多分気付いてる。 だけど、どちらも決して口には出さない。 甘いようで、苦いようで、酸っぱいようで。 何とも言えない空気が漂う中、互いの体温を譲り合い温まった指先に力を込め、帰路へ着いたのだった。 (終わり) 甘々両片思いでした。 解説とかどうとかなくとも分かるわかりやすいお話でしたが、今の私じゃこれが限界。 黄くんは、ちゃんと良くなりました。 医療知識を持ってる人が見たら笑いたくなるような小説だとは思いますが、1学生風情が書いたものですので目をつぶって頂きたく思います。 それでは、おつくる!