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幸福なる不幸者［3章］

第4話 - episode3. 「知らぬ存ぜぬ」

2025年11月20日

#一次創作

#ファンタジー

#コメディ

#ミステリー

アクヤ

ブネ

……狂神。

狂神

ん？

ブネ

リンは……何者なんですか？

ブネ

彼の正体が僕には全く
わからないです……。

ブネ

どうして貴方はアイツを僕の
相棒にしたんですか？

狂神

……リンの正体は、
まだ明かすことは出来ない。

狂神

俺とリンだけの秘密なんだ。

狂神

相方にした理由は、
過去の境遇が似てるから。

狂神

お前が、本当に笑えるように。

ブネ

……そう、ですか。

ブネ

ところでリンは……？

狂神

あーアイツは週一行くとこがあるんだ。

狂神

行きにくいところだから
お前を誘わなかったんだろうけど……

ブネ

(本当にいた……。)

リン

…………。

ブネ

リン。

リン

……ブネ、どうして。

ブネ

狂神様に教えてもらった。
来たのは俺の意思。

リン

……詐欺師だから来ないかと思ってた。

ブネ

ぶっ飛ばしていいかな

リン

……神って、本当に人を救ってくれるのかな。

ブネ

……？

あぐらをかきながらぼんやりと祭壇を眺めるリンは、どこか可笑しく見える。

ブネ

……神は、僕より詐欺師だよ。

リンの横に座って呟くと、リンは首を傾げた。

ブネ

いいや、“神が”と言うよりは、
神が存在していると認識している“人間が”、かな。

ブネ

昔は、神を“尊いもの”として
崇め奉り、

ブネ

村の繁栄や天候の変化を
願い続けた。

ブネ

だけど、今はどう？

ブネ

言葉巧みに人間を操り
金を稼ぎ、

ブネ

最後は借金地獄に陥れる。

ブネ

……残酷だよね。

リン

……神だからって、性格がいいわけじゃ無い。

ブネ

ん？

リン

……神だからって、
平等に人を救ってくれる
わけじゃない。

リン

金を払った人間を
救ってくれる訳じゃない。

リン

自分が気に入れば助ける

リン

気に入らなければ助けない。

リン

本当は答えを知ってるんだ。

リン

……でも、

リン

それでも救われる人が
救ってくれることを、
信じていたい。

ブネ

……それは大層な
狂信者だ。

リン

……でも、救ってくれなかった。

ブネ

……変なの。

ブネ

気に入られてなかったんだね。

リン

……今日の任務は？

ブネ

まだ何も聞いてない。

リン

……そか。

リン

じゃあもう少し、
ここに居よう。

真神

……姉ちゃん。

真神

貴方ならどうしましたか？

真神

……分からないんです、
自分で。

真神

何が正解かも、
不正解かも……。

真神

本当に私は、
アクヤさんを殺して
正解だったんですか？

真神

俺には……俺にはもっと……

できることがあったはず……

吸鬼　悪夜¿

無いよ。

真神

っ！！

真神

貴方……！！

吸鬼　悪夜¿

やあ。
ましんくん。

真神

いつまでアクヤさんの
姿なんですか……？

吸鬼　悪夜¿

彼が帰ってくるまで。

真神

アクヤさんは、
もう……。

バグの粒子はめんどくさそうに溜息をついた。

吸鬼　悪夜¿

誰も気づかないんだね。

真神

……どういう事です？

吸鬼　悪夜¿

……“アクヤは死んでない”って。

真神

え……？

ブネ

はぁ〜。

ブネ

やっぱり、疲れるなあ
神聖なる場所は。

ブネ

神に監視されてる気分だ。

リン

……じゃあ何で来たのさ。

ブネ

ん？

ブネ

リンを知りたいから。

リン

……？

リン

知る必要ない。
どうせ悪魔なりの関係性だ。

ブネ

僕、知らない奴を
知らないまま嫌うのは無理なんだ。

ブネ

だから、良い奴なのか
悪い奴なのか、
見定めてるんだ。

リン

……可笑しな悪魔だ。

狂神

おー、二人ともおかえり。

リン

狂神。

リン

はい、ぽてち。

狂神

お使いあざす。

リン

……また外に出てくる。

ブネ

また行くの？

リン

……ブネは、
着いてこない方がいい。

ブネ

は？
自分勝手言うなよ……

狂神

ブネ。

狂神

別の仕事分け与えるから。

ブネ

狂神まで……

ブネ

リンに甘すぎやしませんですか？

狂神

……いいや、

狂神

彼奴がしたい事が、
大体分かるだけだ。

狂神

これだけは、止められない。

訳が分からない、

最初はそう思っていた。

けれど、リンの鋭い目を見た瞬間。

最悪な悪寒がした。

憎悪、遺恨、あるいは、嫉妬。

リンに渦巻く感情が、瞳の中を蠢いていた。

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アクヤ

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