私の居場所は呪術高専

ｽﾞﾙｽﾞﾙｽﾞﾙ…

扇が真希と真衣を引きずっている

真希は呪具を持っていない

扇の涙はもう乾いている

ﾄﾞｼｬｯ

扇が二人を階段から投げる

たかいたかぁい

こえがちいさいよ

なぁにそのこ

あかてんだってぇ

ｻﾞﾜｻﾞﾜｻﾞﾜ…

扇が後ろを振り向く

かんどうししした

ておつなご

ごじにはかえりなさい

ピロピロピロ

真衣が真希の胸に手をおし当てる

ﾄｸｯ…ﾄｸｯ…

真衣が真希に顔を近づける

真衣と真希の唇が触れ合った

ぷくっ

真希に空気が送られる

わかってた

真希には私にない才能がある

真希には見えない

ｷﾞｭｯ

真衣の手を握る

ﾀﾀﾀﾀ…

昔から不安なんて無いみたいに

未来へズカズカ突き進むあんたが嫌いだった

直毘人に背を向けて歩き出す

ﾋﾟﾀｯ

ｷﾞﾛｫｯ

アンタなんか

大っ嫌い

だから初恋も術式も

アンタに教えたことはない

真希には私にはない才能がある

メカ丸と同じある意味逆の天与呪縛

本来術式を持って生まれるはずだったアンタは

術式と引き換えに人間離れした身体能力を与えられた

禪院家では認められなかった

私にはなかった

才能

なんで家を出たの？

私は呪術師なんてなりたくなかった

アンタのせいで

アンタが頑張るから

私も頑張らざるを得なかった

努力も痛いのも怖いのももううんざり

禪院家でこき使われるののなにがいけないの？

適当に雑用こなして適当に生きれば良かったじゃない

なんで一緒に

落ちぶれてくれなかったの？

わかってる

そんなことわかってる

アンタのことだから

自分を嫌いにならないために

自分らしく生きるために

家を出たんでしょ？

わかってた！

ｻﾞｰ…

ｻﾞｻﾞｰ…

ｻﾞﾌﾞｯｻﾞﾌﾞｯ

真衣が海に入る

ｻﾞﾌﾞｻﾞﾌﾞｯ

ぱしっ

すっ…

全部、壊して

葦

真希の手には呪具が握られている

真依の目には光がない

ﾂーー…

真希の両目から涙が流れる

ｻﾞﾜｻﾞﾜｻﾞﾜｯ