自分
あーなんか眠れないな…
自分
読んでない本たくさんあるから読もうかな、
自分
「世界を一瞬で変える方法」
自分
面白そうだな
自分
よし、読もう
時海 紫雨
私は旅をしている。
時海 紫雨
本の世界を。
時海 紫雨
私の居場所は本の世界だけだ。
時海 紫雨
毎日1冊は本を読む。
時海 紫雨
勉強も運動も私には才能が無い。
時海 紫雨
唯一の趣味が読書だ。
時海 紫雨
小学校の頃には、図書室の本を全部読んだ。
時海 紫雨
そう、私の居場所は本の世界だけ。
時海 紫雨
でも、このままでいいのだろうか
時海 紫雨
このままでいたくない
時海 紫雨
変わりたい
時海 紫雨
私も主人公になりたい
時海 紫雨
本好きのモブキャラのままは嫌だ
時海 紫雨
世界を変えたいよ…
時海 紫雨
自分の力で世界を変えられるような人になりたいよ…
本の主人公
変えられるよ
本の主人公
この世界に僕達は生きてるんだ
本の主人公
だから、変えられるよ
時海 紫雨
…え?
本の主人公
違う、変わってるんだ。
本の主人公
君の力で世界は変わってるよ
時海 紫雨
どういうこと…?
本の主人公
例えば、君が歌を歌うとするだろ。
本の主人公
その歌は、君が生み出したものだ。
本の主人公
その歌は過去にはなかったものだ。
本の主人公
つまり、君の行動で世界は「歌のない世界」から「歌のある世界」になったわけだ。
時海 紫雨
…
本の主人公
だから、もう君の力で世界は変わってるんだよ。
時海 紫雨
そんなの…ちっぽけだよ…
本の主人公
確かにちっぽけなことかもしれない。
本の主人公
でもさ、君が本を買うことにだって意味はあるんだ。
本の主人公
その1冊が積み重なって本の売り上げになる。
本の主人公
その1冊は作家さんの人生を支えてるんだよ。
本の主人公
世界はちっぽけなものが集まって出来てるんだ。
本の主人公
目を閉じてごらん。
本の主人公
そして、10秒後に目を開けてごらん。
本の主人公
世界はとても美しいよ
本の主人公
世界はとても素晴らしいよ
本の主人公
そう思いながら目を開けるんだ
本の主人公
そしたらきっと世界は変わってるよ
時海 紫雨
そう…だったんだ…
時海 紫雨
なんで…気づかなかったんだろう、
時海 紫雨
本の世界はこんなにも素晴らしいのに
時海 紫雨
どうしてここから出たいなんて思ったんだろう、
時海 紫雨
いいんだ
時海 紫雨
私はもう世界を変えてる
時海 紫雨
だから無理に変わろうとしなくていいじゃないか
本の主人公
そうだよ。とても大事なことに気づけたみたいだね。
時海 紫雨
ありがとう
時海 紫雨
やっぱり私、本が好きだ
自分
…
自分
紫雨が凄く自分と重なった…
自分
そっか…世界はもう私によって変わってるんだ
そう思って、私は目を閉じた