寮の部屋
空
ふむ…こんな造りになっているのか…
空
でもベッドはなくて布団か…
ティナリ
しかも1枚はすごいボロボロで雑巾みたいだね…
空
…
ティナリ
……
空
俺がボロ布使うからティナリは普通の方を使ってくれ
ティナリ
そんなの悪いよ!!
ティナリ
なら僕がそっちを!!
空
いや!!俺が!!
ティナリ
僕が!!
空
俺が!!!
ティナリ
はぁ…はぁ…
空
こんなのキリがないや…
ティナリ
一応寮長に報告して改善してもらうまで一緒の布団でもいい?
空
俺は大丈夫だよ
ティナリ
それじゃあそうしようか
空
そしたらお隣に挨拶しに行かないとな
ティナリ
そうだね
ティナリ
早速行ってみようか
空
うん!
隣の部屋
空
こんにちは〜
ティナリ
隣の部屋に新しくなったので挨拶しに来ました
2人が扉を叩いても反応がない
空
あの…
ティナリ
もしかしたら居ないのかもしれない
ティナリ
また今度にしよう
空
だね
2人が離れようとした瞬間扉が開く
万葉
取り込み中で少々遅れてしまったでござる
空
もしかしてお隣さん?
万葉
うむ。宜しくでござる
ティナリ
僕はこっちの空と同室のティナリ。
万葉
拙者は楓原万葉と申す。もう一人いるのだが…
放浪者
ちょっと万葉。僕お隣になんて挨拶したくないんだけど
放浪者
なんでそんな面倒なこと……
万葉
放浪者殿…
空
あ、はは…
ティナリ
帰ろうか
空
そうだね…邪魔しちゃったみたいだし
万葉
あ…!!空殿…!ティナリ殿…!!
空
またね、万葉
ティナリ
それじゃあ
ティナリに引き連れられ部屋に入ろうとすると空の手を誰かが引き止める
空
!!
放浪者
ちょっと君……
空
な、なに?
万葉
放浪者殿?
放浪者
ねぇ、名前は?
空
空
放浪者
空…?空か
空
で、こっちが俺のパートナーのティナリ
ティナリ
宜しくね
放浪者
…
放浪者
ねぇ空。そいつん所じゃなくて僕ん所おいでよ
空
は?
ティナリ
え?!
万葉
何を言ってるでござるか!?
放浪者
別にいいでしょ。減るもんじゃないし
万葉
これは寮長が決めたことだから勝手に変えるのは違反でござるよ!!
ティナリ
もう僕のパートナーは決まってるんだ。奪わないでね?
放浪者
面倒くさ……別にいいでしょ
万葉
いいわけがないでござろう!!
放浪者
えぇ…だって空、面白そうなんだもん
空
面白い?
放浪者
よくわからないけど、遊び甲斐がありそうなんだよね
空
あはは…
万葉
空殿、ティナリ殿…本当にすまない
万葉
放浪者殿!!!これ以上2人に迷惑をかけることは許されないでござるよ!
放浪者
ちぇっ…はぁ…仕方ない。
放浪者
せっかく一緒にいられると思ったのに…
放浪者
またね。空
空
ま、またね?
ティナリ
それじゃあ、さようなら
ティナリが急いで空を中に入れてバンッと扉を閉める
万葉
はぁ…
万葉
放浪者殿。ティナリ殿と空殿にお詫びの菓子折りを後で一緒に渡しに行くでござるよ。
放浪者
空だけでいいでしょ。あいつには迷惑かけてないじゃん
万葉
(迷惑かけた自覚はあるのか…)
万葉
はぁ…仕方ない。放浪者殿はお留守番を頼むでござる
万葉
菓子折りはあとで拙者1人で届けに行くから大人しくしてるでござるよ?
放浪者
はいはい
万葉
それから、もう1つのお隣にも軽く挨拶しにくでござるよ
放浪者
えぇ…あっちから来るの待てばいいじゃん
万葉
気づいたら即行動が1番でござるよ
タルタリヤ
あれ?もしかしてお隣さん?
魈
挨拶が遅れてすまない。
万葉
拙者は楓原万葉と申す。こちらは同室の放浪者殿
放浪者
……
タルタリヤ
はぁ…相変わらずだね君…
万葉
知り合いなのか!?
タルタリヤ
ちょっとね
魈
そんなことはどうでもいい。我は魈
タルタリヤ
俺はタルタリヤ。宜しくね
万葉
よろしくでござる
タルタリヤ
それよりさっきの揉めてた2人はどうしたんだ?
万葉
あぁ…見られていたのでござるな…
タルタリヤ
それにあの金髪の子…
放浪者
手は出すなよ。あれは僕が最初に目をつけたんだ
魈
まぁお前より先に最初に目をつけたのは多分あのデカ耳の奴だろうけどな
万葉
ティナリ殿のことでござるか?
魈
あぁ
魈
扉を閉める時のあの目。なかなかだったな
タルタリヤ
確かにあの目はなかなか見れないもんだったな
万葉
あの二人…本当に今日で初対面なのか…?
タルタリヤ
さぁ…真相はあの耳長の子に聞かないとわからなそうだ
放浪者
…
放浪者
…気に入らない
放浪者が不機嫌そうに部屋へ戻る
万葉
放浪者殿!!
万葉
すまない。今日はこれでお開きで…
タルタリヤ
あぁ、またね