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この深い海の底には 何が眠っているのだろう。 宝探しに行くんだ。 お前は何しに行くためだ? 伝説を作りに行くんだ。 君は、私と同じ目的かな? 再生しに行くんだ。 やっぱ、こういう仕事は俺たちしか出来ないだろ? 世界を壊しに行くんだ。 俺もお前も、目的は違えど、 出来ることはひとつしかない。 どれが本当の目的なのだろう。 そんな一気に言われても分からないんだ 。 だって、自分にはこの深海に意味なんて感じないから。 僕は、たまたま偶然が重なって この船に乗っている。 そうだな、何から思い出していけばいいんだろう。 僕の気になる人が、 この船に乗ったところまではちゃんと覚えているんだ。 その後ろ姿を見逃すことが出来なくて。 あるいは、彼女の行く先が気になったのかもしれない。 単に、好奇心かも。 どのみち、きっかけは彼女だったんだ。 それだけは言い切れる。 それから、僕は波にさらわれるように、 ここへ迷い込んでしまったんだ。 誰も好んで深海になど 行かないものだろう。
フェレン
僕は、落雷でも落ちたような驚きで 飛び起きた。
目の前には茶髪を束ねた女性、 室長がいた。
フェレン
フェレン
室長であるフェレンさんは、窓を指さし、僕を包んでいた布を無造作に剥ぎ取った。
主人公
僕の毛布が床に投げ出されてしまった。
フェレン
僕は、背筋がヒヤッとした。 朝礼に参加しなかったら、どうなるか。 それは、既に経験済みだったからだ。 僕は、急いで部屋を出た。 でも朝礼なら室長であるフェレンさんも参加するはずだ。 何しろ、朝礼はクルー全員が参加するものだからだ。僕は、部屋に戻った。
主人公
部屋の中には、僕の布団を片付けてくれているフェレンさんがいた。
フェレン
主人公
僕は、時計を見た。
まだ、朝礼が始まるまで 5分の猶予はあった。
フェレン
フェレンさんは、一向に作業を止めず、背中を向けたままに言う。
主人公
主人公
自分はまだ新人だからなのもあって、役職についてのあれこれはよく分からない。
ただ、役職がある人達は時々朝礼に参加しないことがあるのは知っていた。
フェレン
フェレン
主人公
僕は、フェレンさんの傍に駆け寄った。
けれど、そこにはなぜか、 物憂げな表情の彼女がいた。
フェレン
フェレン
主人公
僕は、聞き間違いでもしたのかと思った。
フェレン
フェレン