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看護師
看護師
片田 翔平
片田 翔平
看護師
看護師
山本 雪菜
片田 翔平
山本 雪菜
片田 翔平
僕は、片田翔平。
高校1年生。
生まれ持った病気が、1年前に色々な場所へ転移したせいで、この病院で過ごしている。
彼女は、山本雪菜。
僕と同じ高校1年生だ。
2ヶ月前に、違う病院から、彼女はやってきた。
隣のベッドなので、最近おしゃべりをたくさんしている。
彼女の病気は、結構進んでしまってるそうだ。
だか、彼女は、辛い素振りなんて誰にも見せない。
僕はそういう彼女に少し惹かれていた。
山本 雪菜
片田 翔平
片田 翔平
山本 雪菜
山本 雪菜
片田 翔平
片田 翔平
彼女は最近僕の名前を呼ばなくなった。
僕は悩んだ。
嫌われたのだろうか。
それをこの前、看護師さんに相談した。
すると看護師さんから、
看護師
看護師
看護師
看護師
看護師
片田 翔平
片田 翔平
看護師
僕はすごくショックを受けた
今、彼女が必死で眠ろうとしている理由は、自分が記憶を失いかけている所を人に気づかれないようにするためだった。
そんな彼女におやすみとしか言えない、彼女からしたらどこの誰だか分からない男の子は...
情けなかった。
そこで僕はノートをつけることにした。
僕の命も長いわけではない。
せめて、自分がこの世に生きていたという証拠を、残しておきたくて...
彼女との出会いから、全てを書いた。
ー4月。僕は君に出会った。
いつも話し相手がいなかった僕にはとても嬉しかった。
ー5月。僕は君と病気のことについて教えあった。
自分の命についても。全て。
ー6月。君は僕を忘れてしまいそうだ。
仕方がないと思うけど、やっぱり悲しい。
片田 翔平
1ヶ月後
ー7月。君は僕のことをすっかり忘れてしまったようだ。
前まで苦手だと言っていた友達と、君は仲良くなって、僕とは話さなくなった。僕には敬語で話しかけてくる。気を使ってるようだ。
山本 雪菜
片田 翔平
片田 翔平
僕は忘れられた...
その現実が受け入れられなくなってしまった。
毎晩毎晩ひたすら泣いた。
気が済むまで、僕は静かに泣いていた。
ある日、僕が泣いていることに彼女が気づいた。
山本 雪菜
片田 翔平
せっかく話しかけてくれたけど、もう、言葉が出なかった。
すると、彼女が口を開いた。
山本 雪菜
山本 雪菜
片田 翔平
大事なものって...
山本 雪菜
山本 雪菜
山本 雪菜
片田 翔平
お友達って...
僕...?
山本 雪菜
あの日みたいに君はどんどん話してくれた。辛いこと。ぜーんぶ。
素直に...
山本 雪菜
片田 翔平
山本 雪菜
山本 雪菜
山本 雪菜
山本 雪菜
山本 雪菜
片田 翔平
山本 雪菜
山本 雪菜
片田 翔平
山本 雪菜
「無理しないでね!」
の一言もかけられない自分。
必死に生きようと、頑張ってる君。
やっぱり違うんだと僕は思った。
ー8月。君は、また僕のことを忘れてしまったようだ。
もう、話しかけてもくれない。
ー9月。君はもう1人では動けない状態になった。
僕も、病気が進んできている。
死が近づいてきている。
そう考えると生きていることがイヤになる。
でも、いつか君が教えてくれた。
命ということを思い出してなんとか乗り越えてこれた。
それだけ、君は僕に必要とされる人間なんだ。とわかって欲しい。
僕もいつかそれを伝えられるようになりたい。
ー10月。君は喋れなくなった。
大好きだった。おしゃべりが出来なくなった君の顔からいつもの笑顔が消えていた。
母親の前だと、一生懸命笑みを浮かべる君はとても苦しそうだった。
だか、愛らしく僕にはみえる。
ー11月。君は僕とのことを全て思い出したようだ。
僕はとても嬉しかった。
だけど、君はもう喋ることが出来ない。
まだ車椅子で動くことの出来る僕は君のベッドの隣で、手話でおしゃべりを満喫した。
ー12月。もう僕達は時間がないようだ。
彼女は僕に最後に笑顔を見せてこの世を去った。
それから僕も
彼女を追いかけるかのように。
安らかな眠りについた。