【PM 3:42 町内路上】
白と由奈の2人が下校の道すがら、話をしている。
由奈
白
由奈
白
今度、マスタードーナツかムーンバックスコーヒーどっちかご馳走するから許してぇ💦
由奈
白
由奈
いちごタルト食べたい…
白
は、伯爵館高い…
由奈
白
ちょっとぉ!殴りかけたの首じゃん!💦
由奈
あと首も痛い気がするぅぅ!
これはもういちごタルトご馳走してもらわなきゃダメだァァァ!
白
こ、今度のお休みご馳走してあげるからぁ💦
由奈
はいじゃもう回復しました〜
白
そうやって人騙すなんてぇ!
由奈
白
・・・
由奈
白
手を振りながら、友人を見送る白。
姿が見えなくなったのを確認して1度財布の中身を確認した。
白
お小遣いどうしよぉ…
カツンカツンカツンカツン
革靴の音が響いたのを聞く。
???
白
振り向くとそこには全身黒ずくめスーツにサングラスをかける男が近寄ってきた。
???
良ければ手伝えるけど?
白
???
そうだね
君がやる夜のお仕事についてちょっと知ってるお兄さん。ってことにして貰えると…
白
???
ただ、知ってることについて教えて貰えないかなぁとは思って…
良ければ今日と、今度の休み…2回分でもいいんだよ?
白
白が後ずさりし…
黒服男は笑みを浮かべながらゆっくりと歩みを進めていく。
白
???
乱暴しようって訳じゃないからさ…
白
???
白
あの…
白
???
白
???
白
???
そのまま脱兎のごとき速さで逃げ出す。
途中、路地を見かけた所で急いで中に入り
ジグザグに裏路地を駆け抜ける。
隙間を通り、室外機の上を飛び越え、塀の上を登って黒服男の追ってを振り払うために逃げて逃げて逃げまくる!
白
???
(嘘だろ!?ホントに女子高生か!?
アクション映画のスタントマンじゃあるまいし何だこの身のこなし方!!)
その後ろ、辛うじて黒服男が追跡してくる。
白
ほんともうヤーだー!!!
袋小路に着いてしまった…
白
???
やぁ…やっと追いついた…!
はぁ…ホント…どんだけタフなのさ…!
白
黒服男が息を整えると同時に1歩1歩と距離を詰めていく
???
女子高生の拒絶かぁ…
それちょっと応えるなぁ…
首筋を掻きながら、ため息を漏らす黒服男に恐怖の目を向ける白…やがて、後ろの壁に背中が着くと同時に、カバンの中に収めている特殊警棒の手応えを思い出した。
白
そうしてカバンから、引く抜くと同時に、一気に伸ばし切って黒服男を牽制する。
白
すると、黒服男の表情に緊張感が走る。
???
身を守る為に僕自身も手段を選べなくなるよ?
しかし、完全に不慣れな状況である事が頭脳明晰な白の判断力を喪失させていた。
何とかしなければならない…さもなくば自分が危険だ。
黒服男の声も届かずに、白は戦闘態勢に入った。
???
黒服男が耳元に手を当てる
???
白
今は防犯!!!)
直後、白が間合いに飛び込み足払いを狙うべく下段の横凪を放つ。
???
黒服男が反応して高く跳躍、バク転の軌道で2m後ろに下がる
???
脚のすね狙い…北辰一刀流みたいだなぁ〜
白
更に距離を詰め、中段から3連撃を浴びせに行く。
???
マジか!
一発目しゃがみ、2発目横に飛び、3発目手の甲を傾斜に構えてあさっての方向に飛ばした。
白
???
警棒を受けた手の甲を振るって立ち上がる。
???
ほんとに危害加えるとかじゃないよ?
白
正体を知る人は何とかしろって
???
こっちも偉い人から言われててね
白
白が思い切り、上段から振りかぶり
黒服男が胸ポッケに手を突っ込む。
瑠香/井嶋
白/竹中
-ゴォォォォン☆!!!ー
竹中
白
白の力の籠った振り抜きが竹中の脳天を真っ直ぐに捕らえ袋小路に、凄まじい快音を響き渡らせたのだった…
10数分後…
竹中
井嶋
竹中
うっ!
井嶋
竹中
あの、怪盗キティたちは…?
白
竹中
えっと…?
瑠香
うちの白がすまなかった。
竹中
井嶋
そうさな
ーおよそ十数分前… ー
ズギャァァン!!!!
パッキィィィン!!!
互いの1太刀が交差し、金属面がへし折り飛んだのは瑠香の特殊警棒だった…
瑠香
ングっ
瑠香が頭を抑えてその場から動けなくなった
井嶋
井嶋が地面に警棒を突き立てる
井嶋
マジか…
そう零したあと、警棒をしまい込む。
立ち上がり、井嶋が瑠香の元へ近寄る。
井嶋
井嶋が、懐から市販の悪夢見症状緩和薬をひとつ取り出してうめき苦しむ瑠香のそばでしゃがむ
井嶋
瑠香
井嶋
味知ってるから分かるだろ?
瑠香
なんの真似だ…?
井嶋
君に近づいたのもちょいとばかし耳を傾けて欲しいことがあるって話だ
そうして、胸ポケットから己の身分証を差し出す。
井嶋
瑠香
井嶋
鈍痛の治まった頭を抱えながら、苦虫をかみ締めた顔の瑠香が立ち上がる。
瑠香
井嶋
瑠香
で話ってのは?
あ、もしかして今回の件公妨(公務執行妨害)で逮捕しますーっての入ってる?
井嶋
話に関してもだが、とりあえず着いてきてもらえっか?
コーヒーとケーキくれぇは食わしてやる。
こんなとこで話す内容じゃねぇのと、君一人よりはもう1人、白崎さんだったっけ?
一緒に話聞いてもらいたいしな。
瑠香
せいぜい美味いの奢れ
直後、井嶋のインカムに通信が入る。
竹中
井嶋
インカムには応答なくなった。
井嶋
ちぃと来てくれ!!
井嶋
お前がこさえたタンコブ冷やしてる保冷剤は白崎さんが突っ走って買ってきてくれたやつだ。
白
白の激しく機敏な頭下げを見ていたたまれなくなった竹中が苦笑いする。
竹中
白
井嶋
井嶋が竹中のタンコブをペチペチとデコピンしまくりながら白と瑠香を交互に見た。
竹中
井嶋
見込みあるよ白崎さん。
(竹中:痛ッ!?グヒェ!アダッ!ギェ!ウギュア!)
白
井嶋
デコピンしてた指を突き立て、患部をピンポイントに指で押し込み始める井嶋の攻撃に苦悶の表情を浮かべる。
竹中
井嶋
格闘中に気ぃ取られた上にJKから1本取られるってどういう事〜💢?
ウチの課、こういう荒事起こったら全員勝って帰ってくるのが普通なんだけど💢
君以外でそんなこと絶対やらかさないと思うんだけど〜💢
竹中
井嶋
本当たるみ切ってるねぇぇぇ💢
始末書書こうかぁぁぁぁ💢!!!!
竹中
井嶋
36枚分
竹中
井嶋
あ、それか学校(警察学校)からやり直すか!
同期に教官やってる奴いるから口聞いてやるよ!
竹中
始末書頑張らせていただきますぅ…
井嶋
さて、と一声発したあと井嶋が立ち上がる。
井嶋
白崎さんと月並さん。
悪ぃが少しだけ付き合ってもらうぞ?
瑠香
白
その言葉に白が口元を緩ませている。
白







