テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

【PM 3:42 町内路上】

白と由奈の2人が下校の道すがら、話をしている。

由奈

あ〜ここ、白が朝私におっかない棒振り回してきたとこだ〜

うっ…!あの時はその、不可抗力でぇ💦

由奈

つ〜〜〜〜ん

うううほんとごめんって💦

今度、マスタードーナツかムーンバックスコーヒーどっちかご馳走するから許してぇ💦

由奈

…タルト

由奈

伯爵館(喫茶店)の…

いちごタルト食べたい…

え…!?

は、伯爵館高い…

由奈

うっ!なんかいきなり!朝棒振り回された脇腹がぁぁ!

えぇぇ!

ちょっとぉ!殴りかけたの首じゃん!💦

由奈

なんか不思議な現象的アレで…!唐突にぃ!唐突に脇腹がァァ…!

あと首も痛い気がするぅぅ!

これはもういちごタルトご馳走してもらわなきゃダメだァァァ!

わ、わかったわかった!!

こ、今度のお休みご馳走してあげるからぁ💦

由奈

ヤッタぁ〜✨

はいじゃもう回復しました〜

あぁぁズルい!

そうやって人騙すなんてぇ!

由奈

白が危ないもの持ち歩くのが行けないんだよォ〜〜笑

もぉ〜待てこの〜!

・・・

由奈

んじゃね白、またあした〜

うんまた明日〜

手を振りながら、友人を見送る白。

姿が見えなくなったのを確認して1度財布の中身を確認した。

うぅ…伯爵館高いよぉ…

お小遣いどうしよぉ…

カツンカツンカツンカツン

革靴の音が響いたのを聞く。

???

良ければ、その伯爵館って店、お兄さんが連れてってあげようか?

え…

振り向くとそこには全身黒ずくめスーツにサングラスをかける男が近寄ってきた。

???

お金、大変みたいだね?

良ければ手伝えるけど?

え…えぇっと…お兄さん…誰?

???

僕…?

そうだね

君がやる夜のお仕事についてちょっと知ってるお兄さん。ってことにして貰えると…

(私の事を知ってる…!?)

???

そんな時間は取らせない。

ただ、知ってることについて教えて貰えないかなぁとは思って…

良ければ今日と、今度の休み…2回分でもいいんだよ?

…い、いえ…結構です!

白が後ずさりし…

黒服男は笑みを浮かべながらゆっくりと歩みを進めていく。

(…何なの…?人さらい…!捕まったらなにされるの)

???

まぁまぁそう構えないで

乱暴しようって訳じゃないからさ…

…ッ…あの…その…!

???

(逃げなきゃ…!)

あの…

あ…ちょっと…!アレなに…!?

???

えぇ…ちょっと古典的すぎn...

いやホントに!あれ!あれ!

???

…え?何どれ?

サヨナラ!!!

???

うあ!しまったやられた!!!

そのまま脱兎のごとき速さで逃げ出す。

途中、路地を見かけた所で急いで中に入り

ジグザグに裏路地を駆け抜ける。

隙間を通り、室外機の上を飛び越え、塀の上を登って黒服男の追ってを振り払うために逃げて逃げて逃げまくる!

お願いだからもう早く諦めてぇぇ!!!

???

ちょ!ま、待って!!

(嘘だろ!?ホントに女子高生か!?
アクション映画のスタントマンじゃあるまいし何だこの身のこなし方!!)

その後ろ、辛うじて黒服男が追跡してくる。

嘘嘘嘘!?
ほんともうヤーだー!!!

袋小路に着いてしまった…

ど…どうしよう行き止まり!!

???

ぜぇ…はぁ…はぁ…!

やぁ…やっと追いついた…!

はぁ…ホント…どんだけタフなのさ…!

こ…来ないで…!

黒服男が息を整えると同時に1歩1歩と距離を詰めていく

???

うぅぅわぁぁぁ…

女子高生の拒絶かぁ…

それちょっと応えるなぁ…

首筋を掻きながら、ため息を漏らす黒服男に恐怖の目を向ける白…やがて、後ろの壁に背中が着くと同時に、カバンの中に収めている特殊警棒の手応えを思い出した。

っ!

そうしてカバンから、引く抜くと同時に、一気に伸ばし切って黒服男を牽制する。

…こ、これで殴ります!!!

すると、黒服男の表情に緊張感が走る。

???

それはやめて欲しいな…それ振り回されたらもはや冗談とかの範疇超える。

身を守る為に僕自身も手段を選べなくなるよ?

しかし、完全に不慣れな状況である事が頭脳明晰な白の判断力を喪失させていた。

何とかしなければならない…さもなくば自分が危険だ。

黒服男の声も届かずに、白は戦闘態勢に入った。

???

ふぅ…仕方ないか…

黒服男が耳元に手を当てる

???

すみません。接触失敗しました、こちらも『お取り込み』に入ります。

(危ないから振り回したらダメだけど!

今は防犯!!!)

直後、白が間合いに飛び込み足払いを狙うべく下段の横凪を放つ。

???

おっとと!

黒服男が反応して高く跳躍、バク転の軌道で2m後ろに下がる

???

うわぁ……

脚のすね狙い…北辰一刀流みたいだなぁ〜

やぁ!!!

更に距離を詰め、中段から3連撃を浴びせに行く。

???

速っ!

マジか!

一発目しゃがみ、2発目横に飛び、3発目手の甲を傾斜に構えてあさっての方向に飛ばした。

っ!!

???

いっつつ!逃がし足んなかった!

警棒を受けた手の甲を振るって立ち上がる。

???

お願いだからそろそろ辞めない?

ほんとに危害加えるとかじゃないよ?

すみません、仲間から言われてるんです。

正体を知る人は何とかしろって

???

困るんだよなぁ〜それだと…

こっちも偉い人から言われててね

それじゃあ…ごめんなさいですが…

白が思い切り、上段から振りかぶり

黒服男が胸ポッケに手を突っ込む。

瑠香/井嶋

待て白!/止まれ竹!

白/竹中

え?/え?

-ゴォォォォン☆!!!ー

竹中

ンゲェガ?!

あ…💧

白の力の籠った振り抜きが竹中の脳天を真っ直ぐに捕らえ袋小路に、凄まじい快音を響き渡らせたのだった…

10数分後…

竹中

う…うぇ…ッ

井嶋

おぅ、目ェ覚めたか?

竹中

…先…輩?

うっ!

井嶋

頭いきなり起こすな。脳震盪こさえて気ぃ失ってたぞ?

竹中

すみません…

あの、怪盗キティたちは…?

ゴゴゴゴ!!ごめんなさい!!大丈夫でした!?

竹中

…!?

えっと…?

瑠香

事情はそっちの黒服の人から聞いてる。

うちの白がすまなかった。

竹中

…とりあえず状況聞いてもいいですかね?

井嶋

あぁ
そうさな

ーおよそ十数分前… ー

ズギャァァン!!!!

パッキィィィン!!!

互いの1太刀が交差し、金属面がへし折り飛んだのは瑠香の特殊警棒だった…

瑠香

ッ!!!クソ!

ングっ

瑠香が頭を抑えてその場から動けなくなった

井嶋

勝負ありだな

井嶋が地面に警棒を突き立てる

井嶋

…ッ!

マジか…

そう零したあと、警棒をしまい込む。

立ち上がり、井嶋が瑠香の元へ近寄る。

井嶋

(流石に限界か…)

井嶋が、懐から市販の悪夢見症状緩和薬をひとつ取り出してうめき苦しむ瑠香のそばでしゃがむ

井嶋

そら口開けろ…

瑠香

んガッ!?

井嶋

件の病気の薬だ。

味知ってるから分かるだろ?

瑠香

ンク…(嚥下)

なんの真似だ…?

井嶋

真似も何も元々危害加えるつもりは無い。

君に近づいたのもちょいとばかし耳を傾けて欲しいことがあるって話だ

そうして、胸ポケットから己の身分証を差し出す。

井嶋

申し遅れたがお巡りさんです

瑠香

警察…

井嶋

それも、ただのお巡りさんじゃなくてだな、ちょっと言えないようなモンまで手ぇ出してる。都合悪いってのはそういう意味だ。

鈍痛の治まった頭を抱えながら、苦虫をかみ締めた顔の瑠香が立ち上がる。

瑠香

なんだよ、そうならそうと先に言え

井嶋

おぉ、そいつぁすまなかった。なにぶんゆっくりとお話できる余裕が見いだせなかったもんでな

瑠香

あぁはいはい私のせいってか、悪かったよおまわりさん。

で話ってのは?

あ、もしかして今回の件公妨(公務執行妨害)で逮捕しますーっての入ってる?

井嶋

いやいやこんけぇで一々ワッパカチャらせる程俺達暇じゃねぇって。

話に関してもだが、とりあえず着いてきてもらえっか?

コーヒーとケーキくれぇは食わしてやる。

こんなとこで話す内容じゃねぇのと、君一人よりはもう1人、白崎さんだったっけ?

一緒に話聞いてもらいたいしな。

瑠香

白の事まで調べ済みとは…

せいぜい美味いの奢れ

直後、井嶋のインカムに通信が入る。

竹中

『すみません。接触失敗しました、こちらも「お取り込み」に入ります』

井嶋

は?ちょ!おい待て竹!

インカムには応答なくなった。

井嶋

わりぃ!面倒事だ月並さん!

ちぃと来てくれ!!

井嶋

ってな訳で、怪盗キティこと月並瑠香さんナビゲートの元、最短距離でここまでぶっ飛んできた所、お前が一本食らって泡吹いてぶっ倒れたんで、目ぇ覚ますまで油売った。

お前がこさえたタンコブ冷やしてる保冷剤は白崎さんが突っ走って買ってきてくれたやつだ。

あの!ほんと!すみませんすみません!💦

白の激しく機敏な頭下げを見ていたたまれなくなった竹中が苦笑いする。

竹中

ま、まぁまぁ…ナイス1本だったよ

え?あ…ありがとうございます…?

井嶋

いや、実際にさっきの一撃は見事だった

井嶋が竹中のタンコブをペチペチとデコピンしまくりながら白と瑠香を交互に見た。

竹中

ウげ!?いっ!せっ、先輩…!

井嶋

こいつぁ頑丈さだけだけなら折り紙つきでな、それをぶっ飛ばせるたぁ大したもんだ。

見込みあるよ白崎さん。

(竹中:痛ッ!?グヒェ!アダッ!ギェ!ウギュア!)

…あ、ありがとうございます!

井嶋

それに引替え〜💢

デコピンしてた指を突き立て、患部をピンポイントに指で押し込み始める井嶋の攻撃に苦悶の表情を浮かべる。

竹中

アダダダダダダダ!?

井嶋

竹中く〜ん💢

格闘中に気ぃ取られた上にJKから1本取られるってどういう事〜💢?

ウチの課、こういう荒事起こったら全員勝って帰ってくるのが普通なんだけど💢

君以外でそんなこと絶対やらかさないと思うんだけど〜💢

竹中

デァァ!!スミマセン!!本当!!堪忍してぐだざいィィ!!!

井嶋

たるんでんねぇ〜💢

本当たるみ切ってるねぇぇぇ💢

始末書書こうかぁぁぁぁ💢!!!!

竹中

は…はいっ!書かせていただきますぅぅ涙

井嶋

おぉ〜頑張れよ〜

36枚分

竹中

36枚も!!!???

井嶋

なぁにぃぃ俺の言うことに文句あるぅ?

あ、それか学校(警察学校)からやり直すか!

同期に教官やってる奴いるから口聞いてやるよ!

竹中

へぅぅ泣

始末書頑張らせていただきますぅ…

井嶋

おぅ、しっかりやるんだぞ…

さて、と一声発したあと井嶋が立ち上がる。

井嶋

さて、こっちの後輩も気がついたから移動しよう。

白崎さんと月並さん。

悪ぃが少しだけ付き合ってもらうぞ?

瑠香

あたしはいいけど、白、そっちは?

その言葉に白が口元を緩ませている。

あの、一件気になる喫茶店があるんですけど…

リンク・ナイトメア【Code:urban legend】

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

152

コメント

1

ユーザー

続き待ってました!!井嶋さんと竹中さんのコンビがまたおもしろくて楽しかったです!反省文36枚は辛い…笑次回も楽しみにしてます!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚