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日向side
俺にはよく見る夢がある。
俺が生きていた時の記憶が夢として現れている。
もうずっとずっと昔の事なのに、未だに覚えている。
織豊時代、あの時は、織田信長や豊臣秀吉が政権を握っていた。
俺も詳しくは知らない。周りの大人が言っていて、いつしか「そうなんだな」と思っていた。
俺が生まれたのは、狸が祀られている村だった。
もう歴史には残っていないが、ある日、その村で火事が起きた。
俺はあの日、燃えている家にまだ取り残されている幼馴染を助けようとした。
幼馴染の名前は「尋」だった
日向(生前)
日向(生前)
日向(生前)
熱い
熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い!!
身体中の体液が沸騰しそうなぐらい熱い。
身体からはこの身体を冷やそうとしている大量の汗が湧き出てそれがまた熱くなる
苦しい
今度は苦しくなってきた。
肺が苦しい、心臓が苦しい
だんだんと意識が薄れてきた。
その時、目が覚めるというのが、いつものお決まりの流れだ。
日向
日向
俺はあの日の後、重症熱症と一酸化炭素中毒で死んだ。
尋は何とか生きていたらしい。
俺はまだこの世に未練があり、魂は消えなかった。
俺は自分の遺体を見た。
身体中が焼け焦げ、面影すら残っていなかった。
不思議とショックは受けなかった。
理由はわからない。
今月から文月
七夕の季節。
今日は七夕の準備をすると聞いた。
日向
日向
俺はそう呟き、また目を閉じた