#7
まゆか
驚いて飛び起きた向井さんに
軽く頭を下げて足早に部室を出た。
あまりに人とは関わらなかった私にとって
向井さんの存在は、
身を燃やしそうなほど熱かった。
たった数時間で私は向井さんに恋焦がれていった。
そのまま家に帰って
自室のベットに寝転がった。
まゆか
白い部屋に向井さんの名前が溶けていく。
誰にも届かない、聴こえない。
ただ無性に名前を呼びたくなった。
下の名前なんて言うんだろう。
今まで人に興味を持たないようにしていたのに、
あっさりと持ってしまった。
知りたいけど、知られたくない。
近ずきたいけど、近ずかれたくない。
私の考えと裏腹に感情が幕っていく。
考え出したら止まらなくて、
鞄に入れっぱなしにしていた携帯を取り出し。
画面の検索表示に''TheBeatlat''
と打ち込め膨大な量の情報が出される。
名前は聞いたことあったが
詳しくは知らなかった。
イギリスのロックバンドか、、、
私の苦手な音楽のジャンル
でも、向井さんが好きな音楽。
聴きたいけど、聴けない。
再生ボタンを押すのに時間がかかる。
やっとの思いで押した画面は
くるくると回って少しした後に再生される。
優しいメロディーと
少し冷たい機械音が遠くで聞こえる。
何を言っているのか分からないけど、
無性に泣きたくなるような曲だった。
ベットに座って枕を抱える。
ぼやけて聞こえる音楽。
こんな私なのに、向井さんを好きになってしまった。
そんな自分に腹が立つ。
大切なものを作ってはいけないのに、
視界が水浸しになり頬を伝う。
落ちた涙か枕に染み込んだ。
コメント
7件
大丈夫よん!( 我!( 下の名前康二やよ!(教えんな)
遅くなってごめん🙇 あと、ブクマするならフォローしてくださいね
楽しみに待っておきます!