痛かった
苦しかった
誰も味方についてくれないて、 唯一味方と感じれるのは、 俺の弟達だけで
この世界で5人だけだった
愛なんて知らなくて、
[愛してる]も
[生まれてきてくれて有難う]も 言われた事は無くて
ただ殴られ、蹴られ、俺らの 存在を否定されるばかりだった
物心ついた時から、かみさまに 助けられるまで、生きている 心地なんて感じたことが無い
瞼を閉じて眠りにつこうとしても 明日の未来なんて変わらない
「もしかしたら」って考える俺が 本当に馬鹿馬鹿しい
そんな自分が大っ嫌いで、 殴られることが、俺の存在価値と 考えるようになった
それぐらい、俺が見る世界は 狂ってた
朝殴られ、昼殴られ、夜殴られ 殴られない日なんて滅多にない
@ 赤
今日も太陽が上り、寝ている間に 死ねなかった事を悔やむ
いっその事、死んでしまおう、と 考えた事も多々あった
それでも俺は死ねない 今は皆が小さいから暴力を受ける 回数が少ない、再年長の俺が 居なくなったら、次のターゲットは 誰になる?
俺の1つ下の白ちゃんになるに 決まっている
白ちゃんはこんな環境の中でも 優しくて、あの子の傍にいると、 揺らぐ心が落ち着く
白ちゃんがターゲットになった場合 絶対に1人で抱え込む
だから、俺は長男として、 最年長として、死ぬことは出来ない
@ 赤
@ 赤
時刻は6:30 今日も押し入れの中で目が覚める
目を開ける度に、周りの真っ黒な 光景に驚いてしまう
かれこれ弟が生まれてからずっと この押し入れで眠っているのに、 体はまだ慣れてくれない
横で眠っているゆーくんの頬を撫で 押し入れから出る
@ 赤
そんな願いに、神様は 応えてくれるはずが無く、ドアを 開けて直ぐ見えたのは、俺を 親の仇ぐらいの憎みの目で 睨んでいる、お母さんだった
@ 赤
@ 赤
掠れた声でそう言うと、頬に 皮膚と皮膚が重なり合った音が 鼓膜に響いた
状況を把握出来ずに居ると、 お母様が重い口を開いた
@ mob
@ mob
@ 赤
@ mob
@ 赤
毎日のように吐かれる暴言 もう慣れたものだ
[産まなければ良かった]
[顔も見たくない]
一日に何回聞くだろうか、これまで 聞いた数は4桁は超えるだろう
でも、何故両親がここまで 俺らを嫌うかは分かっている
俺らは、使いようのない ただの無能な男だから
賽野家は、女が1番上の立場だった
賽野家には昔から呪いが 伝わっていて、呪いを防ぐためには 子供を宮司の家系に嫁がせる事
この呪いは女にはかからない 父親の呪いを防ぐため、女を産み 宮司に嫁がせる 賽野家が呪われてから今の世代まで こうして呪いは防がれてきた 何時しか、俺らも呪いにかかるかも知れない。両親にとっては 幸せだろう
今の世代、つまり俺の親と兄弟達 まず最初に俺が産まれて、次に 白ちゃんが産まれて
その次に双子の桃くんとまろが 産まれた。4人連続で男が 生まれたのは、賽野家が信じる 賽の神様が怒ってるから、と 言われて、更に俺らの居場所は 無くなっていった
そうしてようやく、両親が 望んでいた女が誕生した
俺の妹、と言えるのだが 両親は頑なに妹に 会わせてくれなかった
名前は○○。 今は確か5歳ぐらいだったはず
(名前が決めれなかったので 自分で想像して読んでください)
今なら…って思ったのか、 両親はまた1人子供を産んだ
まぁ、それがゆーくんなんだけど
ゆーくんは生まれた時から顔付きが 女の子寄りだった
だから、両親はゆーくんを 「女の子」として育てた
両親の機嫌が良い時はゆーくんは 普通に自分の可愛い子供として 扱われる
両親から見れば娘、と 言うべきなのだろうか
ゆーくんの綺麗なグラデーションの 長髪を見る度、罪悪感で 俺の心は締め付けられる
ごめん、本当にごめん 俺が悪いの、早く稼いで皆と 一緒にいち早くこんな家を出たい
@ 赤
お母さんが何処かに行った後、 まだ眠っている白ちゃんの 髪を撫でる
目を覆い隠す前髪を少しずらした
コメント
2件
スゥゥゥゥ…お母さん♡♡♡っっっっっ!!!!