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宮治side

宮治

ほら着いたで

広瀬里帆

えーとぉ、鍵かぎ…

宮治

あーあ

里帆ちゃんが住む アパートの前に着いた。

彼女はここまで歩けたのが 奇跡なくらい酔っていて、

鍵を探すのに バッグを落としていた。

宮治

鍵どこ?

広瀬里帆

内ポケットの中れす

宮治

これか

宮治

開けるで

なるべくバッグの中を 漁らないように鍵を取り出し、

扉を開ける。

部屋からふわりと女の子特有の 甘い香りがした。

里帆ちゃんは玄関に座って モタモタとヒールを脱いでいる。

宮治

…せや、ここまで送ったんやからご褒美もらわな

広瀬里帆

ごほーび?

こてんと 首を傾げる里帆ちゃん。

ポワポワしてて可愛ええ。 取って食ってしまいそうや。

宮治

連絡先、翔陽くんと交換してたやん

宮治

俺とも交換しよ

広瀬里帆

いいれすよぉ

宮治

( ガード弱過ぎひん?心配なってきたわ )

言われた通りバッグから スマホを取り出し、

LI○EのQRコード 読み取り画面を開く。

俺は自分のコードを 読み込ませて

勝手に友達追加を押した。

宮治

ほな俺は帰るな

宮治

風呂とかで溺死せんといてな

宮治

鍵もちゃんと閉めぇよ

広瀬里帆

はーい

広瀬里帆

店長またねぇ

この警戒心皆無な好きな子に、

出そうな手を必死に堪えて

俺は里帆ちゃんの家を 後にした。

広瀬里帆side

広瀬里帆

……ん〜?今何時…

枕元に置かれた スマホを手に取る。

映し出された時刻は 朝の9時過ぎだった。

広瀬里帆

え、9時っ!?

ガバッと起き上がって気付く。

着ているスーツは シワが寄っていて、

枕にはファンデーションが キラキラと光っている。

そうだ、昨日はおにぎり宮で 日向くん達に会って、

お酒を飲んで 店長に送ってもらった。

……店長に送ってもらった!?

広瀬里帆

なんて迷惑を…!

急いで スマホのロックを外すと、

ぼんやりした記憶の通り

店長の連絡先が 追加されていた。

広瀬里帆

昨日は送ってくださってありがとうございました!

広瀬里帆

ご迷惑おかけしました…。すみません🙇🏻‍♀️💧‬

慌ててそう打ち込み、 送信する。

昨日お酒を飲んだのは

今日の仕事が 休みだからなわけで。

ズキズキと痛む頭を支えながら

取り敢えず着替えるために 立ち上がった。

お に ぎ り 宮 は 常 連 さ ん を 落 と し た い

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