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昔から、出来が悪かった
みんなが当たり前にできることが私には出来なくて。
二回、三回、四回って何度もしてやっとみんなと一緒。
出来の悪いグズのくせに正義感と承認欲求だけは一丁前にあった
両親はすぐに愛想を尽かして、妹をつくった
妹の名前は凛音
最初は近所でも有名なくらい仲の良い姉妹で、私も妹が出来たことに喜んでいた
でも、あの日私は全てに気づいてしまった
気づかなければ、幸せだったかもしれないのに
三年前
その日、私は学校の宿題であった「両親の仕事」の作文を 書くため、棚を漁っていた
父さんは外科医、母さんは看護師で家のカルテを見れば何かわかるかもと思ったからだ。
中学生の琴音
ゴソッ
中学生の琴音
中学生の琴音
そのカルテに書かれていたのは私たち家族の血液型。
私はB型で、両親はA型とB型。凛音はAB型だと聞かされていた
でも...
中学生の琴音
中学生の琴音
A型の両親からB型の子供が産まれることはありえない
中学生の琴音
中学生の琴音
中学生の琴音
中学生の琴音
そこからは簡単だった
私が気づいたことを知った家族は私を除け者にするようになった
代わりに凛音に愛は向かっていって、優秀な凛音は気づいた
私が他人なことに。
虐待ではないけど、阻害が始まった
もとの仲良し姉妹なんて面影がないくらいになって
私は夜に家を抜け出すようになった
外は真っ暗なはずなのに私には眩しく思えた
自分のちっぽけさに嫌気がさした。
何者にもなれない自分が嫌になった。
親を知らないって言うのは自分が広い海に漂っているような感覚で
自由って言えば聞こえが良いんだろうけど、実際は根がない
根がないって言うのはほんとに辛くて、自分を見つけようにも人生の見本になる親がいない。
だから自分がわからない
そんな感じ
カンッ
??
中学生の琴音
中学生の琴音
??
え、私もしかして今日命日?
死ぬ?
中学生の琴音
??
??
よかった、いい人っぽい
??
中学生の伊織
中学生の琴音
中学生の琴音
中学生の伊織
中学生の伊織
え、待って女?女って言った?
この子が?
ちょーイケメンなのに?
中学生の琴音
中学生の琴音
中学生の伊織
中学生の琴音
中学生の伊織
中学生の伊織
中学生の伊織
中学生の伊織
ここ。伊織ちゃんがそう言ってくれた時、私は独りぼっちの琴音からここになれた
これが、私たちの始まりだった
毎日25時にこの道路で待ち合わせして少し話す
それだけの関係。
互いに知っているのは名前と性別だけ
その関係が心地よくて、いつの間にか伊織ちゃんが大事になっていた
この世界の誰よりも