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裕一郎
夏子
裕一郎
夏子
裕一郎
夏子
この瞬間に俺は彼女と気が合うことを確信した。俺が定期テストの話題を振ったのはそれが目的だったのだから。
裕一郎
夏子
裕一郎
彼女の成績は学年トップレベルである。
夏子
なんたる謙遜……人格者!
裕一郎
夏子
彼女の気遣いを無下にするほど俺は無粋ではない。
俺は言葉とは裏腹に有頂天になった。 何せ、ハートである。 確定的な脈アリサインだということを先週、「週間恋愛必勝法」で読んだ。
裕一郎
夏子
俺はユウスケとのメッセージ画面を開いた
ユウスケ
裕一郎
ユウスケ
裕一郎
裕一郎
まさかな。
ユウスケ
まさかだった。というよりも、あり得ない。ユウスケはおおよそ女子に好かれる要素を持っていないのだ。 歯磨きをしない、風呂に入らない……ect
裕一郎
ユウスケは彼らしく花を渡して告白するという何とも言えない作戦を考えていたのだ。 その件に関して俺に散々相談したくせに相手の情報を一切開示しないのだ。 ふざけあがって。
ユウスケ
裕一郎
ユウスケ
ユウスケ
いいんだろうか……
裕一郎
ユウスケ
裕一郎
ユウスケ
ユウスケ
実に彼らしい選択だ
ユウスケ
裕一郎
彼が送ってきた画像は暖色系統の色がまだらに混じったチューリップのような花の写真だった。 彼にしては趣味がよかった。
裕一郎
ユウスケ
ユウスケ
裕一郎
俺は彼女との先程のやり取りを名前をふせてユウスケに伝えた。
ユウスケ
裕一郎
考えなしの彼は何をするかわからない。
ユウスケ
裕一郎
ユウスケ
俺たちは学校内で自分達を不仲に見せているのだ。 ユウスケが嫌がらせを俺にするが、俺が華麗にそれをスルーすると言うコンセプトだ。 最近勉強一色でつまらないので俺たちが発案した新たなエンターテイメントだ。 クラスメイトは信じているようなので、当事者の俺たちも楽しんでいる。
裕一郎
ユウスケ
裕一郎
ユウスケ
裕一郎
裕一郎
裕一郎
ユウスケ
俺は夏子とのメッセージ画面に切り替えた。
夏子
裕一郎
夏子
よっしゃ、脈アリ確定演出!
裕一郎
夏子
夏子
夏子
夜の7時?なぜそんな時間を?
裕一郎
夏子
夏子
ああ、なんだ。そんなことだったのか。学年トップは多忙なようだ。
裕一郎
夏子
裕一郎
夏子
裕一郎
夏子
この日のメッセージのやり取りはこれ以上はなかった。 幸いにも、約束の日曜日まで彼女と遭遇することはなかった。俺の心臓は守られたようだ。 ユウスケは総じてハイテンションで、俺への嫌がらせの質が落ちていた。「教室劇場作戦」の終わりは近いのかもしれない。
日曜日当日
夏子
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通話
03:00
裕一郎
夏子
女神だ……しかし、これからは気を付けよう
図書館で俺を見つめながら待っているのは、可憐な少女だった。 白のワンピースを着ており、頭の上には麦わら帽子がのっていた。 制服姿とは印象が全く違う。 彼女の唇にはほんの少しの艶があり、頬には薄いチークが添えられていた。 俺のためにしてきてくれたのだろう。 嬉しい。 いや、めちゃくちゃ可愛い。
図書館に入ったあとは案の定、彼女に一方的に教えられるような展開になった。 夏子さんの肩が時折俺の腕に当たって集中できなかったと言うこともあるのだが。
閉館の九時になり、俺たちは席をたった。
以下は図書館を出たあとの俺たちの会話だ。
裕一郎
夏子
裕一郎
夏子
裕一郎
夜のひんやりとした風が俺たちの間を走り抜けていった。 彼女の髪がたなびいた。
夏子
裕一郎
夏子
裕一郎
裕一郎
夏子
俺の心臓は停止しただろう。
夏子
裕一郎
夏子
裕一郎
裕一郎
夏子さんは両頬をトマトのように膨らました。
夏子
裕一郎
夏子
彼女の月明かりに照らされた笑顔はそれはそれは美しかった。
夏子
裕一郎
俺たちの学校は片田舎にあり、夜 になれば満点の星空が望めるという。 俺は学校から少し離れた都会に住んでいるので見たことはないのだが。
俺は彼女を家にまで送り届けた後に帰宅した。
夏子さんの家は彼女の服装からは創造もつかない武家屋敷だった。 違和感が、妙に残った。
彼女からのメッセージは今日はなかった。疲れて寝てしまったのだろうか。
俺はユウスケとのメッセージ画面を開いた。
ユウスケ
くたばれ
裕一郎
ユウスケ
どうなんだって……ああ。
裕一郎
ユウスケ
彼が会話でこまると言うのはよっぽどだ。俺は恵まれているのかもしれない。
裕一郎
ユウスケ
裕一郎
ユウスケ
それはひどい
裕一郎
ユウスケ
裕一郎
ユウスケ
ユウスケ
いやいや、さすがにそれはないだろう。彼は過信しすぎるところがある。
ユウスケ
どうやら本当に効果てきめんだったらしい。
裕一郎
俺だって?
裕一郎
ユウスケ
そういえば俺から彼女に施したものはない。その事実に今気づかされた。
裕一郎
ユウスケ
裕一郎
さすがに大人げなかっただろうか。俺は携帯の電源を切り、眠りの床についた。
翌日、目を覚ますと、携帯には二件の通知がたまっていた。 一つはユウスケからの「おやすみ」ともう一つは夏子さんからだった。
夏子
裕一郎
俺はそうメッセージを打って学校へ出発した。
学校に到着するまでに夏子さんからのメッセージはなかった。優等生である彼女は予習でもしているのだろう。 基本的に放課後まで学校では携帯の電源をつけることはできない。 俺は気になってしかたがなっかったのだが、携帯の電源をつけることはしなかった。 彼女にしても同じことだからである。
放課後、夜九時近くになるまで彼女からのメッセージはなかった。 警備員を一旦やり過ごせば夜の学校への侵入は容易い。
夏子
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通話
01:13
夏子さんからの電話は屋上につながる扉まで来て、と言う内容だった。 彼女の声はいつも以上に明るい。
夏子
裕一郎
俺が階段を登り、扉の前にまでつくと、鍵をもった夏子さんが立っていた。
裕一郎
夏子
夏子
裕一郎
夏子さんが鍵を鍵穴に差し入れ、ガチャリとまわす、そして扉を開ければ、目の前には山麓とその上に広がる星屑が見えた。 すでに、美しい。
裕一郎
夏子
そとに完全に出きってしまえば、空には星屑だけでなく、星雲までもが広がっている。
裕一郎
夏子
彼女がたっているのは唯一フェンスでおおわれていない場所だった。
夏子
夏子さんの声の明るさは最高潮に達している。そして、おれの感情も同じくして。
俺は彼女の隣にたった
夏子
裕一郎
夏子
彼女の声はいつになく平坦だった。
夏子
不意に、浮遊感が俺を襲った。状況が、理解できない。 いや、明確に理解できる。 夏子さんは、おれの背中を押したのだ。確固たる恣意的な力で。
頭上から、夏子さんの声が聞こえてくる。 風景が上へ上へと過ぎ去って行く。
夏子
その声を聞き終えた瞬間、おれの意識は途絶えた。
夏子
ガチャリ
ユウスケ
夏子
ユウスケ
夏子
ユウスケ
夏子
ユウスケ
夏子
ユウスケ
夏子
ユウスケ
夏子
ユウスケ
夏子
ユウスケ
夏子
ユウスケ
夏子
the END