コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
A
当時俺は、とある機械の製造会社の営業担当をしていた
小さな会社だったが評判がよく色々な所に営業に行かされた
県外に行くことも多く、帰りが夜遅くになることもしばしばあった
俺の母親は霊感があり遺伝をしたのか俺にも多少霊感らしきものがあるのだと思う
だから夜中の帰り道に白い影を見たり、車に子供の手形が沢山ついていたりしたこともある
ちなみに俺は結婚もしてないし子供もいない
そんなことは置いておいて、これは俺が日帰り出張から帰っていた時の話
その日も俺は営業に行くことになりY県に訪れていた そして、いつものごとく夜遅くになってしまった
時計を見ると、21時 食事をとり少し仮眠をしてから帰ることにした
目が覚めると日付が変わり、24時30分
K
と、欠伸をしながら呟き。その前にと煙草に火をつけ一服した 車内にはラジオが流れており
普段、使っている高速道路が夜間の工事で渋滞しているとのことだった
K
とはいえ、仕事柄下の道も熟知していたので最短ルートで帰ることにした
走り始めて30分ほどすると山道に入った 山道と言ってもかなり広い道でしっかりと舗装されている
しかし、外灯はなく両脇は森林。 そして、走っている車は俺だけだった
時間も時間だったし、周りは真っ暗 さすがにちょっとビビっていた
しばらくすると後方から車のヘッドライトがルームミラー越しに見えた
少し安心したがその車は車高の低い真っ赤なスポーツカーで猛スピードで近づいてきて俺を勢いよく追い抜いていった
だんだんとスポーツカーのテールランプ外灯小さくなっていきまた辺りは真っ暗になった
そして、その瞬間、全身に鳥肌が立った 嫌な予感がしてルームミラーを見た
俺の左後ろの後部座席に真っ白な服を着た女がいた ベタついた長い髪で顔は見えなかった
しかし、俺はこういった類のものは慣れている 一瞬ビビったが気づいてないフリをした
すると、女が何かを話し始めた
白い服の女
今まで幽霊らしきものは見たことがある程度だったが今回は違う
近くにいるうえに何かを喋っている
俺は心の中で
K
そう何度も願っていた。 しかし、女はずーっと
白い服の女
と、言っている。声が小さくて上手く聞き取れなかったのでラジオの音量を下げた
白い服の女
と言っていた。俺は何を待てばいいのか分からないし、早くこの状況から抜け出したくて堪らなかった
しばらくその状況が続き、一直線だった道がカーブに差し掛かった
その瞬間、女は
白い服の女
と、今までと違い大きな声で言葉を発した ビビりながらもどうにか平然を保っていた俺もさすがに驚き
キキーッ!と急ブレーキを踏んだ
ルームミラーを見ると、女はいなくなっていた
その時は、なぜ女が現れ消えたのか分からなかった。 が、消えたことに安心した俺はすぐにその答えが分かった
カーブを抜けた15メートルほど先 俺を追い抜かして行った真っ赤なスポーツカーと対向車線の大型トレーラー外灯接触事故を起こしており
道が完全に塞がっていた。あの時、かなりのスピードを出していた俺があのままカーブを曲がっていたら事故に突っ込んでいた
K
俺はビックリしながらそう呟いた。 その後に警察と救急車が来て無事死者がでず、ことを終えた
あの時の女の霊はこのことを予知して知らせてくれていたのか。
俺はあの日以来、今までは恐怖を抱いていた霊に対する見方が変わった