ずぅっと昔。
“まだ”私たちが仲良かった頃。
波
わたしたち、ずうっといっしょだよ!
優奈
もっちろん!
愛美
あんたたちがどうしてもっていうんなら…いいわよ!
奈子
う、うん…わたしみんながいないとだめだめだから…
波
ふふふ、わたしたち、さいこうのトモダチ、だね!
酷い!○○のせいだ、○○の…
○○なんか…○○…みんな…みんな…
波
はぁ…はぁ…
波
また…あの夢か…
身に覚えのない記憶…
でもこの夢が、何故か現実になりそうで…少し怖い部分もあった。
私はその気持ちを振り払うためにぶんぶんと顔を振る。
波
…もうすぐみんなが来る時間だ…準備しないと…
30分後ー
ぴんぽーん
波
あ、来た、来たー。
波
私が準備終わってるからビックリするぞ…
波
おはよ!
優奈
あ、おはよ〜
愛美
おはよって…波、まだこんな古臭いとこに住んでんの?
奈子
お、おはよ…波ちゃん…
波
みんないつもありがと!
和室、いいよ?畳もきもちいーし…
和室、いいよ?畳もきもちいーし…
愛美
ふーん…って早く行くよっ。
ゆっくりしてる時間なんかないんだからさ〜
ゆっくりしてる時間なんかないんだからさ〜
奈子
そ、そうだねっ!
優奈
うん、行こ行こぉ〜
この4人はいわゆるイツメン。
ホントにちっちゃい頃からずっと一緒でその分絆も堅くて、強いものなんだ。
波
えへへ、シアワセ、だなぁ…
愛美
なんか言ったー?
波
う、ううんっ!早く行こ!
私達は学校に向かって走り出したー。
教室につき、4人でお喋り。
何年もいて話題も尽きそうな物だけど、私たちの間では尽きることを知らない。
大和
みんな、おはよー
優奈
や、大和くんだ…
波
かっこいいね…今日も…
桐谷大和。このクラスの人気者で男女どちらにもモテる。
もちろん、私たちも気になっている存在だ。
愛美
えー?あいつそんなにいいかね。
優奈
愛美、そんなこと言って〜
ノートに桐谷愛美って書いてるの見たぞ〜笑
ノートに桐谷愛美って書いてるの見たぞ〜笑
愛美
は…!?
勝手に見ないでよ〜
勝手に見ないでよ〜
奈子
ふ…ふふふ…
波
ぷっ…ぷ…
愛美
そこ!笑うなーっっ!
何も考えないで笑える、この日常が大好きだった。
ホントに、大好きだった。
波
私、トイレ行ってくるね!
優奈
りょぉかい!
愛美
あいよー
奈子
い、行ってらっしゃい…!
波
ふ…ふふ…愛美ったら…おかしいなぁ
大和
あれ、波さんもトイレ?
波
!?!?
桐谷大和…近くで見ると益々イケメン様だ。
波
う、うんそうだよ。大和くんも?
大和
あぁ。てか何笑ってたの?
なんか面白いことあった?
なんか面白いことあった?
波
うん、それがねー私の友達がー
暫く喋って、トイレのところで別れ、私は無事にお花摘みを終えた。
波
大和くん、意外と喋りやすかったな…
波
すきんなっちゃうかも…
大和
わー!
波
うわっっ
大和
ふふふー波さんなに笑ってたの?
波
大和くん…驚かさないでよ…
大和
あはは〜教室まで一緒に帰ろ!
波
あ、うん…
波
(ラッキー!)
波
(愛美達、悪く思わないでね…!)
大和
波さんと気が合うし、喋ってると楽しいな〜なんて…
大和
あのさ…
波
な、なに…?
波
(もしかしてこれは…)
大和
LINE交換しない?
波
あ…うんいいよ!
波
(違ったけど全然いい!嬉しい!)
ティローン
大和
はい!LINEでもよろしくね!
波
うん…!
大和くんは自分の席に戻って行った…
愛美
遅かったじゃん!大和くんと何喋ってたの?
波
あーあのね…
波
(…大和くんとLINE交換したなんて言ったら…皆に羨ましがられて教えろって言われないかな?)
波
(せっかく1歩リードしたのに…)
波
あはは…なんもないよー!私の
友達が面白いって言っただけ!
友達が面白いって言っただけ!
優奈
そぉなんだ!なんか照れるな〜
愛美
大和くんと喋るなんて羨ましい奴!
奈子
私も、う、羨ましかったり…
波
あはは〜ごめんごめん!
これからだった。
私たちがおかしくなり始めたのは。