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最終話 ◆ヒロイン◆
翌日放課後。
昇降口へ向かうため教室を出ると
廊下の壁に背をもたれ、 無造作にスマホを弄っているyanの姿があった。
俺の気配に気づくと、 彼はスマホをポケットに放り込みふわりと顔を上げる。
yan
その笑顔が昨日までよりも ずっと柔らかく、熱を帯びている気がして
俺はとっさに視線を泳がせた。
ur
yan
当たり前のような手つきで 俺の鞄を奪い取りyanは隣を歩き出す。
いつも通りの光景。
俺たちは親友。
それ以上でも、以下でもない。
そう自分に言い聞かせているのに、隣を歩くyanの体温が
秋の涼しい風に混じって肌に伝わってくる
横断歩道で信号を待っている時だった。
yan
短い声と共に、手首を強く掴まれた。
目の前をトラックが風を切って通り過ぎる。
ただそれだけのことなのに
手首を包むyanの指先が 火傷しそうなほど熱い。
ur
ur
yan
yanは離すどころか、一瞬だけ指先に力を込めた。
骨の感触をなぞるような執着に似た強さ。
それから名残惜しそうにゆっくりと指が解かれた。
ur
何今の
ただ掴まれただけなのに
俺の心臓は自分でも引くほど騒がしく脈打っている。
歩き出してからも距離が異様に近い。
肩が触れそうで触れない。
yan
ur
yan
yan
さらっと毒を吐くようにyanが言った。
口元は笑っているのにその目はミリも笑っていない。
yan
そう言って、yanは前髪をくしゃっとかき上げた。
何気ない、いつもの仕草。
ur
なのに、俺の喉はきゅっと音を立てて鳴った。
ur
手首を掴まれた感覚。
近すぎる距離。
獲物を定めるような視線。
昨日までなら笑い飛ばせたはずのすべてが
今は鋭い棘のように胸に刺さる。
ur
逃げ場を求めて、とっさに出た名前
yanは一瞬きょとんとしてから、呆れたように小さく笑った。
yan
yan
冗談を挟む隙も否定する余地もない あまりに自然で、あまりに真っ直ぐな言葉
視線が合って逸らそうとしても 磁石のように吸い寄せられて動けない
yan
yan
少しだけ低くなった声。
yanが半歩距離を詰める。
親友。
そう、俺たちは親友のはずだ。
なのに、肩が触れ合うだけで火花が散るような緊張感が走る。
この近さが この声が どうしようもなく特別に感じてしまう。
ur
耐えきれなくなって、俺は逃げるように歩を早めた。
後ろから楽しそうな足音が追いかけてくる。
yan
ur
背中に届く笑い声がやけに近くて
その近さにまた心臓が大きく跳ねた。
「俺のこと…どう思ってんの?」
ur
ur
しばらく沈黙が続いてyanが口を開く
yan
唐突に落とされた真剣な響きに 俺は弾かれたように思わず振り向いた
燃えるような夕焼けを背負ってyanがそこに立っている。
逆光のせいで表情の細部は見えないはずなのに
俺を射抜くような強い視線だけは 痛いほど鮮明に伝わってきた。
逃げ出そうとしたけど、地面に縫い付けられたように動かない。
ur
yan
yanがぐいと一歩、俺のパーソナルスペースを侵食してきた。
yan
ur
yan
yan
ぽつりぽつりと、心臓の奥に直接落とされるような言葉。
yan
yan
yan
yan
冗談じゃない。yanの喉の震えが 視線の熱がすべてが本気だと告げていた。
俺は、この物語の「脇役」だったはずだ。
せめて親友という枠組みの中で 一番近くにいられればそれでいいと思っていた
なのに
yan
その言葉が落ちた瞬間世界から雑音が消えた
逃げられなかった
もう逃げたくなかった。
立ち尽くす俺の肩を、yanの腕がそっと 拒絶を許さない強さで抱き寄せる。
制服越しに伝わる、yanの速すぎる鼓動。
yan
yan
yan
その言葉が胸の奥に深く沈み込み温かな熱を広げていく。
yan
yan
ああ、もう駄目だ。
こんなふうに心を剥き出しにされたら。
ur
気づけば、俺の手はyanの制服の背中をぎゅっと掴んでいた。
ur
ur
胸の奥が熱くて、苦しい。
でも、その苦しさが 心地よいと思っている自分が確かにここにいる。
ur
小さく息を吸い込み、消え入りそうな声で続ける。
ur
ur
その瞬間、俺を抱きしめる腕にさらに力がこもった。
yan
名前を呼ぶ声が、わずかに震えている。
顔を上げると、yanが泣き出しそうな笑顔を浮かべていた。
yan
噛みしめるように溢れたその言葉に、不覚にも胸が跳ねた。
ほんとに、こいつは
俺は少しだけ背伸びをして
触れるだけの羽のようなキスをゆあんの頬に落とした。
yan
さっきまでの男らしさはどこへやら。
yanはマヌケな声を漏らして完全に硬直する
その呆然とした顔が可笑しくて
でも自分のしたことの重大さに 急に顔が熱くなり俺はとっさに視線を逸らした。
ur
ur
一瞬の沈黙の後、yanは真っ赤な顔で両手で顔を覆った。
yan
yan
燃えるような夕焼け空の下、俺は確信した。
主人公の隣に立つのは、いつだって美しいヒロインだ。
ずっと、自分には縁のない役どころだと思ってた。
でも
___この物語のヒロイン、俺だったみたいです
「親友ポジ狙いで話しかけたら、まさかのヒロイン枠でした」 完
すこんぶ
すこんぶ
すこんぶ
すこんぶ
すこんぶ
すこんぶ
すこんぶ
すこんぶ
すこんぶ
すこんぶ
すこんぶ
すこんぶ
コメント
10件
あっはん らぶち です 😭😭😭🤍🤍 もう 、 ほんとに 文才 分けて 😘😘
完結お疲れ様でした✊🏻 本当に最高すぎました😿💖 「好きすぎて我慢できなかった」というセリフに心撃ち抜かれました😵💫💘 すこんぶさんの言葉選びめちゃめちゃ好きです😽 番外編と新連載も楽しみにしてます💭
ほんとにさすがにすき 🫵🏻💘 うりさんのドキドキしてる描写の描き方がタイプすぎてこっちまでドキドキしちゃったよ ... 🥹 新連載楽しみにしてる !!!!