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誰ガノ為二、戦ウ理由

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誰ガノ為二、戦ウ理由

4 - 誰ガノ為ニ、戦ウ理由 第三話 少女との出会い

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2020年04月29日

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この世界には鬼というものが存在する。

鬼は強力で

生身の人間は一瞬で死んでしまうだろう。

刀で切ろうとも

普通の刀では鬼をきれない。

鬼を切るためにだけ作られた刀。

それは陰陽刀。

ヒュン!

刀が宙を切る音が響く。

万里

ふぅー…

万里

とりあえず今日はこれでいいかな?

あの日から僕は刀の練習を本格的に始めた。

刀は少し紫音さんに教えてもらったから

あとは独学で頑張るだけだ。

万里

独学でどのくらいいけるかどうか……

刀ではないものの、木刀なら幼い頃に少しやったけど

ダメダメだったなぁ。

万里

頑張るしかないよな……

ガサッ

万里

………?

万里

(誰かいる…?)

ザッザッザッと草を踏む音が聞こえる。

その音はだんだんにこっちに近づいてきてー。

万里

……!

僕は刀を握り直す。

その時

少女

違います!鬼じゃないです!

万里

え…?

出てきたのは鬼ではなく少女。

髪は黒で瞳の色は黄色をしている。

服は着ているがどこかボロボロだ。

右の袖が一部赤色な染まっている。

どうやら右腕を怪我してるようだ。

万里

き、君は……?

少女

鬼が…っ!鬼が…!

万里

と、とりあえず落ち着いて

少女

はぁ…はぁ…

万里

で…

万里

何があったの?

少女

鬼が…

少女

鬼が家族を食べていて…

少女

それで…

少女

守ろうとしたら…

少女

右腕怪我しちゃって…

万里

……………

少女

私…どうすれば…っ!

だんだんと声が震えてきた。

万里

その…家族は…

少女

しん、じゃった…

万里

鬼はもうその家にはいないの?

少女

鬼は…

少女

私、逃げてきたから…

少女

多分…まだ家に…

万里

いるってことね

万里

わかった

万里

なら君はここで待ってて

少女

え……?

少女

どうして…?

少女

なんでお姉ちゃんが?

少女

ま、まさか家に行くの…?

万里

うん、だから家の場所教えてくれるかな?

少女

でも…

万里

大丈夫

万里

お姉ちゃんは強いから

万里

ね?

少女

わかったけど…

少女

でも…お母さんとお兄ちゃんが死んでたら…

少女

そのまま…帰ってきていいから…

万里

…わかった

万里

約束するから

少女

うん…

少女

家はここからまっすぐ南にすすんだら

少女

大きな岩があると思うから

少女

そこを左に曲がると家だよ

万里

そっか、ありがとう

少女

気をつけてね…

万里

うん、行ってくる

万里

えーと…

万里

ここの岩から左…

万里

お、あった

そこには民家が。

万里

玄関から血が…

クッチャクッチャ

何か不吉な音が聞こえる。

万里

……!

そこには

人の腕をむさぼり食べている鬼がいた。

しかもその鬼は服を着ており

見た目からにして

元人間だろう。

万里

もしかして……

万里

あの子の…

ギロッ

鬼がこっちを見る。

う……う、う…

万里

…………

刀を握る。

あ”あ”あ”あ”!!!

鬼がこっちに襲いかかる。

攻撃が当たらないよう、右に避ける。

ヒュン!

刀が首を切る。

ぐ……あ…

ゴトッ

鬼の首が落ちる。

少女

お、ねぇちゃん……?

万里

あ…

少女

…………

少女

あ、あ、お母さん……!

首だけになった鬼を少女は急いで抱きかかえる。

少女

お母さん…!お母さん…!

少女は必死に呼びかける。

死なないで、死なないでと。

何度も何度も

鬼…いや少女の母親は少女の方に顔を向けると

ふっと笑いかける。

万里

………

母親がパクパクと口を動かす。

少女

お母さん……

ポロッと少女の目から涙をこぼす。

母親は静かに微笑みながら

目をつぶった。

少女

お母さん⁉

母親の首はパラパラと消えていった。

少女

お母さん…お母さん……

少女はパクパクと口を動かす。

少女にとっては辛いだろう。

目の前で母親が消えるのはかなり辛いはずだ。

少女

………

少女

……お母さんは…お姉ちゃんが切ったの…?

万里

それは…

少女

切ったの…?

万里

そう、だね…

万里

ごめんね…

少女

いや…いいよ

万里

…え?

少女

お母さんがもし鬼のままだったら…

少女

また誰かを食べてたかも知れないし…

少女

お母さんが亡くなるのは悲しいけど…

万里

………

少女

でも…

少女

お姉ちゃんのおかげでお母さんも

少女

天国に行けたから……

少女

ありがとう

万里

……!

万里

……どういたしまして

少女

お姉ちゃん、名前は?

万里

万里って言うの

万里

君は?

少女

由縁って言うの

由縁

よろしくね

万里

うん

万里

後由縁ちゃんはこれからどうするの?

万里

親も家も、もう無いでしょう?

由縁

あ……

由縁

えっと…その…

万里

なら私と住む?

由縁

え…?

由縁

い、いいの?

万里

いいよ?

万里

君がそれで言うならね

由縁

ホント⁉

目がパァと輝く。

万里

じゃ、私の家に行こっか

少女

うん!

そう言って私と由縁は森を抜けて家に向かったのだ。

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