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「月が綺麗ですね」───

そんなことを人生で1度は言われたいものだ。

……まぁでも、わたしには 一生無縁だよね

クラスメイト

あの子また本読んでるよ

クラスメイト

虚しくないのかな?

クラスメイト

いっつも1人で隅で本読んでさ

クラスメイト

普通、学生なら恋愛とか?青春でしょー

「普通」……か

そんな言葉を何回聞いてきたことか

みんなわかってない、

普通なんて人それぞれ、なのに

無謀なエゴでいつも私を傷付ける

クラスメイト

おいおいあんな地味女に恋愛とか向いてねぇって!

クラスメイト

するとしても永遠に失恋するオチじゃね?

クラスメイト

それなー!

「好きな人」とか「恋愛」とか

もうどうでもいいわ

人なんて、みんな

強欲傲慢、怠惰で自己中心的な 化け物なんだから

関わるつもりも一切ないし

私が椅子から立ち上がり 教室から出ていくと

クラスメイト

うわ、逃げたし

クラスメイト

本なんか両手で大事に抱えちゃってさ───

その声は廊下まで響いていた

ガヤガヤと本当に何時も煩い

聴覚なんて無くしたいぐらい。

美彩

…誰もいなくてよかった…

美彩

(一人の方が気が楽だ…)

保健室に入ったけど、誰かがいる気配は無かった。

ベッドで少し横になりながら本でも読もうと思いベッドのカーテンを開けると

美彩

(…なんだ、人いるじゃん)

もうひとつ、横のベッドにしようと 移動しようとした瞬間

美彩さん…だよね?

美彩

…え…?

髪の毛がサラサラで 潤っている肌に唇

髪色は透き通った黒色で

ブルーハワイのような瞳

美彩

(私としたことが…綺麗で思わず目を奪われてしまった)

美彩

(確かこの人は、同じクラスの…)

美彩

そうですけど、私に何か用ですか…

僕は雨宮 零

美彩

クラスメイトなんだから知ってるわよ

僕、キミのこと気になってるんだよね

美彩

美彩

は、はい?

零の言葉にビックリした美彩は 思わず口を開く

美彩

そんな嘘ついて、何のつもりですか…

美彩

(新手の嫌がらせ?いじめ?)

だって美彩さんって、いつもは大人しい地味子って思われてるけどさ

本当の顔は純粋無垢な優しい女の子だと思うよ

美彩

(は……?)

美彩

…おだててもなにも出ないわよ

おだててないしお世辞じゃないよ

キミは素敵な人だよ

勉強だって運動だって

たくさん努力して誰よりも頑張ってると僕は思う

美彩

そんな、美談されても困るんだけど

それに美彩ちゃんの漫画、たまにチラッと見えたことあるんだけど

美彩

覗き見とかサイテーね…

凄く上手だったし、美彩さんって漫画描いてるとき…いきいきしてるよね

美彩

……!

美彩

(そんなこと、言われたの初めてなんだけど……)

僕はそんなキミに惚れた

美彩

し、知らないし……

美彩

(信じちゃダメ、きっと何かの罰ゲームよ)

美彩

悪いけど、罰ゲームに付き合う気は──

僕は本気、だよ

だから、絶対に振り向かせるから

そう言って零はベッドから立ち上がると保健室から出ていった

美彩

……

美彩

(なによ、アイツ…それよりも)

美彩

(少しでも心が揺るぎそうになった自分自身に不覚でしかない…っ)

翌日──

また漫画を描いていると クラスメイトの一軍陽キャらしき彼女達がいつものようにからかってくる

クラスメイト

こんな漫画描いてなにしてんだか

クラスメイト

ほら!貸してみなさい!

美彩

か、返して…

グシャ

彼女らは私の絵を奪い取りぐしゃっと丸めるとゴミ箱に向かってボールを投げるように絵をゴミ箱に捨てた。

クラスメイト

よっしゃー!ゴールイン!

クラスメイト

キャハハハハ!

美彩

あんたら……っ

私は彼女らを睨みつける

クラスメイト

な、なによ…?

クラスメイト

こっわ~!

そんな所に、零が割り込み 私を助けてくれた

クラスメイト

ちょっと零くん?!

クラスメイト

そんなゴミ絵、ゴミ箱に入れとけばいいのになんで拾ってくんの?

これは才能だよ

こんな素敵な絵を捨てるなんて酷い

クラスメイト

零くん…わかったわよ…

クラスメイト

ふんっ!もう行こ

美彩

別に助けてくれなくても…

美彩

漫画取ってきてくれなくても良かったのに…駄作なんだし

僕は本当に美彩さんの漫画、絵もストーリーも好きだし

美彩さん、漫画家の素質、絶対あると思うよ!

美彩

わ…私が…漫画家…?

先生

はーい!授業始めますよー

あっまた後でね

美彩

…あ、うん

美彩

その、ありがと…

美彩さん、良かったら今日

一緒に帰らない?

美彩

え……

やっぱり嫌……かな?

美彩

(なっ…なんなのよ…そんな子犬みたいな潤う目で見てきて…)

美彩

別に、嫌じゃない…けど

美彩

貴方、トロそうだし遅かったら置いてくから

ふふっやった…!

美彩

……くっ…

美彩

(また私はどうして……っ)

でもまさか一緒に帰ってくれるなんて…

美彩

貴方と帰るのも今日一日だけよ…!

美彩

明日からは金輪際、関わるつもりは無いもの

でも、僕は美彩さんのこともっと知りたいって言うか…

美彩

私は一人が好きなの!

もう独りでいいし 一人がいいの

美彩さん…

美彩

そういうことだから、さよなら

待って…!

今すぐじゃなくてもいいから

僕と友達になってください……っ!

まるで告白するように 申し出る零

美彩

あ、貴方といたらこっちまで怠けそうになるし──…!

…怠けて何がダメなの?

美彩

え……それは、だって私は…

美彩

完璧でいなくちゃいけないの、常に

美彩

じゃないと認められないし

美彩

みんな離れてくから…

美彩

(あれ、なんで私…コイツにこんなペラペラと…)

誰にも吐き出したことのない悩みを 何故か零には何でも話せた

もう、強がらなくていいんだよ

美彩

……っ、!

僕は美彩さんのこと尊敬してるし好きだし認めてる

認めてくれる人って、一人でもいればいいと思うんだ

美彩

それは、そうかもだけど…

僕はキミと友達になりたい

美彩

……いいよ

ほんと…!?

美彩

えっう、うん…

やったあ!!!

美彩

う、うるさい!

ごめんごめん、嬉しくてつい…笑

美彩

ふっ、大袈裟すぎでしょ…笑

…やっぱり笑った顔、可愛いね

美彩

…!!

たまに見せる可愛い表情…好きになったんだ

美彩

…見世物じゃないんだけど

美彩

私、めんどくさいけど

美彩

それでもいいなら…少しずつ

美彩

付き合って上げても、いいけど…?

えっじゃあじゃあ明日休みだし

一緒にお出かけしない…?!

美彩

は、はぁ…?!

お願い!

美彩

しっ仕方ないわね…

やった~デート楽しみにしてるよ

美彩

か、勘違いしないでよ…?!

美彩

デートじゃなくてお出掛けなんだからね…!

はいはい笑

人生に一度ぐらいは 他人を信じてみてもいいかな。

美彩

あ、星…

『星が綺麗ですね』

美彩

え…?

知らない?意味

美彩

月じゃなくて?

月もそうだけど…今は星かな

美彩

意味、なんなの…?

『貴方に憧れています』…だよ

零は私を見つめながら 手を絡めてそう言った

美彩

零…なら私は今日から

美彩

次の言葉を心から言えたらいいなと思う

それは、なに…?

美彩

『月が綺麗ですね』

『今ならきっと手が届くでしょう』

この作品はいかがでしたか?

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コメント

9

ユーザー

クラスの皆が嫌ってても零くんのように美彩ちゃんの良さを見ている人はいますよね✨(リアルには……。いる、かなぁ……💦) 『月が綺麗ですね』や『星が綺麗ですね』等の言葉にして気持ちを伝えるのは素敵です💕 素直に「青春したい」と思いました😂😂

ユーザー

👍 読んだ!

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