TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
シェアするシェアする
報告する

ナツメ

……はぁ

ベンチに腰を下ろした

ナツメ

ぽたり

ナツメ

……あれ? あたし────

ナツメ

やだ、泣いてるの……?

ナツメ

(……拭かなきゃ)

ハンドタオルで涙を拭きとるが、それでも涙は何度も溢れ出る

ナツメ

……うぅ…………

カナ

そんなに強くこすったら……

カナ

目が腫れますよ?

ナツメ

?! カナ!!

ナツメ

なんで…………?

カナ

たまたま、通りかかっただけです

カナは隣にすわった

しばらく沈黙が漂う────

カナ

……鏡原先輩のことで、泣いていたのですか?

ナツメ

…………

カナ

図星、ですか

ナツメ

……まったく、あんたの前じゃ隠し事はできないわね

苦笑いをした

ナツメ

気持ちを伝える前に……

ナツメ

失恋しちゃった…………

カナ

…………

ナツメ

さっきね、偶然会ったの

一部始終を話す

カナ

……本当に、いいのですか?

カナ

鏡原先輩に伝えなくて…………

ナツメ

…………

カナ

失恋するなら、キモチを伝えてからにしてください

ナツメ

はっきり、言うわね……

カナ

あとで女々しく、うだうだ言われるのが嫌いなだけです

カナ

(でも、私が人のことをとやかく言う資格なんてない)

カナ

カナ

(だって、私は──)

ナツメ先輩が“好き“…………

カナ

(だけど、この思いを伝えるつもりはない…………)

カナ

(……その方がいいから)

3日後

放課後

珠希

話って?

ナツメ

ナツメ

あのね、鏡原──

ナツメ

あたし、鏡原のことが好きだったんだ

ナツメは珠希を呼び出し、自分のキモチを伝えた

珠希

……

一瞬目を丸くするが、すぐに笑顔になった

珠希

気持ちは嬉しい

珠希

でも、ゴメンね……

珠希

ぼく、好きな子がいるんだ

ナツメ

やっぱりね

ナツメ

好きな子って、この間会ったはるかちゃんでしょ?

珠希

……!?

珠希

なんで、わかったの……?

ナツメ

あんた、わかりやすいもん

珠希

──まいったな

ナツメ

ふふ

思わず笑った

ナツメ

がんばりなさいよ

ナツメ

はるかちゃんのこと、応援してるから

珠希

ありがとう、橘さん

珠希

珠希

ぼく、そろそろ行くね

ナツメ

うん

ナツメ

また明日、学校でね

ナツメ

あ〜ぁ、本当に失恋しちゃった

ナツメ

けど、なんかスッキリしたわ

ナツメ

あ、そうだ

カナ

カナ

なんですか? 急に?

ナツメ

このあと、ヒマ?

カナ

……ヒマですけど

ナツメ

じゃあさ、ツミッターで話題になった

ナツメ

パンケーキ屋に行こう

カナ

ひとりで行ってください

ナツメ

即答?!

ナツメ

べつにいいじゃない、一緒に行ったって

ナツメ

失恋したばかりの先輩に、慰める気はないわけ?

カナ

そのわりに落ちこんでいるようには、聞こえませんが

ナツメ

まあ、キモチを伝えてスッキリしたし

ナツメ

それに誰かさんが焚きつけたおかげでね

カナ

──わかりました

カナ

一緒に行けばいいんですね?

ナツメ

わかればよろしい♪

ナツメ

校門前で待ってるから

カナ

──はぁ

カナ

人の気も知らないで……

カナ

カナ

(でも、そんなナツメ先輩を好きになった自分が)

カナ

一番の大バカだ……

叶わないのに…………

カナ

“好き“って、絶対に言ってやるもんか──

この作品はいかがでしたか?

40

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚