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いちごちゃん

第1話 - いちごちゃん

402

2019年08月06日

#都市伝説

#怖い話

#ミステリー

太陽さんさん

BEE美

ねぇ、いちごちゃんって知ってる？

蠑汰

は？いちごちゃん？何それ。

蠑汰

プリキュアの主人公の名前かよ。
それとも、なんかのアイドル？

BEE美

あははっw
そんなんじゃないよ。
怖い話だよ、怖い話。

蠑汰

そんなメルヘンチックな名前の怪談が、あるのかよ。
もっとこう･・・
口裂け女とか、呪いのビデオとかおぞましそーな名前だろ？

BEE美

確かに名前は、メルヘンだけど内容は、めちゃめちゃ怖いんだよ！

蠑汰

へぇ、どんな話なんだ？
聞かせてよ。

BEE美

いいよーw

BEE美

･・・ホントに聞きたい？

蠑汰

ああ。

BEE美

分かった。話してあげる。

BEE美

あっ、一つ言っとくね。

蠑汰

何？

BEE美

都市伝説っていってもね、死んでる訳じゃあなくて普通に生きてるの。

蠑汰

えっ！マジ？

蠑汰

そんな都市伝説あんのかよ･・・。

BEE美

そんな珍しい事じゃないと思うよ。私は。

BEE美

じゃあ、始めるね。

BEE美

ある村に、一人の可愛い女の子が居ました。

BEE美

んっとね･・・仮に名前を「AEE美」とするよ。

BEE美

高台に住んでいてね、お金持ちの一人娘で性格は優しい良い子なの。

BEE美

が･・・、AEE美には優しい以外にもう一つ異常な性格があったの。
　いや･・・この場合は、性癖と言うべきなのかな？

BEE美

えっとね、AEE美は異常な程に赤色が好きだったの。

BEE美

ものすごく赤色が好きだったの。死ぬ程赤色が好きだったの。

BEE美

野原を真っ赤に染めて、家を真っ赤に染めて
　机を真っ赤に染めて、洋服は全部赤色にする程ね。

蠑汰

序盤で、何人殺してんだよ。AEE美ちゃんはよ。

BEE美

そういう意味の『真っ赤に染めて』じゃないからw

蠑汰

あっゴメンw
まぁ、続けて。

BEE美

じゃ、続けるよ。

BEE美

それ程赤色が好きなAEE美だけどね、ある時過ちを犯したの。

BEE美

ある日、AEE美のおばあちゃんのお葬式にAEE美は、喪服じゃなくて
赤い洋服を着ていったの。

BEE美

それにAEE美の両親は、激怒してね。
赤い洋服を全部、捨てちゃったの。

蠑汰

えっ･・・AEE美ちゃん洋服どうしたよ。

BEE美

赤い洋服の代わりに白い洋服を大量に買い与えて、
野原も、家も、机も、赤以外の色に変えたの。

蠑汰

赤好きのAEE美ちゃんにとっては、苦痛だろうな。

BEE美

毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日

BEE美

友達の誕生パーティーでも、
村の集会でも、
遊びに行くときでも、
普段も･・・。

BEE美

AEE美は、この生活に耐えきれなくなって
精神を病んでしまったの･・・。

BEE美

そんなあくる日の朝、AEE美を起こしに両親が部屋に入ると･・・。
AEE美の部屋は･・・真っ赤に染まってて、

BEE美

ただ、真っ赤に染まってたんじゃなくてね･・・。
部屋中にびっしり"赤・赤・赤・赤・赤･・・"って
書いてあったの･・・。

BEE美

この部屋の惨状を見て両親は、家中の支配人と一緒に
AEE美を探し回ったの。

BEE美

AEE美は、見つからなかったけれどその代わり
他のモノが見つかってね。

BEE美

それは･・・

蠑汰

それは･・・？

BEE美

他の村の住人の惨殺死体だったの。

蠑汰

惨殺･・・死体･・・？

BEE美

そ。惨殺死体。
しかも、身体は必要以上に切り刻まれていて

BEE美

真っ赤に染まってたの。

蠑汰

えっ、それってもしかして･・・。

BEE美

その時、何人かの支配人が切り刻まれたの。
そこに立っていたのは･・・
AEE美だった。しかも、身体中を真っ赤に染めて。

BEE美

こうしてAEE美は、村中の住人もろとも真っ赤に染め上げたの。

BEE美

真っ赤に、真っ赤に、真っ赤にね。

BEE美

どう？怖かった？

蠑汰

まあ怖かったけどさー・･・めちゃめちゃって程じゃないかな。

BEE美

あらら。

蠑汰

それに、なんで「いちごちゃん」って
名前になるんだよ。

BEE美

それはねー
いちごちゃんの話を聞いた人が
「まるで、苺の様だ」って言ったのが始まりらしいよ。

蠑汰

うっわー😒サイコパスな考えだな。

BEE美

あとね、いちごちゃんの犯行には
ある一定の特徴があるんだって。

蠑汰

どんなのなんだ？

BEE美

確かね、冠婚葬祭の日と赤口の午の刻以外の時間帯
の日に必ず襲うんだって。

蠑汰

んな、露骨な･・・w

BEE美

だよねーw

BEE美

そういや、そろそろ赤口の日じゃない？

蠑汰

へっ？そだっけ？

BEE美

うちのカレンダー、旧暦も
載ってるから。

BEE美

蠑汰、狙われたりして～w

蠑汰

嫌な事、言うなよ。
俺まだ、死にたくねーよ。

BEE美

御愁傷様

蠑汰

ふざけんな

数日後

優しいお母さん

不在着信

蠑汰

あーはい。
何？母さん。

優しいお母さん

今日のお夕飯何がいいか
聞こうと思って。

蠑汰

グラタンがいい。

優しいお母さん

えー、めんどくさい

優しいお母さん

他のにしてよ。

蠑汰

じゃあ、聞くなや。

蠑汰

(　:ﾟ皿ﾟ)

優しいお母さん

そういや、この前部活なかったのに
帰り遅くなったよね。
あれ、どうして遅くなったの？

蠑汰

あー、あれね。

蠑汰

BEE美と一緒におしゃべり。

優しいお母さん

なんのよ。
おしゃべりだけじゃ分からないでしょ。

蠑汰

怖い話だよ。

優しいお母さん

怖い話って･・・😒
よくそんな話出来るわね。

蠑汰

俺もBEE美も母さんと違って
怖がりじゃないからな。
(ヾﾉ・∀・｀)

優しいお母さん

いらっとする(　ﾟ皿ﾟ)

優しいお母さん

でも、どんな話？

蠑汰

いちごちゃんっていう
怖い話。

優しいお母さん

なんそれ。聞いたことない。

蠑汰

最近の都市伝説なんじゃない？

優しいお母さん

教えて💗

蠑汰

BEE美曰く
『めちゃめちゃ怖い』らしいよ。

優しいお母さん

じゃ、良いや。

優しいお母さん

あっ！そういや、もう一つ。

蠑汰

はい？

優しいお母さん

部屋、散らかりすぎ！

蠑汰

えっなんの事？

優しいお母さん

だから、散らかりすぎだっての！
床に、本が散らばってるし
洋服出しっぱなしだし
教科書・ノートは、そこら中に散らかってるし！

優しいお母さん

最近、片付けられるようになったと
思ったのに･・・。まったく。

蠑汰

そんなこと、してないし！

優しいお母さん

それに、悪趣味なイタズラはやめてよね！

優しいお母さん

ノートに、赤いインクで『赤・赤・赤･・・』って
気持ち悪い。
あと、手鏡を真っ赤に染めて！
気持ち悪いったら、ありゃしない！！
やめてよね！

蠑汰

なっ！
そんなこと、やってねーし！

優しいお母さん

じゃあ、誰がやるのよ！

蠑汰

知らないよ！

優しいお母さん

とにかく！

優しいお母さん

ちゃんと片しなさい！

蠑汰

あー、疲れた。

蠑汰

なんでこんなに散らかってんだよ。この部屋。

蠑汰

部活後なのに･・・
あー、めっちゃ疲れた。

燐子

どう？片し終わった？

蠑汰

ん。終わった。終わった。

燐子

全く、いつもちゃんと片付けときゃ
こんな事に、ならないのに。

蠑汰

だから母さん。
俺じゃあないって！

燐子

じゃあ、誰がこんな事をするのよ。
母さんも、父さんもするはずないし。

蠑汰

知らない！
とにかく、俺じゃあないからな！

燐子

ハイハイ、分かったわよ。
母さん、夕飯作るから
その間に宿題しときなさい。

燐子

あの悪趣味なイタズラの後始末は、済んだんでしょうねぇ。

蠑汰

ノートは、なんとか･・・
鏡がちょっと･・・。

燐子

ったく。
余計な事するからよ。物を大切にしなさい。

蠑汰

だから、俺違うって！

燐子

あー、ハイハイそうでしたね。
ま、とりあえず宿題しときなさい。

蠑汰

わかったよ。

燐子

今日のお夕飯は、餃子よー。

蠑汰

え～グラタンがいいって言ったのに！

蠑汰

ちぇ･・・無視かよ。

蠑汰

あー、宿題しねーとなー。

蠑汰

えっと今日はー･・・
教科書78ページの問題をー･・・

蠑汰

えっ･・・なんだ、これ･・・

蠑汰

なんでノートがこんな･・・
まさか･・・いちごちゃん？

蠑汰

いや、でもあれは、
都市伝説だろ？

蠑汰

マジの話じゃ、ないはず･・・

蠑汰

で、でも･・・
もしかすると･・・

蠑汰

都市伝説だからって
全部嘘とは、限らないわけだしな･・・

蠑汰

だっダメだ！気にすんな！
いちごちゃんなんて居るわけねーんだから！

蠑汰

は、早く宿題しねーと･・・
ここのページは、もったいねーけど
･・・破るか。

夕飯後

蠑汰

大丈夫、いねーんだから。
いちごちゃんなんて･・・。

燐子

蠑汰ー。
お風呂入っちゃってちょうだい。

蠑汰

えっあっうん。
そうするわ･・・。

蠑汰

洋服、洋服。

蠑汰

は？え？なんだ、これ･・・？

蠑汰

なんだよ、このTシャツ･・・
白だったはずだろ？

蠑汰

なんで･・・
なんで･・・！
赤色に染まってんだよぉ！

蠑汰

き、気持ち悪ぃ！！

蠑汰

(いちごちゃんなんて、居るわけねーのに！なんでだよぉ･・・)

蠑汰

(なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで･・・！！！)

蠑汰

(居ない！居ない！居ない！居ない！居ない！居ない！居ない！)

燐子

蠑汰ー！
早く入っちゃいなさい！
お湯、冷めちゃうでしょ！

蠑汰

わ･・・分かったよ･・・。母さん･・・。

就寝

蠑汰

はー。お風呂気持ちよかった。

蠑汰

でも･・・根本的な問題は、解決していないんだけどな･・・。

蠑汰

明日まだ生きてりゃ、BEE美に聞こうかな･・・。
いちごちゃんの事･・・。

カタッ　カタッ　カタッ

蠑汰

えっ･・・

蠑汰

い、今、ベットの下から･・・。

BEE美

(都市伝説っていってもね、死んでる訳じゃあなくて普通に生きてるの)

蠑汰

(う、う、嘘･・・だろ･・・？
もう･・・この部屋の中に･・・居るのか？)

蠑汰

(か、確認してみよう･・・)

蠑汰

(クローゼットの中の鏡からなら、姿を確認できるかも･・・)

蠑汰

えっ、えっ、えっ･・・。
う、うわああぁぁ！！！

燐子

なっ！？蠑汰！
どうしたの！真っ青な顔して！

蠑汰

ベッベランダに真っ赤な女の人が！！
鎌を持って！窓を叩いてるんだ！！

燐子

何を言ってるのよ！？蠑汰！

蠑汰

い、いちごちゃんだ･・・！
殺しに来たんだぁ！！！

燐子

いちごちゃん！？
何言ってるの！蠑汰！
ちょっと落ち着いて、、、

蠑汰

嫌だ！嫌だ！嫌だ！嫌だ！嫌だ！
まだ、死にたくない！！！！

燐子

ちょっ！蠑汰！どこ、いくの！

蠑汰

助けて！助けて！助けて！

蠑汰

BEE美！！助けてくれ！

BEE美

どしたの？

BEE美

もしかして、宿題？
なら、助けにはなれないな～🎵

BEE美

まさかだけど、いちごちゃんに襲われてるとか！？ww
たしかに今日、赤口だけどさwww

蠑汰

そうなんだ！！！
襲われてるんだよ！！！

BEE美

えっ･・・冗談でしょ？

蠑汰

冗談な訳ないだろ！！

蠑汰

全身真っ赤な女が鎌持ってんだぞ！！

BEE美

マジ･・・？

BEE美

それって、いちごちゃんの容姿なんだけど･・・。
前に容姿について教えたっけ･・・？

蠑汰

だから、襲われてるんだって！！
いちごちゃんに！！

BEE美

今、どうしてるの？

蠑汰

公園のトイレの中。
あいつ、歩きながら俺を追ってきてるんだ。

蠑汰

早く助けてくれ。
いちごちゃんについて詳しいお前なら
何か打開策を知ってんだろ？

BEE美

あのね、蠑汰･・・。
凄く言いにくいんだけど･・・

BEE美

いちごちゃんに対する打開策なんて無いの。

蠑汰

は？え？嘘だろ？

蠑汰

教えてくれよ、BEE美。
本当は･・・有るんだろ？打開策･・・。

蠑汰

なっ、なあ！BEE美！

BEE美

無いの。本当に、無いの。

BEE美

この前の話で私、言ったじゃない？
いちごちゃんは、生きてるって。

蠑汰

だっ、だからなんだよ！

BEE美

死んでいるからこそ、通用する打開策はあっても･・・。
相手は、生きてるの。しかも、頭のおかしい殺人鬼。
打開策なんて、無いんだよ･・・。

BEE美

あった所でいちごちゃんに効くとは、到底思えない。

蠑汰

そんな･・・！
じゃあ、俺は･・・もう

蠑汰

しにたくない

蠑汰

しにたくない

蠑汰

しにたくない

蠑汰

しにたくない

蠑汰

しにたくないよぉ･・・。BEE美ぃ･・・

蠑汰

たすけて　たすけて　たすけて　たすけて　たすけて　たすけて

蠑汰

たすけて　BEE美

BEE美

そんなこと言われても･・・

BEE美

あっ！

BEE美

こうすれば良いんだ！！

蠑汰

な･・・何か名案が･・・あるのか？

BEE美

逃げ切って！

蠑汰

は？

BEE美

いちごちゃんは、赤口の日と冠婚葬祭の日しか襲ってこないでしょ

蠑汰

それがどうしたんだよ！

BEE美

だーかーら！赤口の日、つまり今日ずっと逃げ回って
いれば次の日は、赤口じゃないじゃない！
だから、襲ってこない！
それに、冠婚葬祭の日は今月は特にないじゃん！
だから襲われる事もないし！
問題ないよ！

蠑汰

そんなん関係ないだろ！
目の前に獲物がいて、あの殺人鬼が逃すとは到底思えない！

蠑汰

それに！
赤口の日は、またまわってくるんだろ？
どのみち次には、殺されるじゃねぇか！！

BEE美

いちごちゃんは、必ず赤口の日と冠婚葬祭の日にしか襲ってこない。
『必ず』だよ！その法則を無視して襲うとは私には考えられない。

BEE美

それに、次の赤口の日までには何か対策を考えておく。

BEE美

これは、打開策なんかじゃ無いんだよ。蠑汰。
あくまでその場しのぎの救済措置でしかない。
後先考えてない策なんだよ。

蠑汰

それは･・・不安が残るって事だよな･・・。

BEE美

不安は、残る。
でも、今は助かる。

BEE美

どうする？

蠑汰

もちろん、絶対逃げ回ってやる。
死んでたまるか！

蠑汰

競争には、自信あるからな！

BEE美

分かった。頑張って！
あと、最後逃げるならあっちに向かった方が良いと思うよ。

蠑汰

ん？どこにだ？

BEE美

それはねー･・・

午後10時48分　残り1時間52分

蠑汰

はあ･・・はあ･・・はあ･・・。

蠑汰

逃げ切れてるけど･・・はあ
さすがに、、、はあ･・・疲れるな･・・。

蠑汰

一旦、休憩しよう･・・。

蠑汰

ったく！なんでこんな目に･・・！

蠑汰

いや、愚痴ってても意味ねぇ！！
体力回復したら、即刻逃げるぞ！！

蠑汰

に、しても･・・BEE美の言う通りだったな。

BEE美

『良い？いちごちゃんは、歩いてるんでしょ？』
『なら、巻いたり隠れ道を選んだりしなくて良い』
『そのまんま逃げても大丈夫！』
『ただし、本気で追い付かれそうだったら、巻いちゃっても問題ないと思うから』

蠑汰

歩いてる相手を、巻いたりすんのは時間の無駄だしな。
逆にそんなことしてたら、追い付かれてただろうな･・・。
ホントBEE美、助かるわ。

蠑汰

さっ！体力も回復しただろうし！
いちごちゃんが来る前に、逃げねーと！！

午後11時05分　残り55分

蠑汰

はあ･・・！はあ･・・！
クッソ疲れたっ！！

蠑汰

ずっと走ってたしな･・・
そりゃあ、はあ･・・疲れるわ。

蠑汰

まずいな･・・。
このままだと、はあ･・・捕まっちまう･・・はあ･・・。

BEE美

『蠑汰。いくら競争が得意でも』
『体力切れは、免れないからね』
『体力回復だけじゃ、ダメ❌』
『時間の合間に、水分をとること！』
『水分補給は、重要だからね！』

蠑汰

そろそろ水･・・飲まないと･・・。
喉、カラッカラだしな･・・。

蠑汰

んぐっんぐっ　　げほっ！ごほっ！
･・・よし！補給完璧！大丈夫！！

蠑汰

あと、もう少しだ･・・
もう少ししたら･・・救われるんだ･・・！

蠑汰

絶っっ対！！
生きてやる！！殺されてたまるかぁ！！

午後11時29分　残り31分

蠑汰

げほっ！げほげほっ！げほっ！
はあ･・・はあ･・・はあ･・・うぇ･・・。

蠑汰

うぇ、うぇぇ、、、
は、吐きそう･・・おえぇ、、、。

蠑汰

さずがに･・・走り疲れたな･・・。
おぇ、、、気持ち悪い･・・。

BEE美

『あんまり走り続けるとその内、気持ち悪くなるからね』
『気を付けてよ』

蠑汰

そういや･・・BEE美が「走りすぎに気をつけて」
みたいな事･・・いってたっけぇ･・・。
忘れてた･・・。バカだなー･・・。俺。

BEE美

『もし、疲れすぎて走れないって時は歩いても特にリスクは無いと思うよ』
『なんせ相手も徒歩での移動なんだから』
『ある程度の距離があれば、追い付かれる可能性も低いだろうし』

蠑汰

･・・よし、歩くか！
で、また走ろう！生きるために！

蠑汰

俺の為にも･・・BEE美の為にも･・・

蠑汰

生きなきゃな！！！

午後11時36分　残り24分

蠑汰

あと･・・あと、もう少し･・・。
あと、もう少しで･・・助かるんだ･・・。

蠑汰

俺は･・・生きなきゃ･・・生きなきゃいけねーんだ･・・。

蠑汰

BEE美の為･・・。俺自身の為･・・。

蠑汰

母さんの為･・・。父さんの為･・・。

蠑汰

誰かの為に、皆の為に･・・生きなきゃ。

蠑汰

(でも、そんな意味あるのか？)

蠑汰

(生きてたら、なんかあんのか？)

蠑汰

(こんな必死こいて逃げるのって意味なくねーか？)

蠑汰

(今ここで、逃げきれてもさ、これはあくまでのその場しのぎ)

蠑汰

(打開策でも解決策でもない)

蠑汰

(ハッキリ言って、無謀だ)

蠑汰

(どうせまた、狙われる)

蠑汰

(死ぬまでいちごちゃんに狙われ続けんのか？)

蠑汰

(そんなん嫌に決まってる)

蠑汰

(なら･・・ここで大人しく殺された方がましじゃないか！)

蠑汰

(殺された方が･・・！！)

BEE美

『競争っていっても、命のかかったデスゲームだもんね』
『ここで一貫して正気を保っていられたら、化け物だよ』
『逃げてる時、必ず絶望的になるはず』
『死にたくなる、死んだ方がマシだと考えてしまう』
『でも、そんなこと考えないで！！』
『生きて！』
『今、死んだ方が楽な訳ないじゃん！』
『皆、悲しむんだよ･・・？誰もが悲しむんだよ･・・？』
『死んで楽にはなれない』
『だから･・・元気出して･・・。』
『気休めでしかないけど、この写真を見て･・・』
『希望が持ち直せたら･・・嬉しいな･・・。』

BEE美

蠑汰

ははっなんだよ、犬の写真？
･・・めっちゃ可愛らしいじゃん。

蠑汰

そうだよな･・・。
死んで楽にはならないよな･・・。

蠑汰

生きないとな･・・。皆の為に･・・！

蠑汰

絶対死んでたまるかっての！！

午後11時50分　残り10分

蠑汰

はあ･・・はあ･・・げほっ･・・

蠑汰

はあ･・・ダメだ･・・！ここで止まっちゃダメだ･・・！

蠑汰

はあ･・・はあ･・・もうすぐだ･・・！もうすぐで･・・

蠑汰

あそこに着く･・・。

蠑汰

もうすぐ終わるんだ･・・全てが、終わるんだ･・・！

蠑汰

捕まって･・・たまるかああぁぁぁぁ！！！！

午後11時59分　残り1分

蠑汰

やっと･・・やっと着いたぞ･・・。
俺たちの学校･・・！

BEE美

『蠑汰今、家の近くの公園のトイレの中でしょ？』
『なら、学校に向かったらいいよ』
『蠑汰の家と学校って正反対の位置にあるじゃない？』
『遠回りで学校に向かえば、時間もかかるし』
『それに、ただ闇雲に走るよりしっかりとした目標を持って走った方が、より早く走れると思うんだ』

蠑汰

ここにさえ着けば･・・！

ザッ　ザッ　ザッ　ザッ　ザッ　ザッ　ザッ　ザッ　ザッ　ザッ

蠑汰

なっ！！！
もう追い付いたのかよ･・・！！

蠑汰

まずい！まずい！！まずい！！！まずい！！！！

ザッ！　ザッ！　ザッ！　ザッ！　ザッ！　ザッ！

蠑汰

うわあああぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！！

午前０時

蠑汰

･・・･・・えっ･・・。

蠑汰

い･・・いちごちゃんは･・・？

蠑汰

いな･・・い？

蠑汰

た･・・助かった･・・のか･・・？

蠑汰

殺されて･・・ないよな･・・･・・･・・。

蠑汰

･・・･・・･・・･・・

蠑汰

たっ･・・助かったぁ！！！！！！

蠑汰

生きてる！！脈もある！！呼吸も出来る！！

蠑汰

助かったんだぁ！！！！！

BEE美

『どうだった？蠑汰』
『生きてるよね？』

蠑汰

！　BEE美！

蠑汰

『助かった！生きてる！』

蠑汰

『殺されずに済んだんだ！！』

BEE美

『マジ！？やったぁ❗😆🎶』
『嬉しいなぁ！！』

蠑汰

『あぁ！俺もだ！！』
『なんか明日を生きているっていう感覚がたまんねーな！！』

BEE美

『そういや、明日って』
『いや、もう今日だけどww』

BEE美

『学校の創立記念日だよねー』

蠑汰

え？

ザシュッ！

蠑汰

ぐああぁぁぁ！！！

蠑汰

なっ、、、なんで！！！
襲ってくるんだよぉぉ！！

蠑汰

赤口の日は、終わったじゃねーか！！

蠑汰

なんで！！！なんで！！！なんで！！！

蠑汰

冠婚葬祭なんて･・・あっ！！

BEE美

『学校の創立記念日だよねー』

蠑汰

まさか･・・まさか･・・！まさか･・・！！

蠑汰

創立記念日が･・・冠婚葬祭の日になるのか･・・？

蠑汰

そ･・・そんな･・・。

ザシュッ！　ザシュッ！

蠑汰

いってえぇぇぇぇぇ！！！！

蠑汰

いやだ！いやだ！いやだ！いやだ！いやだ！

蠑汰

しにたくない！しにたくない！しにたくない！しにたくない！

ザシュッ！　ザシュッ！　ザシュッ！

蠑汰

うわああぁぁぁぁぁ！！！！！

蠑汰

がはっ！！

蠑汰

･・・血･・・。
しにたく･・・ない･・・のに

蠑汰

や･・・やめて･・・

蠑汰

ごめんなさい･・・。ごめんなさい･・・。ごめんなさい･・・。

蠑汰

ゆるしてください･・・。ごめんなさい･・・。ごめんなさい･・・。

蠑汰

やっ､やだぁ･・・
たすけて･・・。

蠑汰

やめ･・・！！！

ザシュッ！　ザシュッ！　ザシュッ！　ザシュッ！

蠑汰

があぁぁぁぁ！！！

ザシュッ！　ザシュッ！　ザシュッ！　ザシュッ！　ザシュッ！

蠑汰

ああああああああああああぁぁぁぁぁぁ！！！！！

蠑汰

た･・・たすけて･・・

蠑汰

だれか･・・たすけて･・・ください･・・

蠑汰

たすけてぇ･・・たすけてぇ･・・

蠑汰

しにたくないよぉ･・・たすけてぇ･・・

蠑汰

あ､あぁ･・・あぁぁ･・・

蠑汰

た･・・たすけてぇぇ･・・

蠑汰

たすけ･・・

ザシュッ！！！

#@¥µjiffy*&%

通話
00:00

BEE美

はい･・・もしもし。

#@¥µjiffy*&%

dgfsethkl@hy

BEE美

はいはい。

#@¥µjiffy*&%

nlrlbw

BEE美

うん、私も大好き。
愛してるよ。

#@¥µjiffy*&%

lblrlqijijieibiaijijlelluaurweybi...

BEE美

そう言うと思った。

#@¥µjiffy*&%

swjueysljwjujwbbbljiriaublusw...

BEE美

そう･・・分かってるよ･・・。

#@¥µjiffy*&%

vwwnu!

BEE美

でも、あと一回位は
襲えそうじゃない？

#@¥µjiffy*&%

nlsljunwrwbluqlti

BEE美

次は、誰にしようか？

#@¥µjiffy*&%

slewbuautiyrrw?

BEE美

分かってるよ。

#@¥µjiffy*&%

swni,aibbblbublfljygluewblujlelbw

BEE美

･・・

BEE美

長く居れそうだし･・・。

#@¥µjiffy*&%

blbbsw?

BEE美

遠い地方や、田舎が良いな。

#@¥µjiffy*&%

sluhivy,qlrlaufljunwrijyjlrl

BEE美

行き先はまだ、決めてないけどね･・・。
あはは。

#@¥µjiffy*&%

aiybleyqlbw...

BEE美

私また、転校するから･・・。

BEE美

ところで･・・

#@¥µjiffy*&%

alayfl!qlrlaubiuniyribw!
rltieububleyql

BEE美

だよね･・・。
私も、そう思った。

#@¥µjiffy*&%

rirrwniiuauuhiyauryblibujyslrrlql
rluoybilhuslrrlqs

BEE美

身長も高い方だし
水泳部だったから、
肉付き良くて、タイプだった。

BEE美

蠑汰はね･・・。

BEE美

なんせ･・・。

BEE美

良かった･・・。

#@¥µjiffy*&%

lbiji,rirrwniiuaujlrrlqlti
lbbblibujygl,bljlbljlryewbluqlti

BEE美

蠑汰。

BEE美

どうだった？

Fin.

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1件

どうでしたか？面白かったですか？それとも・・・怖かったり？ちなみに、この話は、ミステリー仕様にもなっています。ぜひ、謎を解き明かして下さい！

太陽さんさん

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いちごちゃん

第1話 - いちごちゃん

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