遡ること5年前
氷織
私は当時、ピアノのコンクールに出ていました
氷織
奏でる音1音1音に気持ちを込めて演奏していました
先生
次は氷織さんの発表です。
先生
曲名:over world
氷織
そして、一礼をしました
私は曲を演奏します
氷織
ミスらないよう1音丁寧に
氷織
♪〜♫
氷織
いい音だなぁ
そして、気がつくと演奏は終了していました
氷織
あ、終わっちゃった
氷織
それくらい集中してたんだ、、、
周りは大歓声と拍手に包まれます
先生
素晴らしい演奏でした!
先生
ピアノコンクール優勝は氷織さんです!
氷織
え
氷織
私?
私はもちろん嬉しいかった
でも、何か足りなかった
氷織
また、、、か
私は過去に何度も優勝していました
現に優勝して当たり前、そう思っていました
氷織
なんか、、、凄いこと無いかな
先生
ねぇ氷織さん
先生
世界、、、見たくない?
氷織
世界?
先生
ピアノの世界!
氷織
!
ここで私は初めて目標を立てることができました
氷織
世界行きたいです!
そして、私はアメリカに行きました
ピアノのために
氷織
ここ、、、がアメリカ
先生
どう?
先生
良い街でしょ〜
当時私はアメリカの景色、街、風景などに全く興味ありませんでした
早く世界の人のピアノを見て、演奏したい
そう思っていました
氷織
先生!
氷織
早くピアノ弾かせて!
先生
そう言うと思って、会場貸してもらってるよ!
先生
いきなりだけどコンクール出る?
先生
出ることも可能だけど
氷織
出るよ!
氷織
当たり前だよ!
先生
そうよね〜
先生
んじゃ、向かいましょうか
氷織
ここ、、、が、、、
先生
そうよ
氷織
でかぁい
そこは日本のコンクールとは全く違った雰囲気でした
先生
それじゃ、準備して!
氷織
うん!
氷織
(ここならきっと良い相手見つかる!)
私はとても楽しみでした
ですが、現実はそううまくいきません
アメリカの教師
winner is Hiori!
氷織
え
氷織
また、、、勝っちゃった
氷織
もう、、、私
氷織
毎回優勝してる、、、
氷織
初めて優勝した時の喜びも感じなくなってきたな、、
氷織
何が楽しいんだろ
氷織
周りには私に敵う人すら居なくなったのか、、、
氷織
本当の勝利ってなんだろ、、、
氷織
先生
先生
はい?
氷織
私はもうピアノを辞めます
氷織
本当の勝利、本当の喜びがピアノによって消えました
氷織
もう二度とピアノを奏でません
先生
え
先生
ちょっと待ってよ
氷織
先生
氷織
私の心がこう言ってるんです
氷織
ピアノによって人を失いかねないって
氷織
もう金輪際ピアノは触らない
氷織
それじゃ、帰国します
先生
分かりました、、、
そして現在
氷織
ってことです
高崎
だから、急に消えたのか
高崎
僕もピアノやりたくてピアノ買ったんだけどね
高崎
やっぱり難しいや
高崎
才能があってこそピアノという物が出来るんだと思うよ
氷織
そうですかね
高崎
僕はそう思う
高崎
君のピアノは人を笑顔にさせることが出来るよ
高崎
ねえお願いがあるんだけどさ
氷織
なんですか?
高崎
ピアノ、、、弾いてくれない?
氷織
え?
氷織
ブランクありますよ?
氷織
しかも、、、弾きたくないです
高崎
そうだよな
高崎
でも、笑顔にしたい、またピアノを弾きたいって気持ちは微かにあるだろ?
氷織
それは、、、
高崎
下手でも失敗してもいい
高崎
今の君をピアノで聴かしてくれないか?
氷織
分かりました
氷織
泊めてもらってるお礼としますね
高崎
助かるよ
午前6時、氷織は5年ぶりにピアノを手に取った






