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人間恐怖症の私、と先生

第3話 - 人間恐怖症の私、と先生Ⅲ ｢尚兄が教えてくれた事｣

2021年11月02日

#不登校

#恋愛？

さつき

ガチャ

渋谷美葵

！！、お母さん帰って来た！！

渋谷美葵

上行って！！

寿尚弥先生

えっなんでっ…！

渋谷美葵

いいから早く！！

寿尚弥先生

ちょっ………！！

渋谷美葵

(ふぅ……)

お母さん

！！、美葵、びっくりするじゃない

渋谷美葵

あ〜……ごめんねお母さん

お母さん

あそうそう、ちょうどいいところに……

渋谷美葵

？？？

お母さん

あら、その箱もう開けたの？？

渋谷美葵

うん、なんか私宛みたいだったから

お母さん

じゃあ、説明はいらないかしらね

お母さん

単刀直入に聞くけど、転入してみない？

渋谷美葵

………(やっぱり…)

お母さん

まあ、今すぐにとは言わないわ

お母さん

もし転入したかったらすぐに言うのよ？

渋谷美葵

うん、分かった

トントントン……

渋谷美葵

はぁ……

寿尚弥先生

転校、するんだって？

渋谷美葵

盗み聞きしてたの？サイテー

寿尚弥先生

悪かったな

寿尚弥先生

で、どうすんの？

渋谷美葵

どうするって何が？

寿尚弥先生

何がじゃなくて、転校すんのか？
しないのか？

渋谷美葵

転校はー…、、

寿尚弥先生

なんで迷ってんの？？

渋谷美葵

なんでって言われても………
(てか言い方ってものがあるでしょ)

寿尚弥先生

なんで転校したい

渋谷美葵

別に転校したい訳じゃなくて……

寿尚弥先生

じゃあ今の高校でいいじゃん

渋谷美葵

………

寿尚弥先生

あれだろ？どーせ人間関係とかなんだろ？

渋谷美葵

そんな言い方ないじゃん！！

渋谷美葵

私だって普通に学校行きたいし友達だってつくりたい！

渋谷美葵

けど……

寿尚弥先生

けど？

渋谷美葵

怖い……また虐められるから

寿尚弥先生

………
(怖い？虐められる、？)

尚兄は美葵の両肩を強く掴んだ。

渋谷美葵

っ、！！

寿尚弥先生

何怖がってんの？

寿尚弥先生

世の中には、お前を殺そうと思えば殺せる奴だっていくらでもいるんだ

寿尚弥先生

たかが女子くらいで怯えんな

渋谷美葵

っ…………？！
(たかが、女子？)

渋谷美葵

たかが女子って何？！

渋谷美葵

女子のことなんにもわかってないからそんなこと言えるんだよ！！

寿尚弥先生

はぁ…………

寿尚弥先生

世のJKは大体がイキってる奴

渋谷美葵

(は？)

寿尚弥先生

そういう奴らはまだ知能がない

渋谷美葵

(知能がないって…そこまで言わなくても……)

寿尚弥先生

それが何故か、分かるか？

渋谷美葵

え、？

寿尚弥先生

誰かに認められたい、褒められたい、自立したい、自分が行うことが正しいと証明したい

寿尚弥先生

他にもあると思うけど、大体はこうゆう思いからなる

寿尚弥先生

お前もそーなんじゃねぇの？

渋谷美葵

…私は………

渋谷美葵

私、は……！

渋谷美葵

………(褒められたいわけじゃない、認められたいわけでもない…)

寿尚弥先生

叱ってほしかったんだろ？

寿尚弥先生

こんな自分が嫌で、怠けてる自分が嫌で、怖いって言って自分を守ってる自分自身が嫌だったんだろ？

渋谷美葵

…………

渋谷美葵

別に怒ってもらいたいわけじゃないし！

渋谷美葵

勘違いしないで

寿尚弥先生

分かった

渋谷美葵

え？

寿尚弥先生

じゃあ今さっきのは忘れろ

寿尚弥先生

てっきり怖いって言って自分を守ってるんだと思ってたわ、わりぃわりぃ

寿尚弥先生

思ってたよりも自己中なんだな、お前

渋谷美葵

は、、？

寿尚弥先生

だってさ、学校行ったらまた虐められるとか相当な自己中じゃん

寿尚弥先生

1回虐められただけでさぁ………って

寿尚弥先生

何泣いてんの？

渋谷美葵

寿尚弥先生

悔しい？悔しいか？

寿尚弥先生

だったら行けよ、学校

渋谷美葵

だから無理だっ、て……！

渋谷美葵

(私、ずっと守ってたんだ……)

渋谷美葵

(何か理由を付けたら休めると思って)

渋谷美葵

(自分に嘘ついて)

渋谷美葵

(だから尚兄は、尚兄は)

渋谷美葵

(私のことを自己中だなんて言ったんだ……)

渋谷美葵

(甘えてたんだ………。)

美葵の目から大粒の涙がこぼれる。

渋谷美葵

ごめん…な、さい………。。。

渋谷美葵

っ……ごめんなさいぃ………、、！

寿尚弥先生

謝る人間は俺じゃない

渋谷美葵

…………

美葵は小さく頷いた。

ガチャトン、トン、トン、

寿尚弥先生

しかし雰囲気、変わったな……

お母さん

！？美葵！

お母さんは美葵のところに駆け寄り、背中をさすった。

お母さん

どうしたの美葵？！

お母さん

何があったの？！

渋谷美葵

………え、、っと……っ、……

お母さん

………！！

お母さん

あなた、美葵に何を言ったの？！

渋谷美葵

！、なぉ……に、

お母さん

と言うか、どうやって入ったんですか！！

お母さん

これは不法侵入に当たりますよ！！

寿尚弥先生

………

お母さん

聞いてますか！！？

お母さん

これは不法侵入です！

お母さん

通報しますけど！！

お母さん

いいんですか？！

渋谷美葵

お、お母さ…

お母さん

美葵、この人は、悪い人よ

お母さん

あなたに危害を加えるの

寿尚弥先生

いや、ちょっと待て

寿尚弥先生

それは心外だな

寿尚弥先生

俺がなんでこいつに危害を加えなきゃなんねぇんだよ？

お母さん

実際そうでしょう！？

お母さん

今だって美葵がこんななって私にすがりついて

お母さん

怖い思いしてるじゃないですか！！

渋谷美葵

お母さんっ、違うの……！！

お母さん

違う……？

渋谷美葵

この人は悪い人じゃないっ、！

渋谷美葵

えっと…この人は、、

渋谷美葵

私を叱ってくれた

渋谷美葵

今まで甘えてたって気づかせてくれた

渋谷美葵

怖がったふりして、自分を守ってたの……

お母さん

…………

寿尚弥先生

こいつの言うことが信じられねーのか？

お母さん

…………

お母さん

………

渋谷美葵

お母さん……？

寿尚弥先生

それでもこいつの親かよ

お母さん

っ…！！

渋谷美葵

ちょっと、尚兄！

渋谷美葵

それは言い過ぎだって！！

寿尚弥先生

こいつが

寿尚弥先生

美葵がお前から離れんのが嫌なんだろ？

寿尚弥先生

お前は依存してんだ、こいつに

お母さん

えっ…今なんて、、

寿尚弥先生

だから、依存してるって言ってんの

お母さん

違う、その前

寿尚弥先生

美葵がお前から離れんのが嫌なんだろ

お母さん

それ！

お母さん

どうして美葵の名前をっ……！！

寿尚弥先生

幼なじみだから

お母さん

………え？

お母さん

幼なじみ、、？

寿尚弥先生

ま、お義母さんとは早くに別れたから覚えてないのも当然だな

お母さん

っ……！？
(急にお義母さんって…！！)

渋谷美葵

えっ？……

渋谷美葵

早くに別れたって……

寿尚弥先生

引っ越ししたんだよ

渋谷美葵

そっか、じゃあお母さんが覚えてなくても仕方ないよね

お母さん

ちゃ、ちゃんと覚えてるわよ！

渋谷美葵

ほんとに〜？

お母さん

覚えてる！！

渋谷美葵

そんなに必死にならなくても……笑

お母さん

渋谷美葵

寿尚弥先生

で、どーすんだよ

寿尚弥先生

転校、すんのか？しないのか？

渋谷美葵

お母さん

転校はしなくていいわ

渋谷美葵

お母さん……

お母さん

美葵のしたいようになさい

渋谷美葵

……うん
私、今の高校で頑張る

お母さん

………それはそうと、あなたどうやって侵入したの

寿尚弥先生

侵入？いやいや、2階のベランダが開いてたからそこから入っただけ

渋谷美葵

尚兄、不法侵入って言葉知ってる、、？

寿尚弥先生

俺でも不法侵入くらい分かるわ

寿尚弥先生

ドアぶっ壊すよりマシだろ

渋谷美葵

え……ドア壊そうとしてたの………？

寿尚弥先生

当たり前じゃん

渋谷美葵

いや、当たり前じゃないから💧

お母さん

それで、何しに来たの？

寿尚弥先生

美葵を学校に連れていくためにここに来ました

お母さん

美葵を、、連れていく…？
学校に？

寿尚弥先生

連れてこいと言われたので

お母さん

連れてこいと言われたから連れていくって、あなたロボットじゃないんですよ？
それに美葵がまた虐められたりしたらどう責任取るんですか！

寿尚弥先生

そうやって怯えるのも大概にしろ
怯えててもなんも変わんねぇよ
つーか相手の思うツボだっての

寿尚弥先生

責任なんて俺にはない

渋谷美葵

(え？！ないの？！)

渋谷美葵

(とんだ恥さらしだ……)

寿尚弥先生

俺に責任どうこう言う前に解決しなきゃなんねぇ事があるだろ？

寿尚弥先生

お前が怖がってる女子の事、進級試験の事、大学に行くか就職するかも

渋谷美葵

えっ………進級、試験、、？

人間恐怖症の私、と先生

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